風と共に去りぬ

子どもの頃テレビで見たきりだと言うと、ヤマちゃんとうめちんに「スクリーンで観るべき」と言われた。
観てビックリ。スタンダードサイズだ。テレビで見てもスケールが大きいと感じていたので、てっきりワイドスクリーンか何かだと思っていた。
南北戦争を始め次から次へと何事かしらが起こり、スカーレットとレットの丁々発止も楽しく、情熱で突っ走り、くずおれ、再び立ち上がる力強いラストシーンまで、4時間近くがあっという間。息つく間のない展開と強烈なキャラクターで魅せる最高のメロドラマだ。
古き良き南部への思い入れたっぷりなところもよかった。敗戦後、アシュレイが「誇りを除いて全て失った」と言う。北部の支配下にあって南部女性が襲われた仕返しに焼き討ちをするなんて感心はしないが、戦前、戦中、戦後と最初から最後まで南部魂が貫かれている。淑女ではないスカーレットが幻紳士アシュレイを慕い続けるのは、アシュレイが無責任に愛しているなんて言ったせいだと思うけど、「愛すべきは紳士」という刷り込みも相当なものだったと思う。
その貴族趣味の紳士淑女の中で異質なスカーレットとレットは、南部に収まりきらない人物だ。貴族趣味はローカルだけど、実利主義というのは昔からグローバルで今にも通用する。そんなグローバルなハミ出し者同士のラブシーンに「うっとり~」だった。
キャラクターについての感想。
スカーレット・オハラ(ヴィヴィアン・リー)、意地張って見栄張って強がって、めっちゃ可愛い!!!永遠の子ども。
レット・バトラー(クラーク・ゲイブル)、いいヤツだ。男の中の男!嫉妬、苦悩の姿は魅力増し(同情票)。子どもの頃は彼の魅力がわからなかった。
アシュレイ・ウィルクス(レスリー・ハワード)、ダメダメじゃん。どう考えてもダメ(はぁ)。私はスカーレットの味方だからね。少しはスカーレットのことも考えて、しっかり振ってやってほしかった。
メラニー・ハミルトン(オリヴィア・デ・ハヴィランド)、友だちになれそうにないな~。なんか窮屈。弱みはないのか、弱みは~~!
このほか家政婦マミー、娼婦ベルなど脇役もいい味を出していた。
GONE WITH THE WIND 監督:ヴィクター・フレミング
(2011/10/01 TOHOシネマズ高知8)

「風と共に去りぬ」への6件のフィードバック

  1. わはは!
    なかま、(^∇^)人(^∇^)ナカマ!

  2. アシュレイがダメなのは、アシュレイだからではなく、
    紳士だからなんでしょうね。
    あのレット・バトラーでさえ、名士となって紳士として
    暮らすようになると、あんなに耄碌しちゃうんですから。
    恐るべし、紳士淑女ってことなんじゃないかしらん(笑)。

  3. >紳士だからなんでしょうね。
    そうかもね。
    でも、レットの耄碌ぶりと比較しても数段ダメですよ。姑息なんだもん。そう考えるとアシュレイがダメなのは紳士だからというだけではないと思うけどなぁ。
    レットは自信喪失、敗戦の将。ここで私としては耄碌具合に割引があるわけですよ(笑)。
    ともあれ、観てよかったです。まことスクリーンで必見映画でした。おすすめ、ありがとうございましたー[E:happy01][E:movie]。

  4. お茶屋さん、こんにちは。
     本日付の拙サイトの更新で、こちらの頁をいつもの直リンクに拝借したので、報告とお礼に参上しました。
     感激した作品を同時期に繰り返して深く見つめるのもいいですが、時を隔てた再見の得るものの大きさを知る歳になってきたことを実感しているところです。映画というのは、映し出されて初めて映画となるものだから所詮は幻であるところに意味があって、フィルムには形があっても、幻には形がなく、記憶にあるものこそが映画なのだろうと思ってます(笑)。

     「愛すべきは紳士」という刷り込み、への言及に、改めて現代は復古の時代なんだなぁと、本作の今に通じる普遍性を感じました。

     どうもありがとうございました。

  5. >時を隔てた再見の得るものの大きさを知る歳になってきたことを実感しているところです。

    そうですよね~。だからリバイバルとか、名画座とか、午前十時の映画祭とか、クラッピクとかありがたいですよね。DVDでは観た気がしないから。

    >記憶にあるものこそが映画なのだろうと思ってます(笑)。

    だから観た人の数だけバージョンがあると(笑)。
    記憶によって味が変化する発酵食品のような(?)。
    評論家はそうもいかないので、DVDなどで確認するのでしょうが。

    ともあれ、『風と共に去りぬ』のおすすめ、ありがとうございました。リンクとこの書き込みもサンキューです(^o^)。

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