例えば「宇宙人にどう東京を紹介するか」など、いかにも作られた感のするセリフがところどころあるものの、つもった落ち葉のようにふかふかで、斜めの日差しもやわらかい、憩いの映画になっていた。秋の空気のような爽やかさもあった。意外だったのは、青山作品にユーモアがあることと、「青山くん、君は映画小僧だったのかーーー!?」というくらい既存の映画がでてくること。原作があるとのことだから、もしかしたら原作者が映画小僧なのかもしれない。鑑賞後、監督のトークがあったので、そこで質問をすればよかったが引っ込み思案でいけない。
全体的にゆったりとしており、光司(三浦春馬)と親友のヒロ(染谷将太)、あるいは光司とヒロの元彼女である富永美優(榮倉奈々)のやりとりなど、そのテンポが保たれたうえで可笑しくてたまらなかった。ところが、光司が「けじめ」をつけるため、姉美咲(小西真奈美)のマンションを訪れるシーンは、とんでもなく緊迫しており、最大の山場となっていた。気の弱い私など恐怖を感じたほどで、「あー、お姉さんを裸にしてしまった(オロオロ/ドキドキ)」と心臓に悪かった。それでも二人がそれぞれの気持ちを確かめた後は、憑きものが落ちたと言ってよろしく、これで美咲姉ちゃんも次に進めるというものだ。(ちなみに、キスで決着がつくシーンのある作品『P.S.アイラヴユー』、好き~(^_^)。)
歯科医師の初島(高橋洋)も妻(井川遥)と向き合い、浮気の疑いにけりを付けて次に進んだ。相手が亡くなったことによって向き合うすべがない美優とマスター(宇梶剛士)は、自分の気持ちに折り合っていくしかないのかな(?)。
セリフがほとんどなくて楽ちんなはずの井川遥。存在感があった。特に志田杏子としてのセルフポートレイト、いいわ~。
潮風公園の海の色、大島を離れるときの夜景、紅葉、志田家の部屋、カメラを構えた光司の脇のしまり具合などもよかった。
監督:青山真治
(えいネ~:高知県映画上映団体ネットワーク 2011/10/04 高知県立美術館ホール)
『東京物語』『東京兄妹』『東京家族』東京特許許可局
お茶屋さん、こんにちは。
今般の拙サイトの更新で、こちらの頁を
いつもの直リンクに拝借したので、報告とお礼に参上しました。
拙日誌にも綴りましたが、本作の“ユーモア”、
とっても目を引きましたよねー。
あと、「キスで決着」とあるのを読んで、
うん“けじめ”というよりは、“決着”なんだと思い直しました。
確かに、そういう決着の付け方もありますよね。
そーか、決着か…(笑)。
姉弟のキスシーン、固唾をのんで観てしまいましたが(笑)、妄想をふくらむだけふくらませて、いざキスしてみたら「あれれれ?」って、これが最大のユーモアシーンだったのかもしれませぬ(?)。
青山監督には、この一皮むけた調子で、ぜひ、高知ロケを実現させてほしいですね。
リンクとご報告、ありがとうございました!
いや、それって、当事者にとっては
“ユーモア”じゃあ、済まないって(笑)。
高知ロケの件は、電車に色気を見せていたので、期待してます。
もっとも、噂では入江監督のほうが既に、映画のあてもないまま
沢田マンションを撮り始めてるらしいんですが。
>“ユーモア”じゃあ、済まないって(笑)。
ははは、やっぱり(笑)。
入江監督の作品は観たことがないですが、今、ググってみたら田畑智子のヌードに行き当たりました(驚)。
http://blog.livedoor.jp/norainufilm/archives/51800746.html
フットワークが軽いんですね。