橋田壽賀子脚本のドラマのように全て台詞で語ってくれるので、若干うるさい感じはあるものの、単細胞の私には非常に楽ちんでイイ!また、義理人情・家族愛をベースとしており浪花節調なのもイイ!更に、鬼の悲哀も実に泣ける。
実際、鬼は哀しい生き物だ。人間も同じで、鬼殺隊の面々も戦いのときは、どっちが鬼だかわからない形相だ。愛する人を殺された復讐であれ、同様の犠牲をこれ以上出さないためであれ、「必死」になるということは生き物の悲しさのように思う。(残りの(私の)人生、必死にならなくてよいように切にお願いします(-人-)。)
今回、まず胸が痛かったのは、身体が小さく力も弱いため鬼の首を切れない柱の存在だった。この人は尋常ではない努力をしているはずなのだ。他の人にはない能力を身につけてもいる。それでも、ある一点が及ばないため敗れてしまう。勉強でもスポーツでもプロの勝負事でも、そういう人は五万といるだろう。この柱のように命が掛かっているわけではないからいいようなものの、努力と気概の量に応じて敗れたときの心境は筆舌に尽くしがたいものがあるのだなあ。やっぱり、努力はしないに越したことはない。気概も考えものだ。この柱にけっこう同調して観たものだから身に堪えてしまった。
猗窩座の見た目、イイね!足腰の安定感、ドシンと強そう。猗窩座はヤングケアラーだった(ToT)。感心したのは花火。画面にも台詞にも花火の「は」の字も出てこないうちに、花火を感じさせる演出がところどころにあったのだ。「なんか花火みたいだなぁ」なんて思いながら観ていたら、ずばり花火がでてきてエピソードではなく作画で伏線を張っていたのだと気がついた。伏線というより猗窩座への思いやりのように感じた。
3時間弱の上映時間だけど、思ったとおり戦闘場面だけでなく回想場面があって助かった。動体視力が弱いので戦闘場面はついていけないが、歌舞伎の見得のようにカッコいい体勢のカットがあるので、それも助かる。キャラクターも話も漫画だからこそ、真剣な場面にも笑えるところがある。(無限城に底があるんで~!(驚))
(2025/09/03 TOHOシネマズ高知8)