ヤンヤン 夏の想い出

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「ヤンヤン 夏の想い出
私たちは映画や小説の中を生きている」

事件や事故と隣り合わせの、ドラマとコメディが入り交じった日常を客観的に描いて、映画的美しさを兼ね備えている。私たちの日常は初めてのこと尽くしであり、誕生、結婚、病気、死別、不可思議などの事柄はもちろん、たとえ習慣化された平凡な日であっても昨日とは違う。一日一日は発見に満ちた愛おしいものだ。喜怒哀楽やその他の感情の渦中にいると気づかないそんなことを遠景、俯瞰、夜間のガラスの映りこみ、ヤンヤンの撮った後ろ頭の写真、印象的な台詞などで気づかせてくれる。映画を作るという仕事は、生きているってことの意味を観客の一人一人に届けることなんだという心意気にも感動した。

スケール感といい、印象的なカットやシーンがたくさんあって、映画史に残る(残したい)素晴らしい作品だと思うが、二十数年ぶりに再見して覚えていたのはヤンヤンの撮った後ろ頭の写真だけだった(^_^;。人生のカンフル剤として十年ごとくらいに観たいものだ。
(2026/02/23 キネマM)

殺し屋のプロット

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『殺し屋のプロット』
終活浪漫

マイケル爺や(キートン)、かっちょ良かった(^o^)!
画面をぐっと暗くして、これがフィルムノワールというものだろうか?また、機知に富んだ台詞にくすりとしたり、父子の場面にぐっときたり。サスペンス度は低いけれど渋くて浪漫もある。アル・パチーノのあのラストは『○○○○○○○○○』やんか!とパチーノ・リスペクト感もあり、マイケル爺や監督、ほんまに良い仕事をしてくれた。

原題は「KNOX GOES AWAY」。死ぬわけではないのに、ヤコブ病系の認知症が死のメタファーになっている。死ぬに際して、ノックス(マイケル・キートン)のようにスッキリと終いをつけられたら、どれほど良いだろうと思う。はなればなれになった家族にも世話になった娼婦にも悪くは思われない最後。めでたいことである。
博士号を二つも持つノックスが、なぜ、殺し屋になったのか。陸軍の偵察部隊にいたせいで、『ディア・ハンター』でクリストファー・ウォーケンが演じたニックと同様に、暴力界隈に身を置くことでしか生きられなくなったのだろうか。殺し屋になったため愛する家族とはなればなれになったわけだが、その距離は必要なものだったのかもしれない。
(2026/01/17 あたご劇場)

羅小黒戦記2ぼくらが望む未来

毛筆で書いた画像『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』
動体視力

中国で大ヒット、主人公かわいい、とのことで観たかった作品。「1」を見逃していたが、続き物ではないとのことで行ってきた。ほのぼのしたアニメという予想に反して、ハードなアクションの連続に、これはトム・クルーズも真っ青の「ミッション:インポッシブル」か、あるいは、フォースとともにあれの「スター・ウォーズ」か、といった感じで動きの速さに付いて行けなかった。お話は、弟子の成長記でもある「ベスト・キッド」か!?と思いきや、妖精と人間の「戦記」だったとは。戦う必要があるのかよくわからず、アクションを見せるための戦いなのかしらと思ったり、執行人って何?・・・と思った。

アメリカナイズされている感じは否めないが(その割に敵となる人間側が英語を話す)、ラストで悪者を退治(殺)したりしないのが、すごくよかった。また、魅力的なキャラクターがいっぱいで人気があるのもうなずけた。
(2026/01/04 TOHOシネマズ高知3)

2025覚書(マイ・ベストテン)

2025年は、日本映画10本、外国映画8本をスクリーンで観ました。かるかん率は55%でした。「好き」を基準に選ぶマイ・ベストテンは、『ロボット・ドリームズ』『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』『パディントン 消えた黄金郷の秘密』『ベロニカとの記憶』と動画配信で観た『花まんま』です。
あえて順位をつけるとすれば、第1位は『花まんま』、後は皆、第2位です。

『花まんま』は、両親を早くに亡くした兄妹もの。それにプラスして妹に他人の魂が同居してしまい、その人の遺族との交流も描かれています。遺された者の心情が染みてくる作品になっていました。大阪の下町の人情もよろしく、兄妹の亡くなった両親が登場するたびに笑える演出が施されており、もちろん妹の結婚式はぼろ泣きです。こういう作品が年に数本はあってほしいと思います。

見逃し残念なのが『ワン・バトル・アフター・アナザー』『ひゃくえむ』。うん十年前に見逃して、やっとキネマMで見れてうれしかったのが『落下の王国』。
ベスト・キャラクターは不在でしたが、『花まんま』でオール阪神・巨人がそれぞれ良い味を出していて、芸人の起用の王道だと思いました。