斬、

『斬、』の感想を毛筆で書いた画像 天道虫が上り詰めて飛ぶように、追い詰められて発揮する本領があれでは叫びたくもなる。

カメラが動くは暗くて見にくいは、セリフは聴き取れた方だと思うけど、近頃「ぼーっ」観ているので、この映画をしっかり観たのか自信がない。それでも面白く観て、いろいろ考えさせられた。

太平の世が260年続くと武士も人を斬れなくなる。それで良いではないかと思う。
今にも村人を襲ってきそうな人相の人たち(野武士)に交渉を持ちかける。武器にものを言わせるよりずっといい。
「人を斬りたい、斬りたい、斬りたい」とのたうちまわっていたけれど、本当は「セックスしたい」だったんじゃないだろうか。好きな人が野武士に犯されても、どうすることもできない。野武士を斬りたかったのかもしれないが、好きな人との交情をより望んでいたようにも見える。それなら合意のうえでする方が、人を斬るよりよほどいいと思う。
斬れない杢之進(池松壮亮)は、日中戦争で殺しの練習をさせられた初年兵に重なって見えた。

問題なのは、ゆう(蒼井優)だと思う。弟の市助(前田隆成)が野武士にいたぶられて怪我をしたとき、仕返しを望む。杢之進を好きで彼に死んでほしくないのに、仕返しを促すのだ。
仕返し合戦の果てにどうなるか目に見えている。ゆうは杢之進が動乱に参じることは望まないのに仇討ちは促す。理性ではなく感情で動く民衆の代表のようだ。普段は平和を願っているのに不安や怒りにかられると戦争に同意したりする。

杢之進は追い詰められて人を斬る。武器を持ち合えば殺し合いになる。交渉と妥協が美しいと思うけれど、それがダメならジャンケンでもあみだくじでもいいじゃないか、という心境・・・・。
(2024/03/13 あたご劇場)

出品_令和6年高知県書芸院展

この3月で書道歴丸3年となり、4月からは4年生です。鏡で自分の顔を見て笑える性格のせいか、「お恥ずかしい」とは言いながら下手な字がそれほど恥ずかしくありません(^_^;。下手であたりまえと思っているせいでしょうか?最近では皆が上手になったらつまらないなぁと思いだしたせいもあるかもしれないです。毎年、県展と同時期に開催されるアールブリュット展の書道に感動しているのも一因でしょうか。

この展覧会は、師匠が所属しているグループの年に1度の発表会です。昨年までは高新画廊で開催されていましたが、同画廊は閉鎖されてしまったのでかるぽーとに移ったようです。40名ほどが出品しています。県展の無鑑査作家の出品もあります。
入場無料です。よかったら見に来てくださいね。

日時:令和6年4月2日(火)~4月7日(日)
   10時から17時(最終日16時)
場所:高知市文化プラザ かるぽーと 7階第3展示室
主催:高知県書芸院

ゴールド・ボーイ

『ゴールド・ボーイ』の感想を毛筆で書いた画像 黄金少年 末世的娯楽作

見た目が好みの坂口健太郎は1本で満足して終わってしまったが、見た目はそれほど好みでなくても演技力があるので次を観てみたくなるのが岡田将生だ。今回は、かつての火曜サスペンスも真っ青な大仰なエンタメ演技(金子修介監督の演出だろう)が笑えた。冒頭で早くも義父母を殺害(^_^;。彼が主人公かと思いきや、殺害場面を偶然録画し、犯人のヒガシノボルを脅迫する少年たちの一人、アサヒ(羽村仁成)が主人公だった。

アサヒは、友人ヒロシ(前出燿志)とその義妹ナツキ(星乃あんな)といっしょに脅迫するのだが、とっくに大人になった者の目からすると三人のやりとりが微笑ましくも見える。特にアサヒとナツキのシーンは胸キュンだった。お話は主人公に都合がよすぎると感じるところはあるものの、エンタメとして充分に面白かった。

それにしても、ヒガシノボルは遺産目当てに義父母と妻を殺害し、少年たちも金目当て。ヒロシとナツキは虐待してくる父から離れたい、アサヒは母子家庭で学資がほしいとはいえ、子どもが金目当てに脅迫とは(現実でもあり)気持ちのよいものではない。大人がお金に毒されているから子どももそうなってしまうのだろう。
終いにはサイコパス対決となるものの、いじめによる自殺を臭わせる事件や、自殺で子どもを亡くした母の妄執を思わせるいやがらせ、財力のある者が行政にまで幅を利かせたり、空を行く軍用機など、美しい沖縄の夏を背景に末世的な事柄がもやもやと胸に迫った。

(2024/03/13 TOHOシネマズ高知4)

春ですね

嬉しいことにアネモネが咲きました。一昨年、球根を庭に植えて年が明けての春に咲き、そのままほったらかしていたので、高温多湿に弱い球根は腐ってしまっただろうと思っていたのです。思うに、アネモネが終わってからドクダミやら紫蘇やらが生い茂る場所なので、多湿ながら腐るほどの温度にはならなかったということでしょうか。もし、そうならドクダミや紫蘇やらは引かずに昨年同様、ぼうぼうにしておかねば。

テタテートは鉢植えだったのを地植えにして、昨年は一つくらいしか咲かなかったのですが、今年は四つくらい咲きました。来年はどっと咲いてほしいな。

昨年、3月に植えた透百合。三つ入り球根の一つは袋の中でバラバラになっていて、バラバラのまま埋めたけれど、やはり昨夏に咲いたのは二つ(白と柿色)だけでした。1メートルは有に超していましたが支柱なしで倒れませんでした(拍手)。その白が早2本伸びている(^o^)。増えました~。柿色は土の中から顔を出しただけなので1本やら2本やらわかりません。これは肥料をやらねば。

この春は、心に余裕がなかったのでしょうか、クロッカスが咲いてから気がついてビックリしました。いつもだったら芽が出て蕾をつけてと楽しんでいたのに。アジュガに浸食されてクロッカスのスペースが狭くなりました。もっと日当たりのいいところに植え直そうかな。

1月の休眠期に風知草と桔梗を庭に植え替えたのが、ちゃんと芽を出すか気に掛かります。
これから色々咲くのが楽しみです。若いときは冬が好きでしたが(クリスマスとかお正月があるため)、寒さが身に堪えだしてからは梅から藤まで(初夏の新緑もいいな)の春が一番です。