????なんじゃこりゃな面白さ。
火災(空襲?)シーンの圧倒的なアニメーション力は、前作『風立ちぬ』の地震のシーンを思い出したし、インコの王様はなんかポルコ・ロッソの風格を感じさせられたし、わらわら出てくる小さい生き物は『もののけ姫』のこだまか『となりのトトロ』のまっくろくろすけか。いろんなところにこれまでの宮崎駿作品を彷彿させるものがあって、それも面白かった。
のっけから主人公のお母さんは死ぬし、お母さんが遺した「君たちはどう生きるか」は、宮崎監督が私たちに「読むべし」と言っているよう。あのご先祖様も(何かよくわからなかったが)継承したいものがあったのだろうな。塔の崩壊は宮崎監督自身の時があまり残されていないという意識の表れのような気がする。
あの不思議な塔は眞人の母方の家系の塔で、あそこだけ時が止まっているのかな?時の交差点ともいえる。眞人は塔を継ぐ意志がなく、塔の崩壊によって生まれ変わりの元がなくなったので、あのりっぱなお家は断絶ってことかな?それでも眞人は意思の力で自分自身の人生を生き抜くのだと思う。
眞人の意思の力はすごいと思う。石(意志)で自分の頭を傷つけるなんて。それにご先祖から塔を継いでほしいと言われてもあんなにハッキリ断るとは。意志というのは行動と分かちがたいものだと知らされた。まったく行動力がない私自身の意志薄弱も思い知らされた。
(2023/07/18 TOHOシネマズ高知)