大人の恋愛映画。「堅気の暮らしは大事」というメッセージも感じた。人によっては「堅気を捨てても恋に溺れろ」というメッセージを感じるかも???私は恋愛体質ではないので、ツタエ(新珠三千代)とヨシジ(三橋達也)の恋の道行きよりも、橋のたもとの飲み屋の女将さん(轟夕起子)や蕎麦屋の看板娘(芦川いづみ)、ヨシジにおにぎりを恵んでくれた土方仕事の人たちが心に残る。
ツタエとヨシジは流れ者で、しっかり女とダメ男のカップルだ。最初はそう思って観ていたけれど、ヨシジが真面目に働き出すと、ツタエの男をダメにする気質が見えてきて、どっちもどっちやな~と(笑)。これは女将さんの思惑どおり別れる方が二人ののためによいな~と。ヨシジは堅気の仕事を得て彼を好いてくれる看板娘ちゃんと、ツタエは資力がある新しい旦那と寄り添ってめでたしめでたしといけばいいのに。ヨシジはツタエといっしょになるとツタエが稼ぐので働かない。ツタエはヨシジといっしょになると自分が稼がなくてはならないので、再び遊郭稼業となる可能性がある。お互いがお互いの歩みを止める赤信号となっているのに、相愛の二人はなかなか離れがたい。男女の仲は難しいなぁ。
そういえば、女をこさえて出て行った夫の帰えりを待ち続ける(今となっては古風な)女将さん。心を入れ替え夫が戻ってきたのに不幸が訪れ、こちらもなかなか上手くいかないなぁ。
橋を渡るとそこはパラダイス(洲崎パラダイスという遊郭)。売春防止法が施行され、パラダイスに(もうダメだ~という)赤信号が灯ったという意味の題名かもしれないけれど、パラダイス(苦界)に行く前にちょっと一息、橋のたもとの居酒屋で滋味深いお酒を一献という感じかな。
ラストシーンは、過去なのか未来なのか。「わかっちゃいるけど、やめられない」そんな馬鹿な人間の、まじめに生きる人たちの恋愛模様を程よい距離感で描いている作品だった。
しかし、小沢昭一はこの頃の映画に皆勤ではなかろうか(笑)?
監督:川島雄三
(2014/07/12 あたご劇場)
お茶屋さん、こんにちは。
今日付の拙サイトの更新で、こちらの頁をいつもの直リンクに
拝借したので、報告とお礼に参上しました。
タイトルの赤信号の意味をさまざまに解いてて、とても面白いね。
どれもそれぞれに成る程なんですが、
なかでも「お互いがお互いの歩みを止める赤信号」に拍手!
どうもありがとうございました。
ヤマちゃん、リンクとコメント、ありがとうございます。
特にドラマチックでもないけど、結構面白く見ました。でも、こういう恋愛映画は私には難しいかな。
タイトルから暴走族の話かな〜くらいな気持ちで見に行った衝撃(笑)で、赤信号の意味を色々考えるハメに・・・・。
腐れ縁赤信号に賛同いただき嬉しいです。ありがとうございました。