安野光雅せんせいの絵は、皆から好かれるだろうなぁ。紙に水彩で描かれたやさしい風景や小さな人々や動物のみならず、縁取りのツタなどの絵まで楽しかった。2時間近く面白く観たけれど、絵本の原画(小さいのに情報量が多い)がほとんどで、展示室B(第1展示)を出る頃には疲れてしまって、展示室C(第2展示)へ入る前に安野せんせいのテレビを腰掛けて見ながら眠くなってしまった。ちょっと回復したかなと思って展示室Cへ入ったけれど、やっぱり絵本の原画が主でポスターなんかもあったけれど、怪我した足も痛くなってびっこを引きながら、便せんと封筒を買って帰った。やっぱり、絵本で観るのが正解と思った。一冊の絵本で小一時間かかるから。
コレクション・アラカルトⅡ
シャガール部屋(第1展示室)が展示室Aになってからシャガールだけでなく、他のコレクションを展示してくれるようになって、「シャガール、イマイチ」と思っている私はひじょーに嬉しい(^o^)。今回も面白かった!
野見山暁治(1920-2023)。福岡県出身で今西中通(高知県出身)に師事した人だそう。すごい長生き!新収蔵品が9作品。紙に水彩、鉛筆、パステル、インクなどに描かれていた。板に水彩っていうのもあった(ことに帰宅して気づいた(^_^;)。
最初に展示されてあった作品を観て憤慨した。いくら眺めても何を描いているかわからないのでタイトル観たら「題不詳」。えーー!俳句でも読み手に通じなかったら夏井先生に才能なし判定されるのにぃ。「題不詳」「制作年不詳」の作品が続く。それら、植物や生き物の感じのする絵を観ながら気づく。そうだった俳句と違って抽象画っていうものがあったのだった(もしかして抽象俳句もあるかもしれないが)。そう思って振り返るといずれの作品も動きがあるのだった。抽象のように見えるけれど、本当に動きのある生き物を描いたのかもしれない。そう思いながら次の絵がババーン!「階段で遊ぶ波」
「階段で遊ぶ波」はカンバスに油彩。それまではスケッチブックに描いたようなクロッキー的な作品だったが、これは2メートル超えのタイトルもある本気の作品だ。新収蔵じゃないせいかどっかで観たことあるような感じもする。そして、動きがある!「題不詳」の作品の中には、「階段で遊ぶ波」と明らかに関連するものもあった。すべて野見山暁治財団からの寄贈だ。「野見山暁治=動きのある絵」でインプットされたが、長生きだから画風の変遷もあるだろうなぁ。
ところで今西中通は、生年1908、没年1947。あと2、3年で没後80年展か、生誕120年展かな?