深い河

本当に生きるとは、どういうことか。戦場という極限状態を生き抜いた者、妻を亡くした者、何不自由のない生活の中で心に空洞を抱えた者。三者の心の旅を、宗教的な観点から描いている。成瀬(秋吉久美子)と大津(奥田瑛二)の遣り取りは、台詞が抽象的で難しかった。大津の言う、西洋とは異なる日本人らしいキリスト教があっていいというのは、原作者の遠藤周作の考えそのものかもしれないと思った。原作は面白いだろうなと思えるくらいにはよかったけれど、エピソードがつながってないような気がするというか、空回りしているみたいというか。でも、ロケーションが意欲的でよかった。また、秋吉久美子の演技か地かわからない演技が魅力的だった。

監督:熊井啓
(小夏の映画会 2015/03/14 龍馬の生まれたまち記念館)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です