チャイコフスキー[バレエ]2

メモ、メモ。
とにかくマラーホフ。
髭があった方が男前が上がる。>ケネス・ブラナー、マラーホフ
座っているだけで美しい。踊りももちろん美しい。
これまで観たアルブレヒト(「ジゼル」)、ソロル(「ラ・バヤデール」)の姫命のキャラクターとは全く異なるキャラクター。控えめ、大人、哀しい~。秘密を抱えて誰にも理解されず、人生諦めているような。苛烈な苦しみ方でないのが、いっそう哀れを誘う。
「分身/ドロッセルマイヤー」は、同性愛の解放区的な自由で美しい世界に誘ってくれる役目を果たしたという感じ。もっと感情的なものを発してくれたら面白くなったと思う。ウェーナルはん、自信を持ってチャイコフスキーをいたぶるなり、同調するなり、支えるなりしておくれやす。
「フォン・メック夫人」もイマイチ、何をどう思っているのか不明。カブレラの踊りがとにかく濃ゆかったので、儚いチャイコフスキーには逃げ出したい存在だったかも。経済的援助はありがたかっただろうけど。
「妻」は、サイダコワの踊りが美しい。マラーホフとバランスがいいように思う。
男性にモテモテの彼女がチャイコフスキーを選んで結婚してみたら、夫との性生活に不満で複数の愛人をひきいれ・・・・って感じ。それでチャイコフスキーを責めるので、どちらも可哀想。
最後に坊主になったのがわからなかったけれど、ネットで解説を読むと心を病んだことの表現だったよう。
「王子/若者」のタマズラカルは、そつのない踊り。5年前の「ニーベルングの指輪」では、すごいメイクで個性的なキャラクターを演じて目を惹いたけれど、王子を踊るとは思ってなかったので、今回意表を突かれ、きれいに踊れるし、とてもよかった。
他にもわからないこと、誤解なんかがあったので、1回しか観ないんだし、事前に予習しておけばよかった。
群舞は、必要不可欠なBGMのように場の雰囲気を盛り上げ、緩急自在の音楽そのもののような感じがした。
二幕のカードゲームの場面は圧巻。
エイフマンの振付はとても面白い。
★Pour passer le temps II(東京1/22,23)
★ちょこっと劇場へ行ってきます(東京1/23の1)
★ちょこっと劇場へ行ってきます(東京1/23の2)
★ちょこっと劇場へ行ってきます(東京1/23の3)
★鳥酉Ballet日記(東京)
★la dolce vita(東京1/23)
★la dolce vita(西宮1/29)
★どんな人生にも生活はある。(東京)

チャイコフスキー[バレエ]

日帰りで観てきた。>西宮の公演
ブラボー!マラーホフ!
はぁ~、美しい~~。くぎづけ!
もうこれからマラーホフが日本で踊ってくれる公演は全部観に行きたい。
チャイコフスキーって、キャッチーないい曲ばかりだなぁ。
感想を書きたいけど、早く寝なければ。
5年前の公演でときめいたマリアン・ヴァルターとヴィスラウ・デュデクを観れなかったのがとても残念。
「ニーベルングの指環」ベルリン国立バレエ団(2005)
「ラ・バヤデール」ベルリン国立バレエ団(2005)

腐った薔薇

薔薇
庭の薔薇~。(画像クリックで拡大できます。)
散りかけの薔薇も美しいと思うようになったのは、ゴッホの薔薇の絵(ひまわりを活けていた花瓶に白薔薇を活けて描いたやつ)のお陰だ。
ゴッホといえば、九州国立博物館で2月13日まで特別展の開催中。行くつもりだったけど、その気が失せてしまったのは、先に東京の展覧会を観た友だちが「30年前のカタログを見たけど、前の展覧会の方がいい絵が来てたみたい」と言っていたから(^_^;。そうは言っても、行けば今回もいいとは思うんだけどねぇ。アルルの寝室の実物大模型部屋が展示されているっていうし。
ただ、およそ30年前に名古屋で観たゴッホ展の思い出だけで、この先充分生きていけるなーとも思って、結局、九州国立博物館はまたの機会に行くことにした。
その30年前の展覧会では、果樹園の美しさに感動した。写真で見ても、そのよさが全くわからなかったのに、実物の輝きにふれて、ゴッホが南仏の明るさに感動したのがよくわかった。それと、この展覧会までは私にとって「炎の人」だったのが、「硝子の人」になった。キラキラ感といい透明感といい、繊細なガラス細工を見ているような感じだった。ティム・ロスが演じたゴッホがイメージに近いかな。もしかしたらロバート・アルトマンもゴッホを「硝子の人」と感じていたのかな。
九州国立博物館 | 特別展 『没後120年 ゴッホ展』
http://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s22.html

大フーガ

『敬愛なるベートーヴェン』で初めて大フーガを耳にして、もう一回ちゃんと聴きたいと思っていたのを思い出し、弦楽四重奏第13番を購入した。アルバン・ベルクとスメタナのカルテットで、いずれも1982年の録音だ。

どちらの盤も第5楽章(カヴァティーナ)の後に大フーガを演奏している。毎晩寝床でイヤホンから聴いているが、カヴァティーナで気持ちよく眠りかけたところを、大フーガでたたき起こされる。まだ「ちゃんと」は聴いてないが、この13番はとても気に入った。特に大フーガが素晴らしい。巨大マグロを解体する職人の包丁さばき、・・・・・みたいな。

解説では晩年の作品は、精神性が深まり幻想的な色合いを濃くしているとのことだ。確かに、私がベートーヴェンに持っていた堅牢で美麗な石城のイメージとは少し違う。頑丈で立派な古城の、窓という窓が開け放たれていて、そこから入った風が構造物に沿って複雑に舞っていく。
ああ、生で聴きたいものだ。