創立70周年記念 高知県書芸院展

期日:令和7年4月8日(火)~4月13日(日)
   10時~17時(最終日16時)
場所:高知市文化プラザ かるぽーと
   7階第1展示室
主催:高知県書芸院

入場無料です。

昨年出品して、観たところ一番下手だったのですが、友だちがいっしょに観てくれて楽しかったので今年も出品しました(^_^;。県展の無鑑査の方の作品、漢字、かな、漢字仮名まじり、大きな作品ちいさな作品(篆刻はないかなぁ?)、バラエティに富んでいるうえ作品数もほどほどです。ぜひ、ご観覧くださいまし。

黄庭堅「松風閣」詩巻(二玄社)の一部 老松魁梧数百年 斧斤所赦今参天

出品したのは臨書作品です。北宋の黄庭堅という人の松風閣詩巻の一部(うえの画像)「老松魁梧数百年 斧斤所赦今参天」(老松の立派なこと数百年、斧斤を逃れ今天に交わる)を書きました。この詩がめちゃくちゃ良いのです。最初は松林の楼閣に「松風閣」と名付けて悦に入ったり、風の音を聴いて「おおお、菩薩泉で耳を洗うようではないか」とうっとりしたり、懸命に働く部下が携えてくる酒をいっしょに味わう果報を喜んだり、空きっ腹を抱えて眼下で煮炊きをする煙を眺めたりしているのですが、おしまいの方では敬愛する師匠の東坡道人(蘇軾)は鬼籍に入り、自分は左遷されて友だちに会えるのはいつのことか、夢見るのは自由の身になって友と小舟で周遊することだと書いていて、哀切の読後感なのです(かなり端折ったうえの意訳;)。いつか全臨したいなぁ。悠然とした感じをだしたかったのですが、形のまねをするのに精一杯でゆったりたっぷりには遠く及ばずカチカチの字になっています(ははは)。


古典の臨書は絵画などの模写と同じで技術を習得するにはもってこいです。書けなかった線が試行錯誤のうえに書けるようになるのは嬉しいです。その他にも楽しいのは、「この字をこんな(に変(だけど絶妙のバランス))に書くか!」という驚きと、「ここで筆のバネを生かしてジャンプして着地した勢いで滑らせながら穂先を開くと、筆をつり上げたときに自然と穂先がこちら側に出るわけか。」というような推理です。これは行書を習い始めてからの楽しみかな。

4月から書道歴5年目に突入。ここ3年くらい飽きずに臨書しているのが「雁塔聖教序」です。これは全臨は気力が続かないと思っています。でも、好きなので、もし、臨書作品にするならどこを書くか選ぶのも楽しい(^o^)。で、浪花節なら一番盛り上がりそうな、ありがたくて涙なしには読めないところを選んで試作してみました。

臨書作品の画像

玄奘三蔵の功績をたたえて、時の太宗皇帝と皇太子(後の高宗皇帝)が撰文し、褚遂良が揮毫しました。刻した人は萬文韶。中国に現存する石碑です。「朝の雪に地は見えず、夕の砂嵐に星はなく、迷いながらの山川万里、幾重の寒暑、霜雨も進み、誠重ければ労軽く、深く求めて願いは叶わん」というような意味です。起案したのは役人かもしれませんが(?)、昔の皇帝は教養人ですね。雁塔聖教序は格調が高すぎてわからないところが多々あるのですが、ここはわかりやすいです。
試作品の反省点をここに書いていたけど削除。一言で言えば、成功した文字が一文字もないです(ToT)×(ToT)。でも、ましな失敗作です(ToT)。これが長生きをしなければならないモチベーションですら。

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