牧野はイイね!


久々の牧野植物園~。他にもたくさん珍しい植物があって、気がつけば100枚以上撮っていた。

薬草皿鉢は、薬用養命酒だけでなく、葛根湯などの皿鉢もあった。それぞれの生薬が瓶詰めされていて匂いが嗅げた。桂皮なんか本当にイイ匂い~。葛根もイイ匂い。芍薬は薬臭いけど、やっぱり好き~。この匂い、どっかで嗅いだと思っても思い出せないのが、もどかしいけど懐かしい・・・・みたいなのもあった。この薬草シリーズは、瓶詰めだけでも常設にしてほしいなぁ。たくさんあって嗅ぎきれなかったし~。行くたびに嗅ぎたい(笑)。

冬薔薇(ふゆそうび、ふゆばら)、寒薔薇(かんそうび)は冬の季語とのこと。大石蕗も山茶花も咲いていた。芙蓉は秋の季語だけど咲いていたし、蕾をたくさんつけていた。芙蓉って8月、9月の感じなので、今頃咲いているのは驚きだった。

ゆるキャラ菊人形は、「緑の菊ですだち君」がポイントだろうか。「緑、菊」で検索すると、けっこう緑色の菊ってあるのだなぁとわかるけれど。

解説の札で気根というものを知った。池のそばの大きな木の気根(呼吸根)が何メートルも離れたところにひょっこり顔を出していた。札のないところにも見つけたのが嬉しい。布団からちょっと足先を出したくなるときがあるけど、植物もそういう感じなのかな?

植物園の隣の竹林寺の秘仏文殊菩薩は50年に一度の開帳期だそうで、けっこうな人出だった。昨日は、「見仏記」でおなじみのみうらじゅんさんといとうせいこうさんがお越しだったそうな。私は今回はパス。50年後に会いましょう!

牧野植物園
五台山竹林寺 四国霊場第三十一番札所

女性文芸映画特集inあたご劇場

昔の映画は短いと思っていたら、長かったー。まさか4本全部見るとは思ってなかった(だからお昼ご飯しか持参してなかった)が、結局12時から9時半まで座りっぱなし記念日となった。

一番面白いと思ったのは『夜の河』で、綺麗なカラーだったのに驚いた(緑の絹の光沢なんかよく出てた~)。映像ピカイチ。主人公は染物屋の娘きわ(山本冨士子)。美人~。見とれる~。どの角度から撮ってもきれい。大学教授の竹村(上原謙)と一夜をともにする赤い逆光ショット(ほとんど影)も美しい。しかも、この日見た4人の主人公の中で最もリアリティがあった。反物を卸すにもなかなかの商売上手。はんなり、やり手の京女。東京出張で下心ありありの呉服屋の旦那と同じ宿に泊まることになっても妹を連れて行き、防戦に抜かりなし。何ごとにも動じることがないと思いきや、好意を持っている竹村に対しては、媚びなく可愛くいじらしい。竹村の妻が亡くなって、亡くなるのを待っていたと思われるのが嫌というプライドと、病気の妻に出来る限りのことをしたと言えば聞こえはいいが一滴の姑息さがにじむ竹村に気づいてしまったことから別れを決意する。清冽だ。それなのに「夜の河」とはこれ如何に。映画の始まりでは無関心だった労働運動のデモ行進に映画の終わりでは関心を示す。その心境の変化はこれ如何に。充分に成熟しており一筋縄ではいかない女性だとは思う。

きわに憧れる若き画家が岡本五郎という名前で岡本太郎らしい絵を描いていたのが可笑しかった。この五郎君がインテリ言葉を駆使して何だかんだ言うのがハイレベルすぎてついていけなかったが、当時の観客の目からすると大学を出た若者や芸術家のイメージは五郎君みたいな感じだったのだろうか。本筋とは関係ないように思える五郎君の登場と退場はなぜ故に?
竹村がショウジョウバエを赤く染める研究をしているのも面白かった。(竹村も染物屋だ。)きわは赤いショウジョウバエの柄を染め上げ、着物を仕立てる。なぜ故にショウジョウバエ?
色々わからないところもあったけれど、主人公のキャラクター、映像、時代背景がよく描かれていてよかったと思う。

『雪国』は、駒子(岸恵子)がめっちゃ可愛い。島村(池部良)は、めっちゃ嫌い。妻子がありながら、駒子のところへ来るなよなー。来るなら奪って行け。まっこと腹の立つ~~(笑)。駒子は誰も捨てきることが出来ず、哀れだった。

『五番町夕霧楼』の夕子(佐久間良子)、色っぽい~~。「商売であえぐな」と思ったけれど、いやいやいや~、「このサービスショットは必要」とも思った。男性との絡みなし、顔の表情だけの濡れ場、お見事。話は(キャラクターも)作り物っぽいが、『炎上』の他にも金閣寺放火をモチーフとした映画があったとは知らなかったので面白かった。また、夕霧楼の女将以下、エントリー女性の皆が優しいのがとてもよかった。夕子とか夕顔とか夕の字がつくと儚いねぇ。

『五辨の椿』は、おしの(岩下志麻)の復讐箪。音楽が『五番町夕霧楼』と似てる~~(?)。話も主人公も『五番町夕霧楼』以上に作り物っぽい。時代劇だから無理もなし。原作は山本周五郎とのことだけど、こんな陰惨な話も書いてたのね。

夜の河(1956年/104分/監督:吉村公三郎)
雪国(1957年/133分/監督:豊田四郎)
五番町夕霧楼(1963年/137分/監督:田坂具隆)
五辨の椿(1964年/163分/監督:野村芳太郎)

Kバレエ「カルメン」

いや~、熊ちゃん、カッコいいわー!本当にキレッキレの踊りだった。ドン・ホセは、真面目で実直。それがカルメンに骨抜きにされて情けないことになる人物なので、カッコいいのは困ったもんだ(笑)。エスカミーリョをやればよかったのにぃ。と言っても、ちゃんと物語として成立する人物にはなっていて、二幕のカルメンへの束縛ぶり、独占ぶり、ちょっと他の男性と話しただけで拳銃を持ち出す悋気ぶりが、情けないと言うより偉そうでねー(むかむか(笑))。そりゃ、カルメンでなくても愛想が尽きるわって感じになっていた(わはは)。

カルメンは、登場したとき、やっぱエロかった(笑)。それなのに可愛さもある。踊り上手い!西洋人ぽい~と思ってオペラグラスを覗いたら、メイクめちゃうま、もう日本人に見えないよ。と思って休憩時間に配役表を見たら、ロベルタ・マルケスだった!ああ、そうだったそうだった、忘れてたけどそうだった。

いやいやそれが、他のソリストもソリスト以外のダンサーも皆、踊りが上手くて綺麗で~~。日本人が西洋人を演じているときの違和感が感じられず、驚きながら感心して見ていた。前からレベル高いと思っていたけど、更に高くなったんじゃないだろうか。
それに熊川哲也は振付の才能もあったのね(知らなかった。)スライディング振付、おもしろ~い!足を後ろに蹴るのも可愛い。両手を左右に振るのも。浮遊感のあるリフトも、ちゃんと入れてるし、本当に盛りだくさん。色んなことをやってくれて全編見せ場な感じだ。
ただし、全編見せ場だと目玉の場面の印象が薄くなってしまうから注意が必要だと思う。

目玉は、第一幕第一場(タバコ工場前広場)では、カルメンのハバネラと、カルメンが捕縛されてホセが連行する縄のパ・ド・ドゥ、第二場(居酒屋)ではエスカミーリョのソロ、第二幕第一場(野営地)はミカエラのソロ、第二場(闘牛場前)はカルメンとドン・ホセの追いかけっこだと思う。他にも工場前での兵隊さんたちの群舞、工場の女同士のバトル、居酒屋に場面転換するとき、幕前での酔っぱらい踊り、野営地に現れたエスカミーリョとドン・ホセのにらみ合い、闘牛場前のお祭り踊り(カルメンの友だちのソロ、道化師の踊り、闘牛士の踊り)と本当に見所がいっぱいだった。
もちろん、ドン・ホセが踊るところはいっぱいあったと思うけれど、印象に残るソロがないのが辛い。闘牛場前に至るまでに、ドン・ホセの苦しみたっぷりのソロが是非ほしい。そうすれば、踊りの楽しさだけではなく物語としての感動が強くなると思う。

それから、いつもながら舞台美術と衣装がイイ!!!
装置はシンプル、寸法のバランスを不思議な感じに崩している、マチエールが堅牢、乾燥、温暖。装置と衣装と照明でひとつの舞台として統一感があった。
おしまいの闘牛場前の場は、いきなりカッと照りつける照明、向こうの壁と手前の闘牛場という大胆な装置、上手から下手へ続く壁のラインがデ・キリコの絵のような遠近を崩したような感じ、手前の闘牛場の汚し具合、衣装の色の洪水(あれだけ色を使っても統一感があって美しいと感じられるのは装置がシンプルだからだろうなぁ)と、幕切れの殺しの異化効果を狙っている感ありありなんだけど、カルメンもドン・ホセも舞台から消えるというすごい演出もあって、なかなかの衝撃度だった。

カルメン(ロベルタ・マルケス)
ドン・ホセ(熊川哲也)
ミカエラ(佐々部佳代)・・・ドン・ホセを思う踊り、本当にいじらしい気持ちにさせられた。素晴らしい。
エスカミーリョ(遅沢佑介)・・・・カッコいい!
モラレス(伊坂文月)
スニガ(スチュアート・キャシディ)
フラスキータ(浅野真由香)
メルセデス(井上とも美)
ダンカイロ(ニコライ・ヴィユウジャーニン)・・・・切れよく可愛い♥。
レメンダード(兼城将)

(2014/11/01 高松市 アルファあなぶきホール)

高松へ行ってきた。


瀬戸大橋がなかった頃、国鉄の宇野駅と高松駅をつなぐ宇高連絡船というのがあったのは、中高年にはなつかしい思い出だ。連絡船から高松駅に降り立つと「帰ってきた~!」とほっとしたものだった。そこからまだ3時間くらい汽車に乗るんだけど(笑)。
記憶では船から下りるとすぐに駅だったような気がするけど、今回サンポートまで歩いてみると5分から10分くらいの距離がある。駅舎を移設したのかな。それとも埋め立てたのかな。
サンポートは4番乗り場まであって、別のところにジャンボフェリーの乗り場もあるらしい。

高松までJRで行くなら乗り換えが必要になったので、直通で行けるバスの方が便利かもしれないが、私は乗り物では鉄道が一番好きなのだ。ところが、岡山に行ったときもそうだったけれど、車内放送の音が大きすぎる。放送のたびに飛び上がるほどなので、うたた寝も出来ない。(うたたねして乗り過ごす人の希望で大きくしているのだろうか?耳の遠い人のためかもしれないし。)これからはバスにしようかなぁ。

リニア新幹線ができたら、今の新幹線はどうなるのだろう?取っ払うの?2本立て?リニアは無駄のような気がするけどなぁ。同じ無駄なら、今の鉄道を一筆書きが出来るような形につなげてほしい。一筆書きで日本一周とか、四国一周とか楽しいと思うけどなぁ。