「息子を失ったら生きていけないわ」
「わかるよ。でも、実際はそうでもない。」
地方紙の記者ジーン(マギー・ギレンホール)と落ち目の歌手バッド・ブレイク(ジェフ・ブリッジズ)の会話が、この映画を象徴していたように思う。地味で平凡な人々にも、時折ドラマチックな(はずの)出来事が起こる。事故で足の骨を折ったり、狂おしい恋に落ちたり、預かった子どもを見失ったり。そして、どんなドラマチックな(はずの)出来事も日々の営みの中で凪いでいく。
バッドは、ジーンと出会ったことによって作曲のインスピレーションを得、子どもを迷子にした自責からアルコール依存症を脱した。そんな人生の転換期を、ひたすら地味に描いて味わい深かった。塩分控えめの超薄味だけど、コクのあるスープみたいな感じだ。
ウェイン(ロバート・デュヴァル)・・・・美声に驚いた。
トミー・スウィート(コリン・ファレル)・・・・う~ん、濃い。
笑ったところ三カ所。
ジーンに思ったより早く帰られたバッドが、懐からグルーピーおばちゃんの名刺を取り出すところ。電話したな~(笑)。
トミーの前座なんか死んでもやらないと言っていたバッドが、実はやっぱり喜んでいた。「サンキュー、ジャック!」(笑)。
トイレで裸で倒れたままのバッド。やってきたウェインが驚いて介抱するかと思いきや、「またかよ。釣りに行く約束だぞ。」(笑)。
じぃ~んとしたところ。
うん十年連絡をしてなかった息子に電話したが振られたバッドを、ウェインが「何十年もほったらかしにしたのはお前が悪いが、電話したのに応じなかったのは息子が悪い」と釣りをしながら変な慰め方をするシーン。
ジーンとの再会シーンのズームアウト。
CRAZY HEART 監督:スコット・クーパー
(オフシアター・ベストテン上映会 2011/06/12 高知県立美術館ホール)
お茶屋さん、どうも。
東京の公開は随分前だったので、ちょっと記憶が薄れいていたのですが、こちらを拝見して感動が薄味のスープのように甦ってまいりました。
あの釣りのシーンは特に良かったですね~。
うん、実に薄味のスープのような味わいのある良い映画でした。
スーダラさん、ようこそ。
地味に良かったですよねぇ、この映画。
賛同いただけて嬉しいです(^_^)。
バッドもわかっていたと思うんですよね。息子が歓迎してくれるなんて甘い話はないと。だから、ウェインから思いっきり肯定してもらって、こっちが泣けちゃった(笑)。
デュバル先生の意外な美声も聴かせてもらえて嬉しかったし、釣りのシーン、大好きです!
お茶屋さん、こんにちは。
今し方、済ませた拙サイトの更新で、こちらの頁を
いつもの直リンクに拝借したので、報告とお礼です。
>笑ったところ三カ所。
まさに、まさに(共感至極)。
んでもって、返す刀で突っ込み三カ所。お茶屋さんは、
事故で足の骨を折ったことも、
狂おしい恋に落ちたことも、
預かった子どもを見失ったことも、
おありのようなんですね(ふふ)。
みんな歌が味わい深くうまいことにもビックリの作品でしたね。
どうもありがとうございました。
>おありのようなんですね(ふふ)。
そうなんですよ(ふふふ)。
って、周囲の話ですが(笑)。
>みんな歌が味わい深くうまいこと
「ミュージカルだよ、全員集合!」にも出てもらいたいです。
ありがとうございました。