丸く収まって、めでたしめでたし。とても面白かった。
神が人間に与えると約束した土地ではなくても、自分に合った土地で暮らすのがいいよねということだと思った。同時に自分に合った土地でくらすのもいいけど、それよりも相性の良いパートナーといっしょにいるのが(周囲の者も含めて)幸せというものだと思った。
登場人物のキャラクターが立っていた。オマー・ラザギ(オマー・メトワリー)、可愛い~(^_^)。ディアドレ(アレクサンドラ・マリア・ララ)、傑作~(^Q^)。
オマーがウルグアイにやってくるまで、アダム(作家ユルス・グントの兄:アンソニー・ホプキンス)やキャロライン(作家の妻:ローラ・リニー)、アーデン(作家の愛人:シャルロット・ゲンズブール)、ピート(アダムのパートナー:真田広之)はいったいどんな生活を送っていたのか。平穏で均衡がとれた生活だったろうけど、退屈していたみたい。そこへユルスの伝記を書かせてほしいとアメリカからオマーがやってきて均衡がくずれた。パズルのピースが一つ増えて、うまく収まらないな~というところへ、オマーの恋人ディアドレもやってきて、ひっちゃかめっちゃか(笑)。
3年後、ニューヨーク(?)のオペラ劇場でディアドレとキャロラインが再会して、その会話からウルグアイ組もうまくいっていることがわかる。キャロラインもディアドレもパートナーに恵まれて幸せそうだ。パズルが完成した。いや~、めでたい。
それにしても、ウルグアイにオマーがやってきたとき、オマーとアーデンの仲をやっかんでいたかに見えたキャロラインが、実は欺されやすいアーデンを心配していたのだとわかって、ちょー面白かった。ユルスが書いた自伝的小説をキャロラインだけが読んでいる。その内容からすると、ユルスは妻と愛人の壮絶なバトルを期待していたみたいだ。だけど、現実には妻と愛人の力に差がありすぎて嫉妬心など生まれようがなかったようだ。あるいは妻が夫に不足を感じていたのか。妻には圧倒され、愛人では物足りない、ユルスの立場はーーー(笑)。妻への当てつけに自死したってこともありえはしないだろうか。
キャロラインが原稿を焼こうとしたのはなぜか。また、焼きかけた原稿を炎の中から取りだしたのはなぜか。そういうところも面白かった。
THE CITY OF YOUR FINAL DESTINATION
監督:ジェームズ・アイヴォリー
(シネマ・サンライズ 2013/07/26 高知県立美術館ホール)