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なぜ、前後編に分けるのだろう。近年、そういうのが多いが、水増しして儲けようとしているように思えて仕方がない。
でも、文句はそれだけで、オールスターキャストの熱演ぶりに面白く見られた。佐藤浩市、はまり役。永瀬正敏、やっぱりいい。
それに終わってみたら、容疑者割り出しのために電話をかけ続ける父に涙なのだ。

警察の広報担当と記者クラブの攻防は興味深かった。
情報の蛇口は権力者の手にあって権力者は開閉自由。都合がよければ情報を流すし、悪ければ隠す。だから、記者たちが実名発表などにこだわるのはわかる。広報官(佐藤浩市)は記者と権力者の板挟みになるわけだ。ただ、蛇口をこじ開けることも必要なのかもしれないけれど、それほど蛇口頼みなのかという気もした。

この作品で最もむかついたキャラクター。妻がピカピカに磨いた広報官の靴を「汚れている」と言うことで、見下しているということを表現した県警本部長(椎名桔平)。
(2016/05/22、2016/06/19、TOHOシネマズ高知8、TOHOシネマズ高知4)

これからのお楽しみ

空蝉
ノミじゃないですからぁ(^_^;。

『X-MEN アポカリプス』と『ターザン REBORN』のムビチケを買いました。『X-MEN』は、若教授の髪の毛問題が気になって・・・・、というか若返りシリーズは本当に楽しみ。
『ターザン』の方は、ジャングルを裸で行き来するのは枝だとか棘とかで擦り傷切り傷が気になるので、どうしようかと思ったけど、ターザンて英国貴族だったの???「アーア、ア~~」のイメージだけで何も知らなかったことに気づき、どういう話か興味が湧いたので。
『シン・ゴジラ』も見る気になったので、なんか忙しくなるなぁ。

あたご劇場では『さざなみ』が面白そう。予告編のシャーロット・ランプリングの表情に早くも感動のさざなみが・・・・。『さざなみ』の次に上映される『地獄の黙示録』の予告編では、若きハリソン・フォードが登場して、予告編の作り方に早くも懐かしの黙示が(笑)。そして、サイモン・ペッグの『ミラクル・ニール』の予告編では、早くも奇跡の可笑しさがこみあげて来たのでした。

「鬼の対談」へリンク
地獄の黙示録 特別完全版(1)
地獄の黙示録 特別完全版(2)

孤独のススメ

日本に富士山があるように、ヨーロッパにはマッターホルンがあるのだなぁ!誰も皆、孤独だけれど、誰かとつながらずにはいられない。その誰かが誰でもマッターホルンは、エブリバディOK。綺麗だし音楽もイイし、感動でした。

追記:冒頭、「音楽は難しくない。正しい時に正しい鍵盤を叩けばいいだけ。byバッハ」というクレジットが出て、「その正しい時がわからんのじゃよぉ!」と一人ツッコミを入れ、やっぱりバッハは嫌いだと思いながら見はじめたのだけれど、使われていたのはバッハの曲のようで、どれも割と耳にするいい曲なのでバッハを好きになったかもしれない。それより、「主よ、人の望みの喜びよ」だけ聴いて嫌っていたのだからバカなことである。

フレッドは変なやつテオと共同生活を始めたことで、みんなとは違う少数派になった。少数派は偏見や差別にさらされることがままあり、フレッドも彼の息子と同様に偏見の目で見られる。フレッド自身も息子を追い出していたのだから、バカなことであった。自分がバカであることに気づき、正しいことをするのは容易ではない。バッハの言葉は逆説的な意味だったのだなぁ。よく修練しなさいということだったのだ。

天涯孤独な者同士と思っていたテオに帰る家があり、待っている人がいたことを知ったフレッドが、逃げ出すようにテオの家を去る。そのときの涙にもらい泣きしそうになったが、おしまいには息子との関係もよくなりそうで歌の力もあり胸がいっぱいになった。

久々に省略が利いて、かつ、行間のある美しい作品に会えた。88分。
ダイヤル式電話のかけ方がわかるよ。>若い人
(2016/07/29 あたご劇場)

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト

やー、面白かった(^_^)。筋書きが弱いし、主役(デイヴィッド・ギャレット)の演技は惜しいけれど、演奏シーンが素晴らしい!引き込まれたーーー!
コベントガーデンでの演奏会は、まるでロック(若しくはグループサウンズ)のコンサートかというくらいに、絶妙のタイミングで「きゃー」と女性の黄色い歓声があがり、わはははは!と笑いが込み上げてきた。悪魔のシルエットの演出も、めちゃ可笑しい(^Q^)。

悪魔のヴァイオリニストの正体は、意外にも純粋で子煩悩、グルーピーは拒まず、博打大好きは本能に忠実なだけ。そういう話だった。もうちょい上手く演出すれば(そして演技が上手ければ)、本当は可愛い人なのに悪魔という評判のため、なかなか教会の墓地に埋葬してもらえず可愛そうだなぁ・・・という感慨が湧いたかもしれない。

あとで知ったが、なんとヘルムート・バーガーが出演していた!ロンドン公演の出資者、バーガーシュ卿!面影ないよ~。男の子を二、三人はべらせていたのが面白かったけど。
ロンドン公演の指揮者ジョン・ワトソン(大泉洋 クリスチャン・マッケイ)は、その名前ーーー!って思った(笑)。パガニーニのマネージャー(ジャレッド・ハリス)は、モリアティ教授だった人だし(笑)。
それとシューベルト「魔王」のアレンジが、カッコイイ。劇中のアリアにはうっとり~。やっぱり音楽映画はいいなあ。劇場で見られて本当に良かった。
クレジットの最後に「ケン・ラッセルに捧ぐ」とあった。ケン・ラッセル、好っきー!『マーラー』見なくちゃ。

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト←三冬さんのブログ「好きな俳優、今日の一枚」・・・どんな映画か画像付きでわかりやすく書いてくれています。

(2016/07/18 あたご劇場)