屋根裏部屋のマリアたち

フランスらしいな~(^o^)。

ゆで卵 3分半で 恋に落ち
屋根裏と 結ぶ階段 虹色に
あこがれの ああエスパーニャ エスパーニャ

スペイン内戦後のフランコ政権下、フランスに出稼ぎに来ていたのか~とか。
資産家ジャン=ルイ(ファブリス・ルキーニ)のキャラクター、いいよね~とか。でも、資産家同士の間では宇宙人視されているかも風な(^m^)。
妻シュザンヌ(サンドリーヌ・キベルラン)も我が世の春を楽しむ夫が正しいのかもと聡明なところがあり~の。
マリア(ナタリア・ベルベケ)もゆくゆくは肝っ玉母ちゃんになるでしょーとか(無責任)。
いまなぜ、1960年代の資産家と出稼ぎお手伝いさんたちの話かというと、現在、グローバル経済の利ざやで稼ぐ人あれば汗水たらして働いても貧しいままの人ありというのは、日本ほどじゃないにしてもフランスでもあると思われ(よくわからないけど)、それを60年代のジャン=ルイやマリアたちに重ね合わせ、助け合いと恋で解決じゃないですか~と(笑)、そんな風に気楽に見え~の(笑)。
銘々が自立し、銘々を大事にし、銘々の幸せを実現しようとする個人主義の国なれど、個人主義は利己主義とは異なり、けっこう人と助け合い、もつれ合う。もつれ合いの国フランス。もつれ合いには体力気力がいるけれど、この映画はジャン=ルイのキャラクターもあり、ひょうひょうと楽しめてとてもよかった。

LES FEMMES DU 6EME ETAGE
監督:フィリップ・ル・ゲ
(市民映画会 2013/06/22 かるぽーと)

アフター・アース

予告編を見てジェイデン・スミスっていいなーと思い観た。ジャッキー・チェンと共演した『ベスト・キッド』も観ればよかったなぁ。なかなか魅力的な男の子だ。八の字眉がなんとも可愛い。
実の父子が父と子を演じるのが見所で、ウィル・スミスが良いわ~。冷静な表情の奥に息子への期待と心配が潜んでいる。『メン・イン・ブラック3』でも良くなったと思ったけど、どうしちゃったんだろう?成長したのかな?私の見る目がなかったのかな?いずれにしてもよい俳優が増えて嬉しい。
SFとして観たら『オブリビオン』に負けず劣らず科学無視みたいな気がするんだけど、それはそれで結構面白かった。心頭滅却すれば火もまた涼しみたいな(?)。目が見えないけれど人間の恐怖心を察知して襲ってくるアーサーという怪物が姿を現すまでは怖かった。姿を見たらそれほど怖くないっていうか(笑)。いや、まあ、怖いんだけど。
最後のセリフでこの映画が大好きになるほど笑えた。
あれは大どんでん返しだよねぇ!(^o^)

キタイ(ジェイデン・スミス)/サイファ・レイジ(ウィル・スミス)

AFTER EARTH
監督:M・ナイト・シャマラン
(2013/06/22 TOHOシネマズ高知6)

シェフ!~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~

たわいないコメディだけど楽しかった。
アレクサンドル・ラガルド(ジャン・レノ)とジャッキー・ボノ(ミカエル・ユーン)が、日本人に化けてライバル店へ分子料理の偵察に行くのが可笑しかった。『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』を観たときも思ったんだけど、分子料理って映画における3Dとか4Dみたいな気がする。物珍しさで一時流行っても廃れていくんじゃないかな。と思う私は保守的かも。
フランスの三つ星事情の他にも、カップル事情だとか、父娘事情だとか面白かった。

COMME UN CHEF
監督:ダニエル・コーエン
(市民映画会 2013/06/22 かるぽーと)

藁の楯

母のポイントは高く、ベストテン圏内に位置する作品だそうだ。
清丸国秀(藤原竜也)という守るに値しない人物を守らなければならない銘苅(大沢たかお)たちの仕事を、大変な仕事だと言っていた。清丸は死んでも構わないと言うので、清丸が私(お茶屋)であっても死んでも構わないかと聞くと間髪入れず「かまん」と言う。「がーん」とショックをうけながらも、その二重基準のなさは天晴れだと思った。

私はと言えば、これまた結構面白く観た。力のある娯楽作なので、ぐいぐいと最後まで見せられてしまうのだ。しかし、金にあかして孫の仇討ちをさせようとする蜷川(山﨑努)にも賞金のために清丸を殺そうとする人々にも、主権在金の日本の現状を見せつけられているようであり、あまり愉快ではない。それに、護送ものでは既によくできた作品がある。警官(ブルース・ウィリス)が、2、3Km先の裁判所まで証人を護送するのだが、証言されては困るヤツらが証人の命を狙う『16ブロック』。あるいは出来はさほどでもないが、フランス人の麻薬王が、護送を中継していたカメラに向かって「俺を逃がしたヤツに大金を払う」と言ったからさあ大変。コリン・ファレル扮するスワットらが苦労する『S.W.A.T.』。また、犯罪被害者の遺族を描いた作品としては、亡くなった被害者は復讐など望んでいないのではないかという提起をして、遺族の心情をポジティブな方向に向かわせようとした『ラブリーボーン』が私にはまだまだ記憶に新しい。これらの作品を観ていたため、つい比較してしまうのも『藁の楯』には分が悪い。

そしてもっとも残念に思うのは、いくらお金のためとはいえ人殺しはしないだろうという根本的な問題だ。作り手もそういう弱点は重々承知で、傷を負わせるだけでもよいとか、殺人容疑で逮捕されるだけでもよいなどと蜷川に言わせている。更に、清丸を狙った者の動機として、格差社会で貧窮し家族のためにお金が必要だったという風にしている。だけど、いくら貧窮してもやはり人殺しはしないだろう。娯楽映画だから目くじら立てることはないかもしれないが、私としては娯楽映画だからこそ義侠心を発揮し、知恵を絞って誰もが楽しめる作品にしてほしかった。

白岩(松嶋菜々子)/奥村(岸谷五朗)/関谷(伊武雅刀)/神箸(永山絢斗)/由里千賀子(余貴美子)

監督:三池崇史
(2013/05/05 TOHOシネマズ高知8)