明日へ紡ぎつづけて

昔の若者は輝いていたのだなぁ。仲間というのは、人を元気にするのだなぁ。ってことと、戦後の労働運動史の概略をうまいことまとめてあるなぁと思った。
GHQが労働組合の組織化を推進したこともあり、それぞれの職場で勉強して組合を作り、「本当にこんなことから?」というような要求から始まって、8時間労働などを勝ち取り、別の組合であっても職場を越えて労働者(=若者)同士の交流などもあり、大きな広がりを持っていた運動が、巻き返されてアカ狩りされて(別に共産党員でなくても疑いを掛けられて仲間はずれにされるよう仕向けられるなど)労働者が分断されて、どんどん運動が小さくなってきた様子がよく伝わってきた。今現在運動をしている人たちは、生き生きしていると言ってもおじいさん、おばあさんだ(涙)。おしまいの方は、現在だから映像はクリアなのに、あんまり狭い世界の話になってきて、窮屈さを感じるくらい。昔の白黒の映像や写真の不鮮明さが茫洋とした労働運動を感じさせるのと対称的だ。まるで三角の旗のように先が細ってきた運動を体感させられる作りになっているのが映画的だと思った。
それにしても、紡績=絹=「ああ、野麦峠」の女工哀史と思っていた自分に喝。戦後は輸入綿だったのかぁ~。しかし、野麦峠の明治、大正ときて昭和の戦後まで労働条件は、あまり変わらなかったということか?だとしたら、GHQ様々だ。
戦後すぐの選挙は、毛筆で書いて投票していたのも印象に残った。
監督:山本洋子
(四国文映社 2011/04/29 自由民権記念館)

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