スター・ウォーズ 最後のジェダイ

おもしろかった!感動した!
オープニング、あのファンファーレでぐっと引き込まれる。誠に名曲。ジョン・ウイリアムズに感謝。
キャラクターも揃っている。うるうる目のペンギン(?)可愛いし(BB8も)、チューバッカとのやりとりが可笑しいし。錠前破り(ベニチオ・デル・トロ)がどう転ぶかとか、勇み足中尉(オスカー・アイザック)の成長ぶりも頼もしく、レイアから指揮権を引き継いだ人(ローラ・ダーン)もエレガントに。ファースト・オーダーは軍隊主義が徹底しており、人数は多くても没個性。対する反乱軍は皆個性的だ。天童よしみまで大活躍でびっくりした(笑)。

特によかったところ。

その1:光と闇の統合
ジェダイにとってダーク・サイドは忌避すべきものだった。ところが、レイ(デイジー・リドリー)は自ら暗淵に落ちていく。彼女はまだ無垢な存在だからダーク・サイドもきれいなものだが、心の闇をも受け入れる姿勢に一歩進んだジェダイを見た思いだ。幽体ヨーダがルーク(マーク・ハミル)に、新しいジェダイは古いジェダイを乗り越えていくものだ、失敗を教えてやりなさいと言うが、レイは既に過去のジェダイを超越しているのではないだろうか。ダーク・サイドとライト・サイドの両面から発せられるパワーはどれほどのものになるだろう。レイの大物ぶりは計り知れない。

その2:弱き者の行方
気に入らないことがあると物や人に当たり散らすところからして、弱い犬ほどよく吠える的な小物ぶりを発揮しているカイロ・レン(アダム・ドライヴァー)。おじいちゃんのダース・ベイダーの風格には遠く及ばないが、劣等感という暗黒面からわき出るパワーを侮ってはならない。目的もないから大局を見ず、破壊のための破壊に突き進む。だけど、マザコンでレイアを殺せなかったのが救いだ。彼の心にも光を見つけることの出来るレイが、最終作で何とかするでしょう(^o^)。メデタシ、メデタシ。
ちなみに、カイロ・レンは顔が細長いから身体もスレンダーかと思ったら・・・・・、脱いだらすごかった。『ピアノ・レッスン』のハーベイ・カイテルも真っ青の樽のような胴体で意外だった。

その3:老兵は決して死なず
エピソード9ではルークが幽体となって現れ、めずらしく大きな挫折を経験中のレイを諭すことがあるかもしれない。「フォースと共にあらんことを」というのはスター・ウォーズの決め台詞だけど、ルークもフォースの一部となるのでなないか。ともあれ、ルークの挫折はなかなかショッキングだった。ベン・ソロがカイロ・レンとなったのは、半分以上ルークのせい?あの童顔が苦み走った暗い表情になるのも無理はない。嬉しかったのは、ルークがライトセーバーを構えたとき。構え方が昔と同じやーーー!
同じシリーズの新作を30年後にこうして見れるのはやはり感慨深いものがある。

その他、武器商人のお金持ちの方々のお家やら何やらを壊しながら逃げ惑うのが痛快だったことや、アンディ・サーキス出てたの?どこに~?と思ったらファースト・オーダーのあの人だったことや(アカデミーは、いつサーキスさんに演技賞を授与するのか!?)、キャリー・フィッシャーへの献辞が泣かせることや、本当に見所満載だった。
(2018/01/06 TOHOシネマズ高知9)

2017年覚書(マイ・ベストテン)

憑きものが落ちたかのように、さっぱり映画を観なくなった。キネマMも未だ行かず。『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』もパスしたら、『オリエント急行殺人事件』で遭えてビックリ。・・・・・野獣やった(笑)。

昨年、スクリーンで観た34本のうち(再見の作品は対象から除く)好きを基準に選ぶベストテン。今年も10本に満たない。いつもは順位はないのだが、2017年は順位がついた。

  1. マンチェスター・バイ・ザ・シー
  2. 新感染 ファイナル・エクスプレス
  3. ブレードランナー2046

『マンチェスター・バイ・ザ・シー』は素晴らしい。ネットで読んだ感想もみな素晴らしかった!私はユーモアがあることを強調しておきたい。『新感染』もユーモアがあって素晴らしかった。近年、こんなに気持ちよく観た娯楽映画はほかになかったような気がする。『ブレードランナー2046』はスケール感と主人公の孤独感にひれ伏す。m(_’_)m
次点は『メッセージ』『トランボ』『人生フルーツ』『わたしは、ダニエル・ブレイク』のどれでもイイ。
藤井四段、ひふみん、羽生永世七冠のおかげで『聖の青春』を何度も思い出した。
DVDではベルイマンが流石の面白さ。笑えるし、短いし、予想外だった。まだ見てない作品が何本もあるので、お楽しみは続く。

ベスト・キャラクターは、『DESTINY 鎌倉ものがたり』の貧乏神が好きだったけど、『新感染』で最初からずーっと逃げて逃げて逃げ続け、最後にもうダメとわかってからは他の人のために時間稼ぎの犠牲となったおじさんに決定。


帰ってきたヒトラー
沈黙-サイレンス-
ルートヴィヒ
ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち
山河ノスタルジア
破門 ふたりのヤクビョーガミ
ラ・ラ・ランド
聖の青春

美女と野獣
吹き替えで鑑賞。エマ・ワトソン(^_^)。ユアンに気がつかなかった。

メッセージ

美しい星
あのポーズが(笑)。
30年くらい前に原作を読んだ友だちが面白かったと言っていたので観た。観た後、友だちと話し合おうと思ったら、彼女は読んだことさえ忘れていた(無理もない)。

家族はつらいよ2
1作目よりもっと笑った。現代の無縁仏、高齢者の運転免許問題などを織り込みながら、家族像は昭和っぽい。

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男
赤狩りの話ではあるけれど、家族の話として感動した。また、作家のクレイジーさも的確に描かれていた。
バットでバーン!はスカッとした(^o^)。

セツウツミ
小さな青春。可愛らしかった。

独裁者と小さな孫
力作だけど重すぎる。それが持ち味なんだろうけど、私には合わなかった。ユーモアが乏しいのが難点。独裁者役をハリソン・フォードにするだけで抜群に面白く私向けになる。

ミス・シェパードをお手本に
劇作家の自分(ものごと)を客観視できる心の余裕と、ミス・シェパードに敬意を持って接しているのがよかった。作品自体に謙虚さが感じられ、ユーモアのテイストとともに英国らしさを感じた。

ムーンライト
昔、高知県立美術館で何十年も前のゲイムービーを何本か観たけれど、その頃のマイナー感からすると、『ブロークバック・マウンテン』の布石はあったものの、この作品がアカデミー賞作品賞を受賞したことは画期的な気がする。ドキュファンタジー(ドキュメント風な部分もあるファンタジー)。結末にも驚いた。

カーズ クロスロード
好きなシリーズ。おおー!そうきたかー、なるほど、伏線だったのね。ドック・ハドソン(ポール・ニューマン)の声を聴きたかったなぁ。

マイ・ビューティフル・ガーデン
英国版『アメリ』。いやいや、アメリには実感があったけれど、こちらの主人公には、まったくなし。植物が怖いってウソでしょう。怖い人が嵐の晩に庭に出るなんてありえな~い。限りなく薄っぺらい主人公ではあるけれど、胃にもたれない希薄さがこの作品のいいところかも。英国好きの日曜ガーデナーにとっては楽しめた。

人生フルーツ
まっとうするっていいなぁ!志も人生も全う。めでたし、めでたしの充足感。台湾でのお墓参りの涙を忘れない。
林の中に家を建てたのかと思ったら、木を植えて林にしたのだった(驚)。新しい家だと思ったら、築40年以上。手入れが行き届いているのだった。小津安二郎作品の登場人物のような言葉づかい。(土佐弁の使い手からすると、小津作品中の言葉づかいは「ほんまでっか?」な世界だったが、ホンマだった。)

わたしは、ダニエル・ブレイク
ため息のダニエル、頭を抱えっぱなし。胸熱のラスト。
隣人同士の助け合いと、制度化された助け合いと、人間。

ワンダーウーマン
心技体、知情意、バランスがパーフェクト~。男子の活躍もグー。

ダンケルク
マンチェスター・バイ・ザ・シー

三度目の殺人
いろいろ考えさせられたけど、何を考えさせられたのか忘れてしまった。

エルネスト
感慨深い青春映画だった。阪本順治、オダギリジョー、がんばった。お客さんは、おじさん多数(感慨深い)。

エイリアン コヴェナント
新感染
ミツバチのささやき

ブレードランナー2049
めっちゃ、おもしろい!人間とは何ぞや。ルーツとアイデンティティを求める孤独なレプリカントは、人間とどう違うのか。スケール感があるし、目にも美味しい。ジャレッド・レトが演じるレプリカント製造会社社長(?)は何者?

アトミック・ブロンド
姉さん、惚れました(^Q^)。カッコええ!それだけのような気がするけど、それで充分。「アンダー・プレッシャー」もよかったぉー。

サムライ先生
150年先の子どもたちを思えと150年前の半平太に教えられた気分。

DESTINY 鎌倉ものがたり
夫婦仲良し。新婚だから?
堺雅人の熱演に泣かされた。貧乏神(田中泯)がチャーミングだった。

オリエント急行殺人事件
ケンちゃんらしいアクション、あっぱれ。ポアロが人間になった(理解できた)と思った。

dvd

天使と悪魔:ユアン~♥
フィリップ、きみを愛してる!:ユアン~♥。ジム・キャリーもなかなか♥。
フォックスキャッチャー:呆然。凄まじいパワーのある作品。
エクスマキナ:ドーナル君♥。SFはやっぱり面白いねぇ!
ハウス・オブ・カード:合わなかった。
第七の封印:ついに会えた死神!意外に笑える。
野いちご:意外に笑える。
処女の泉:強烈。全員罪人。
ブルックリン:ドーナル君、出てたのね。わからなかったよ(^_^;。
縞模様のパジャマの少年:エイサ君♥。それにしてもこんな結末って・・・、観客に厳しいのぅ。
僕と世界の方程式:エイサ君♥。
スターウォーズ ジェダイの覚醒:なんかどこかで見たことがあるシーンがいっぱい。
SHAME シェイム:ありゃ、どんな結末だっけ?
コーチ・カーター:サミュエルさん♥
ダウントンアビー2~5

ミツバチのささやき

ミツバチのささやき30年ほど前に観たときは、「アナちゃん、可愛い~!」とか「監督、映画が好きやね~。」とかそれくらいの感想しかなかったような気がする。今回は、日々淡々と生きることの大切さと、鎮魂の物語だと感じた。遅ればせながら、やはり名作だと思う。

蜂の巣模様の窓ガラスが現しているように私たち人間も蜂みたいなものだということだろう。アナとイザベル姉妹の父がガラスの巣箱で蜜蜂を観察してわかったことは、小さな世界であっても出来事はあるってこと。それでも、死ぬまでは生きるしかないってこと。
姉妹の母親は、この映画の裏主人公みたいだ。内戦後の日常に倦んで昔の恋人(?)に手紙を差し出したりしてみても、娘が行方不明となると(返信か返戻なのかよくわからなかったが)そんな手紙は火にくべる。娘が無事戻ってくると、うたた寝する夫に毛布を掛けてあげる。少しくらい不満はあっても日常の大切さを実感できたのだと思う。過去でも未来でもなく、蜜蜂のように今を生きることが大切なのだ。
今を生きる生き物といえば、人間の子どももそうだ。アナとイザベルの瑞々しいこと。精霊が血痕を残しいなくなったことのショックから熱を出してしまうアナは、内戦で親しい人を亡くした人の象徴のように思える。そして、精霊を信じ、話しかけ、精霊がそばにいるというのは、亡くなった人の魂とともにあるということだろう。鎮魂でもあるし、生き残った人にとっては再生の土台となる考え方だと思う。スペイン内戦の話に限らない。

タイトルバックの子どもの絵が愛しい。全て本編に出てくる事柄だ(^_^)。
お父さんの職業がイマイチわからない。馬車でどこへ行ってたの?養蜂家とは思えないんだけど。執筆家?貴族?資産家であるには違いない。フランコ側に荷担していたから、上着と金時計が残党兵士の亡骸から見つかっても疑われることがなかったんだよね?町山解説を検索するかな・・・。

追記
よい解説があった!
パパは哲学者で、フランコ政権下で追放されて田舎に移り住んでいるのだそうな。
http://tetsu-eiga.at.webry.info/201603/article_4.html
(シネマ・サンライズ 2017/10/26 高知県立美術館ホール)

新感染 ファイナル・エクスプレス

めっちゃ、面白かった!!!娯楽の王道!

プロローグ、ばーん!(怖)
感染者が盛り盛り盛りー!!!笑える~(^Q^)。
夫婦、恋人同士、親子の話として泣ける~(ToT)。
姉妹の話としては、北と南に別れた朝鮮半島の現状を彷彿させられた。
人間、助け合わないと!自分だけよければOKってのはNGだよと、真っ当な主張。(ただし、極限状態では誰でも我先に逃げ、自分ファースト、自分の愛する者ファーストになってしまいがちなので、そういう人間性へのフォローも抜かりなし。悪者的人物にも一抹の哀れが漂うように作られている。観客としては実生活でこのような極限状態にならないようひたすら祈り、予防策を講じるべしという気持ちになる。)
まったくヒーローでない人物が、そういう立場に置かれると、そうせざるを得ない偉さと哀しさとが心に残る。
幕切れも鮮やか!

韓国って風景やら何やら日本に似ているので親近感だった。
大沢たかお(父)、ほっしゃん(娘)、稲川淳二(ずーっと逃げていた人)
(2017/10/21 あたご劇場)