スポットライト 世紀のスクープ

調査報道の面白さがぎっしり。文献に当たったり、聴き取りをしたり。ジリジリするような地道な調査と、リリースする前のドキドキ感。スタンリー・トゥッチが演じたアルメニア系の弁護士やユダヤ系の編集局長など、社会の中の少数派ってやっぱり嗅覚が鋭い。虐げられる側から物事を見ざるを得ないところがあるから。虐待を行っている聖職者リストを受け取っていながら(そのときは問題視しなまま)やりすごしていたロビー(マイケル・キートン)のうかつさは苦い。
ただ、私がこの作品で最も強く感じたことは、性的虐待の被害者の苦しみだった。魂の殺人と言われる犯罪の被害者の悲痛さを描いてこそ、隠蔽してきたバチカンの罪深さを描くことにもなるのだけれど、私としては「苦しみ」にスポットライトが当たったように思った。それだけに、ギャラベディアン弁護士が被害者の背中に当てた手の温かさに感動した。
(2016/04/16 TOHOシネマズ高知1)

ヴィジット

ナイト・シャマラン監督作で評判がよさそうだったので見た。
怖いは怖いんだけど、う~ん、困ったものである(^_^;。だって最初からネタが割れるんじゃないかな。家出して十数年ぶりにやりとりのあった両親の元へ我が子二人を送り出す母親。子ども二人は祖父母とは初対面なわけだから、大丈夫?って思うよね。それに、今どき心の病人(やまいびと)を殺人犯にするかい?・・・・・って、『シャッター・アイランド』がそうだった。『シャッター・アイランド』は面白かったのでーーーーーという自分の二重基準もいけないなあ(反省)。『アフター・アース』は好きだったのに、今作は嫌な場面がいくつかあって不快感が残った。
(動画配信)

家族はつらいよ

『東京家族』と同じキャスト。楽しかった。
ただし、こういう家族の形は少なくなっているんじゃないかな。
この家には昭和が続いているんだね。
思えば、山田洋次監督は家族の映画を撮ってきたのだった。
今度は『未来家族』っていうのはどうだろう?
(2016/03/13 TOHOシネマズ高知5)

わたしに会うまでの1600キロ

よかった。母を亡くした女性(リサ・ウィザースプーン)の喪の仕事であり、生きる力(多分これが原題「WILD」が意味することではないかと思う)を取り戻す話であり、女性映画(メリット、デメリットあるある)であり、ザッツ・アメリカだった。ポイントポイントで登山届(入山記録?)を書くとき、添えられる言葉をもっとじっくり読みたかった。美しいものの中に身を置きなさいという母の言葉と夕日、よかった。元夫はめっちゃ善い人。(リメイク、「四国八十八ヶ所版」希望。主演は沢尻エリカ、若しくは北川景子。)
(動画配信)