2005年の生もの

3月  「児雷也豪傑譚話」菊五郎劇団
4月  マシュー・ボーンの「白鳥の湖」
6月  「ラ・バヤデール」ベルリン国立バレエ団
6月  「ドン・キホーテ」新国立劇場バレエ団
6月  歌舞伎「恋飛脚大和往来」(封印切/新口村)市川染五郎
6月  「ニーベルングの指環」ベルリン国立バレエ団
7月  オペラ「カルメン ボレロ付き」チェコ国立ブルノ歌劇場
8月  かんてもすコンサート
8月  「華麗なるクラシックバレエ・ハイライト」レニングラード国立バレエ
9月  市川海老蔵襲名披露公演
9月  谷口英治とスウィンギン・サミット コンサート
10月 「春の祭典」H・アール・カオス
11月 「オネーギン」シュツットガルト・バレエ団
11月 「ロミオとジュリエット」シュツットガルト・バレエ団
11月 コロッケonステージ(2階の後ろの席でも大爆笑)
12月 「ジゼル」立脇千賀子バレエ団
12月 県民が歌う 歓喜の歌「第九 2005」
う〜ん、よく観た、聴いた。

2004年舞台(生)もの

3月  デヴィッド・ボウイ「リアリティ・ツアー」(大阪)
3月  野村萬斎「能と狂言の会」
6月  一の宮咲子バレエ研究所「リーズの結婚」
7月  十一代目海老蔵襲名披露公演 松竹座(大阪)
7月  ルグリと輝ける仲間たち(福岡)
8月  かんてもす演奏会
8月  文楽と落語のジョイント
9月  十一代目海老蔵襲名披露公演 御園座(名古屋)
9月  ルジマトフのすべて(東京)
10月 宝塚宙組「風と共に去りぬ」
11月 東京バレエ団「ジゼル」(東京)
11月 谷口英治&スインギン・サミット
11月 Noism04「black ice」
その他、印象深いパフォーマンス
『ミステリアス・ピカソ 天才の秘密』上映会での日比野克彦さんの前座
『魂のアソコ』上映会でのジーコ内山さんの「さそり〜」

キリクと魔女(他3本)

—頑迷を脱して賢明になろう—
おもしろかったです。
「おかあさん、ぼくを産んで」と言うのに母は、「お腹の中にいるときからしゃべれる子は、自分で出てきなさい」と言います。生まれたばかりの子どもが「ぼくを洗って」と言うのに「自分で出てきた子は、自分で洗いなさい」と言う。う〜ん、この子にしてこの母あり、いや、この母にしてこの子ありというべきか、オープニングで度肝を抜かれました。
それから、人間てホンマ、あほやな〜と思いながら見ておりました。
だって、キリクの警告を無視して魔女にさらわれかけたところを当のキリクに救われた子どもたちが、再びキリクの警告を無視して(というかバカにして)魔女にさらわれ、またしてもキリクに助けられるのですもん。
キリクが大きくなって、元魔女のカラバを伴い村に帰ったときの村人たちの対応もひどいもんだと思いました。
枯れた泉を元に戻したのはキリクで、その村の大恩人のキリクに対して魔女といっしょなら村には入れぬと言うのです。キリクが、カラバは魔女じゃなくなったと言っても聞き入れず、頑迷な民衆というか、なんというか。まったく、ありそうなことですな(自戒)。
「魔女は、どうしていじわるなの?」というキリクの問いに、「火が燃えて、水が流れるのと同じ。」と母が答えたのについて、私は「なるほどぉ。」と思ったのですが、そう思った私は賢明ではなかったのね。魔女が意地悪なのには、ちゃんと理由があったのでした。
絵は魅力的だし、歌はあるし、上映時間が短いし、何よりキリク走りが楽しーい!
カラバの声を浅野温子があてていましたが、独特の味があってよかったです。
■ポーラー・エクスプレス
こういうしっかりした構成のアニメーション、いいですねえ。文句なく楽しかったです。
サンタクロースが本当に存在するかどうか疑念を持ち始めた少年少女を乗せて北極点を目指す汽車。
その冒険は、もちろん楽しいですが、映画ファンのお楽しみとしては、トム・ハンクスが一人何役も演じているということ。
トム・ハンクスが、実際に動いて演じたものをコンピューターに取りこんでアニメの動きを作ったそうです。
道理で主人公の少年の表情や動きは、本当にトム・ハンクスそのもの。『ビッグ』や『○○』(←題名度忘れ)を彷彿させられました。
■ハウルの動く城
なんかもう、キャラクターの勝利って感じ(笑)。
登場するキャラがみんな魅力的だし、細部のこだわり(案山子の手袋、ハウルの城の中、戦闘機の造形などなど)が、いちいち楽しいです。
ただし、まったくの無邪気な自由人であるハウルが、ソフィーを守るため身体を張るようになるまでの気持ちの流れが、今一つつかみがたいことと、カルシファーとの関係がわかりにくいことが残念でした。
また、宮崎駿監督は、戦争についての説明はわざと省いたとどこかで読みましたが、それにしては戦争の扱いが大きいため、どことどこが戦っているのか、王室つき魔法使いサリマン(細木数子みたい)が戦争にどうかかわっているのかなど釈然としない気持ちのまま見終わってしまいました。
ともあれ、ハウルが荒地の魔女やサリマンにモテモテで、おもしろかったわ〜(笑)。
■隠し剣 鬼の爪
永瀬君、すっばらしい演技。
真剣勝負に卑怯もへったくれもなし。負ければ死ぬのだもん。わざと隙を見せて討つというのは、大いに結構。
また、隠し剣は、秘剣中の秘剣。伝授される資格のある者は、この剣は使わないでしょう。つまり、この剣を使わなそうな者にこそ伝授されるのでしょうね。だって、こういう剣は『デッドゾーン』でマーティン・シーンが演じた大統領候補(言わばヒトラー)を暗殺するときに使うべき剣法なのでしょうが、だれがヒトラーか見ぬくのは無理な話ですし、よしんばヒトラーであったとしても転び具合によっては大虐殺をしなかった可能性もあるわけで、結局、使い道のない剣法なのかも。
思えば、わざと隙を見せるのも隠し剣も、武士道からは遠い、侍らしからぬ剣法ですね。
侍の身分を返上して、蝦夷で商いをするという片桐。たいへんだろうな〜。
大変だけど死ぬよりまし。過労死より、脱サラをってことかな?
あ、それと、近代戦の訓練するところとかおもしろかったですね。侍には侍の走り方があったのですね!目からウロコでした。