居残り佐平次(フランキー堺)が、走る走る走る。遊郭の廊下を右へ左へ、階段を上へ下へ。そして、ラストシーンが素晴らしい!狭苦しい墓場から脱出して、海を左に画面の奥へ奥へ、タッタカターっとみるみる小さくなっていく。「まだまだ生きるんでい!」とうセリフも最高だ。痛快さに一滴涙が混じっているのがいい。声が割れて聴き取りづらかったけれど、きれいな映像で観れて本当によかった!
おそめ(左佐知子)
こはる(南田洋子)
高杉晋作(石原裕次郎)
監督:川島雄三
(2012/03/17 あたご劇場)
居残り佐平次(フランキー堺)が、走る走る走る。遊郭の廊下を右へ左へ、階段を上へ下へ。そして、ラストシーンが素晴らしい!狭苦しい墓場から脱出して、海を左に画面の奥へ奥へ、タッタカターっとみるみる小さくなっていく。「まだまだ生きるんでい!」とうセリフも最高だ。痛快さに一滴涙が混じっているのがいい。声が割れて聴き取りづらかったけれど、きれいな映像で観れて本当によかった!
おそめ(左佐知子)
こはる(南田洋子)
高杉晋作(石原裕次郎)
監督:川島雄三
(2012/03/17 あたご劇場)
園子温監督作品は、登場人物の性質や考えを誇張して描いているのがとても面白い。『恋の罪』も信じられないくらい無垢な菊池いずみ(神楽坂恵)が全裸で「試食いかがですか?おいしいですよ。」と連呼するところや、尾沢志津(大方斐紗子)と尾沢美津子(冨樫真)母子の毒々しい遣り取りに、いささか引きつつも面白がれたのは、「そんな人いないけどいる(人を裏返したり、まぜくり返したりし、底の方を取り出したりしている)」感じがするからだろう。
何も知らないいずみ(イブ)に知恵の実を与える美津子(ヘビ)。その二人のドラマを日常から観ている吉田和子(水野美紀)。そんな作品だったように思うが、これまで観た園作品と比べて迫ってくる力がないように思う。作り手の情熱が感じられない。詩と言葉と体験の講釈や、ゴミ袋を持ったまま収集車を追いかける主婦のエピソードなど作意が前面に出てきてしまった気がする。言い換えれば、私にとって『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』『ヒミズ』は、作品の勢いによって小難しい作意を目くらましされていたということだろうか。
監督:園子温
(2012/03/10 あたご劇場)
う~ん、ちょっとウトウトしてしまって~(^_^;。
核ミサイルの発射って、あんなに手間暇かけるんだ~と、自分の想像力のなさに驚いた。
Missile
監督:フレデリック・ワイズマン
(高知県立美術館 2012/02/18 高知県立美術館ホール)
「Silent Snow, Secret Snow」を「ひそかな雪、ひめやかな雪」と訳したのと同じくらい良い日本語タイトルだと思う。このタイトルと主人公の男の子の美しさに惹かれて観に行った。そして、なんだかとても感動した。
少年オスカー・シェル(トーマス・ホーン)の喪の仕事を描いた作品と思った。もしかしたら、911で遺族となった人たちへのエールでもあるのだろうか。そんな感じは受けなかったけれど、それくらいのスケール感があった。また、世間に触れることの大切さと親心のありがたさを感じさせてもくれた。
私は繊細すぎるのは良いことではなく、少し鈍感なくらいが生きるのに好都合と思っているのだが、オスカー少年は良いことでない方のよい見本だ。感受性が鋭く、自傷行為がヤバイと自分を客観的に観ることもできる。同年の子どもより物知りなんだろうけど、ガラスの箱入り少年は何ごとにつけ体験不足なのだと思う。少し世界が広がると怖いことが増える。触れてみないことには恐れは払拭できないので、パパ(トム・ハンクス)はオスカーのために小さな冒険を仕組む。ところが、パパの死とそれにまつわる最も怖くて悲しいことのために、オスカー少年はますます過敏になっていく。ここでひそかにママ(サンドラ・ブロック)の出番。とまあ、ストーリーを書いても仕方がないのでやめるが、オスカー少年もこの辛い時期を乗りきれば、間借り人(マックス・フォン・シドー)のように味のある老人になることは可能だ。
だけど、いったい何に感動したのだろう。少年と老人と鍵。
ものすごくうるさくて、ありえないほど近いって何なんだろうと今も考えている。
おばあちゃん(ゾー・コードウェル)
アビー・ブラック(ヴァイオラ・デイヴィス)
ウィリアム・ブラック(ジェフリー・ライト)
スタン(ジョン・グッドマン)
EXTREMELY LOUD AND INCREDIBLY CLOSE
監督:スティーヴン・ダルドリー
(2012/02/18 TOHOシネマズ高知6)