うん、なかなか楽しいコンサートでした。>谷口英治とスインギン・サミット
軽快で上品。とても聞きよい、こなれたジャズでした。
いっしょに行った友達は、ギラギラしてなくてよいと言っておりました。お人柄が出るからね〜とも。
谷口さんのクラリネットの音色が大変よろしいですね〜。
音が粒だっているというか、一つ一つの音がちゃんと綺麗に出て、それがつながって曲として聞こえるって感じで、それは弱く吹いても強く吹いても裏声みたいな(いななきみたいな)音のときでさえ磨き抜かれた音。だから品よく聞こえるのかもしれないですね。
おしゃべりもお好きなようで、結構受けてましたよね。ジャズ初心者でも楽しめるように、コード(和音)進行の中で元のメロディとは違ったメロディを作って行くんだよー(←これが即興)と説明してくれて、リパブリック讃歌(タロさんの赤ちゃんが風邪ひいた)で実演。
また、即興が成功すると当人が悦に入ってニヤニヤし、失敗すると他のメンバーがニヤニヤするので、そういうのを見てもらうのがライブの醍醐味だ(笑)とかお話してくれました。
裏拍子(2拍目と4拍目)で指パッチンしてねと観客も参加しての「大きな古時計」演奏も楽しく、お客さんもノリノリで2時間弱があっという間でありました。
1 ソフト・ウィンズ
2 スイート・ジョージア・ブラウン
3 ムーン・リバー
4 リパブリック讃歌
5 スターダスト
6 A列車で行こう
(休憩10分)
7 イン・ザ・ムード
8 セント・トーマス
9 大きな古時計
10 鈴懸の径
11 メモリーズ・オブ・ユー
12 君去りし後
(アンコール:リクエストに応じて)
茶色の小瓶
印象派と西洋絵画の巨匠展
う〜ん、なんだか統一感に欠ける展覧会でありました。
それに展示作品の一覧表さえ配られてないもんな〜。私はめったなことでは図録なんて買わないので、一覧表をよすがに作品を反芻するのよ。今回それが出来ないのでブーイングだわ。
今回は県立美術館が主催じゃないから、年間観覧券の効力もないしさ(ぷんぷん)。
印象に残ったのは、絹のソファーに女の子がもたれている作品。あの布の輝きは素晴らしいですね〜。
それから、クリムトの左向きの少女の絵。少女の表情にもの凄いパワーがあって(なんか一心に考え事をしているので、あらぬ方を凝視しているかのように見える表情)、それをそっくり写し取ったクリムトの筆さばきと逆光を生かした画面構成に衝撃を受けました。
あと、ピカソはどんな絵を描いても力があって、なんだか悔しい。負け知らずの横綱みたいに憎たらしい(笑)。
デ・キリコは、見てみたかったんだけど、見たらイマイチ。マルグリットもあんまり上手じゃないねー(爆)。ひらめき勝負ってとこがよいわね。この二人の絵は思ったよりサイズが小さかったですね。ウォーホルは、思ったより大きいサイズでした。
「犬」と「女性」と「男性とリンゴ」の版画(?)の作者は誰でしょう?気に入ったのですが。
常設展1階では、土陽美術展をやっていて、石川寅治がいいですねー。
昨年の寅治展、見に行けばよかったと思いました。
2046(他いろいろ)
う〜ん、トニー・レオンはよかったけど・・・・・。
マギー・チャンとトニー・レオンはゴールデンコンビですよね。ホントに絵になる二人だわ。
チャン・ツイィーは、正面から見た顔はいいんだけど・・・・。
わたし、キムタク不感症だし・・・・。(でも、ハウルには期待しているの。美青年だもん。)
■モンスター
クリスティーナ・リッチ、か、かっわいいー。独特の美しさがありますよね。
彼女が演じたセルビーは、純粋だけど依存心だけで生きているような困ったちゃん。
シャーリーズ・セロンが演じたアイリーンが、可哀相でたまらなかったわ。
でも、自分に選択肢がないからと言って人を殺して、その人の選択肢を奪うようなことをしちゃいかんのだけどね。
作品としてのインパクトは強く、今もどこかにアイリーンのように選択肢がなくて、のた打ち回っている人がいるのだろうと思うと、ちと胸が苦しくなります。
ブルース・ダーンが演じたトムという元兵士が興味深い存在でした。アイリーンの唯一の味方で理解者。「君が(娼婦を)していることは、生き抜くには他に選択肢がないからだ。だが、他の者にはそれが理解できない。まったく別の世界で生きているのさ。」戦地から帰還後、仲間が何人も自殺したというトムの言葉。
それにしても、シャーリーズ・セロン、アカデミー賞主演女優賞は伊達じゃない。セロンの影も形もなくアイリーンに成りきり!
不細工メイクはよしとして、たるたるの背中と腹を見たとき、私はショックでしたーっ。「やめてくれー」って感じ。さすがに手は綺麗なままだったけど。
『モンスター』を見てしまった人は、今度、高知東宝で上映される『トリコロールに燃えて』のセロンで気を取りなおしてくださいね〜。
■予告編を見て
両親を殺されて、復讐に燃え世界中を旅して見つけたものは!?
ひえー、おもしろそー!何の予告!?と思ったら『バットマン・ビギンズ』。
ブルース・ウェイン(=バットマン)は、クリスチャン・ベールか〜。まずまずですね。
ケン・ワタナベも出るし〜。
執事のアルフレッドは、マイケル・ケイン!わはは、見たい見たい。
リーアム・ニーソン、ゲイリー・オールドマンも出てるよー。
監督は、だれだっけ、忘れたい名前だったような(笑)。
MCN(ムーヴィー・シティ・ニュース)のBatman Begins(英語)
■ラブストーリー・ベストテン
キネマ旬報12月上旬号で、ジャンル別オールタイムベストテン第3弾ということで、日本映画のラブストーリー・ベストテンが発表されていました。
1 浮雲(成瀬巳喜男)
2 野菊の如き君なりき(木下恵介)
3 近松物語(溝口健二)
4 幸せの黄色いハンカチ(山田洋次)
5 愛のコリーダ(大島渚)
6 また逢う日まで(今井正)
7 赫い髪の女(神代辰巳)
8 秋津温泉(吉田喜重)
9 ジョゼと虎と魚たち(犬童一心)
10 乱れ雲(成瀬巳喜男)
『ジョゼと虎と魚たち』が入っているのをお知らせしたくて打ち込みました。9票入っとります。
見たことあるのは4、5、9だけ。1、8は高知で近年上映された記憶があるけど、残念ながら見ていません。
他人の選んだベストテンを見るのも面白いけど、自分で選ぶのはもっと面白く、みんなで選ぶのは更に面白いです。
というわけで、みんなで選んでみませんか?2004年オフシアターベストテン選考会が1月にありますので、近いうちに応募要領をアップしますね〜。
噂音菊柳澤騒動
11月12日に国立劇場で歌舞伎の通し狂言を見てきました。「噂音菊柳澤騒動」(かねてきくやなぎさわそうどう)と読み、100年ぶりの上演だそうです。
通し狂言というのは、みんなこのお芝居のように盛りだくさんなんでしょうか。ある幕では松健サンバもどきで笑いを取りーの、またある幕では義太夫で泣かせーの、はたまた大詰めでは大立ち回りがありーの、12時から4時半過ぎまでたっぷり楽しませてもらいました。
非常によく出来た芝居で、将軍(菊之助)に自分の妻(時蔵)を差出し出世しようとする侍(菊五郎)と、若旦那(菊之助)に女房(時蔵)を差出し身代を築こうとする町人(菊五郎)。身分の上下に関わらず色と金への欲は変わりがないことを交互に見せます。お上の話がそれからどうなったかは、下々の者が引き継いで見せるというわけです。
この見せ方がまずもって面白いうえに、看板役者数人がそれぞれ一人何役も演じるので、観客としては役者の変化も楽しめます。
ただし、大詰めの大立ち回りは、筋書き上なぜそうなるのか流れが不自然で、大詰めを盛り上げるために乱闘場面を用意したように思われました。
また、時蔵さんが柳澤の妻(ということは将軍綱吉の愛人)を演じるのはいいのですが、綱吉の正室まで演じるのはいかがなものでしょう。セリフを始めると、ちゃんと別人になっていましたが、それまでは「あれ?柳澤の妻?」と思ってしまいました。
ここは、時蔵さんには思い切って老け役をやってもらいたかったな〜。四幕の三間右近(菊五郎)の母をやってくれたら、下女おしづ(菊之助)ともども、主役の三人が全五幕に出ずっぱり!再演の際には、是非ともそうしてくださいまし。
えー、さてー、私の好きな菊ちゃんは(菊之助の方ね)、将軍綱吉の和歌を愛する初心な時代から生類哀れみの令を出すような殿様への変貌ぶりも上品に、木目細かに演じておりました。上手いです。(若旦那は若すぎると思ったけど。というのは相手役の時蔵さんの姉さんぶりと比較してです。)立役もいいわ〜。きれいだもんね〜。
でも、下女おしづには泣かされた〜。右近に求婚されて嬉しいけれど身分違いゆえ心ならずも断る次第。右近とその母が自害したのを見ての驚愕の面持ち。身をもみしだく様のいろっぽさ。心からの表情が、顔だけじゃなく身体全体で表現されていて感動しました。
菊五郎さんは、見得を切るときとっても上品なのね。菊ちゃんもお父さんの芸を引き継いで、やりすぎないのだわ。
あ、そうそう、大立ち回りのとき、セリフをとちった人がいて(そのとちりぶりがあまりにも派手だったもので本人も会場も笑ったのですが)、菊五郎さんまで吹いていたのが可笑しかったです。やはり、生の舞台っておもしろいですねえ!
うわーーーーー!!!!これを忘れちゃいけない。
綱吉、柳澤奥方おさめ、柳澤の三人の関係をずばり見せた三幕一場がとてもよかったです。柳澤が操る綱吉人形とおさめ人形が艶っぽい関係になるという踊り。幻想的で夢のよう。と思ったら、次の場で若旦那とおりうが見た夢で・・・・・とつながります。芝居(すじがき)の流れとしてもいいし、菊ちゃんの人形振りが見れるのもいいし、この最高の場面を書き落としちゃダメダメでした〜。
ご機嫌!歌舞伎ライフの噂音菊柳澤騒動レポートをご覧ください。