これは、ネオレアリズモじゃないよね?しっかりした物語になっていて、結末は物語でしかありえないような立派さだった。詐欺罪でナチスに捕まったバルドーネ(ヴィットリオ・デ・シーカ)は、無罪放免と交換条件にパルチザンの英雄ロベレ将軍になりすまし、刑務所内の囚人の中からパルチザンの指導者をスパイすることをミュラー大佐(ハンネス・メッセマー)から持ちかけられる。こそくな詐欺師が、ロベレ将軍に化けて将軍の家族からの手紙やパルチザンの心意気に触れているうちに、すっかり本物みたいになっていくお話。少々長く感じた。
感心したところ。
バルドーネは、ナチスに捕まった男たちを釈放されるよう交渉してやるとか、差し入れを持っていくと言って、その家族から金品を受け取っていたんだけど、包みを開けてみるとサラミだったことがあって、ちょっと触ってサラミの脂が指先についたのか、包み紙にその脂を拭きつける。で、カットが変わって別の場所になってからも、指先の脂をちょっと気にした演技をしていて感心した。
IL GENERALE DELLA ROVERE
監督:ロベルト・ロッセリーニ
(ベルトルッチとイタリア名作選 高知県立美術館 2013/11/24)
*同時上映の『フェリーニの道化師』は、観念をセリフにしているわけでも詰まらないわけでもないのに、ほとんど寝てしまった(^_^;。とても残念。