早朝の蓮池

蓮
花が開くとき、本当に「ポン」と音がするのか????確かめるべく、5時起きで蓮池に行ってみた。
咲く瞬間に居合わせなかったせいか「ポン」という音は聞けなかったが、「ぶーんぶーん」とミツバチの音が凄かった。一つの花に5、6匹が群がっている。池全体に咲き誇っているのでハチの数は相当なものだ。ときどき、いい香りが漂う。この匂いに誘われてやってくるのだろう。浮き橋を散策すると花をめがけて飛び交うハチにぶつかるが、皆さん蜜を採るのに夢中で闖入者と蓮の葉っぱの見分けがつかないみたいだ。怖がって浮き橋を渡らない人を見かけたが、刺される心配はなさそうだった。

昨年は花が終わりかけた頃に行ったせいか、ハチの記憶はまるでない。そのかわり鴨がいて面白かった。今年はハチの他に錦鯉がいた。昨年もいたかもしれないけど。
それよりショックなのは、うえの写真を撮ったとたんにカメラが壊れたことだ。昨年は雄しべ付きの花托は撮らなかったような気がして、試しにと1枚目のシャッターを押したら、それっきり。撮れたかどうかもわからなかったが、失敗写真でも撮れていてよかった。

2012年の蓮池公園

CUT

ジョン・レノンが「言いたいことをビートに乗せて歌えば、それがロックだ」みたいなことを言っていたと思うけど、それでいけばロックな映画だった。で、言いたいことというのは「映画、好き好き!」(笑)。主人公は正しくビートされており、へとへとになって横たわると映画が愛撫してくれる。映画とのラブシーンまである(^_^;。そして、映画ファンの大好きなベストテン選びまで(^Q^)。

かつて映画は、娯楽であり芸術だった。ところが今や芸術作品を上映する場がなくなっている。それは金儲け優先のシネコンがはびこって、芸術性のある映画が上映されにくくなったから。そう言って、娯楽であり芸術である名作を上映しつづける主人公に共感するのは映画ファンとして必定。この映画が、2012年高知のオフシアター・ベストテン日本映画第一位に選ばれた理由がよくわかった。

兄の借金を返済するため、シネフィル青年秀二(西島秀俊)が殴られ屋として稼ぐ話と聞いて、暴力的なシーンは指の隙間から観ることになると思っていたが、なぜだかそれほど痛くはなくて、目の潰れ具合が前の場面と違うとか、余裕で観ることができた。しかし、西島秀俊は、あいかわらず青年役が似合うなぁ(笑)。

陽子(常盤貴子)・・・・ブラボー。
ヒロシ(笹野高史)・・・・この人がハラハラドキドキすると観ているこちらまでドキドキ。
ボス(菅田俊)・・・・お金貸したらいかん。もう、返せませんから~。

監督:アミール・ナデリ
(高知オフシアター・ベストテン上映会 2013/07/06 県民文化ホール(グリーン))

この空の花 長岡花火物語

賛否があるのはもっともだと思う。私自身は可もあり不可もありといった感じだ。おしまいの方は、過剰さと繰り返しとに疲れてきて、もう結構といった感じだった。ただし、この映画の趣旨は大いに買っているし、表現方法はとても面白いと思っている。

歴史を学ばず欺され続け、事件・事故の検証も不十分なまま流されていく日本人に対して(私自身が学んでいるわけでも行動を起こすわけでもないが)、どこまでも欺され流されたらいいわと、どうでもよくなっていた今日この頃、「歴史を学び、名も無き人の声を聴け」と声を大にして繰り返し唱える大林監督のパワーには敬服する。東日本大震災後の作品としてもポジティブでよいと思う。

いつどこで何がどんな原因で起こり、その結果何人亡くなったというような歴史を学ぶだけなら、当時生きていた人々への共感性はなかなか得られないだろう。証言を聴いたり読んだりする中で当時の人々へ想像が及ぶようになり共感性も生まれるのではないだろうか。遠藤玲子(松雪泰子)が「あなた、お名前は?」と尋ねて、防空壕の中にひたすら水を掛けていた少年が答える。歴史上の人物の名前を覚えるのも大切だけど、名も無き人々へ思いを馳せることも大切だと作り手は言っているように思う。

表現方法については、ワイプでの空間移動など大林監督らしい~と嬉しくなった。山古志の片山健一(高嶋政宏)の部屋の窓から棚田が、天草の玲子の部屋からは海が見える、その見え方が絵のようで面白かった。セリフでの説明を字幕でも繰り返し、念をおす格好になっていたのは、小学校で「六年生のお兄さん」「お姉さん」「ご卒業、おめでとうございます。」「おめでとうございます。」という繰り返しに思えて面白かった。登場人物がカメラに向かって話すのも、昭和と平成や、演劇と映画とアニメや、その他諸々がごっちゃになっているのもヘンテコリンでよかった。空襲のシーンや花火のシーンも綺麗だった。

私自身、花火を比較的近くで見たとき、空襲や大砲を連想したので(ドーンというのは爆発音、ヒュ~~というのは焼夷弾の落下音みたい)、元木リリ子(富司純子)が打ち上げ花火を怖がる気持ちはよくわかる。広島・長崎で被爆した人たちが、キノコやブロッコリーなどから原爆を思い出して辛さが蘇るという新聞記事を読んだときもあまり驚かなかった。ハリウッド映画で核爆弾が軽々しく扱われているのに対して憤慨した日本人の感想を目にしたこともある。これらは感じる方も感じさせる方も、どちらも止められないが、傷ついた人の気持ちを想像できるくらいにはなりたいものだ。そんなことも思いながら観ていた。

監督:大林宣彦
(高知オフシアター・ベストテン上映会 2013/07/06 県民文化ホール(グリーン))

「エロ事師たち」より 人類学入門

性の賛歌は生の賛歌。人類学入門にエロは必須という、今村監督らしい喜劇だった。
1966年の作品だけど古びてなくて、この感覚は今でも通用する新しさだ。8ミリフィルムの映写に始まり8ミリに閉じて終わる、スクリーン中スクリーンの入れ子細工になっているので、今回は緒方義元:通称スブやん(小沢昭一)というエロ事師について描いたが、他にもエロ事師はおるで~といった感じが伝わってくる。これ一作の中にスブやんだけでなく、たくさんのエロな人々がいたのに、他にもおるで~となると、もう世の中、エロ人だらけだ(笑)。
また、松田春(坂本スミ子)の亡き夫の化身のような巨大な鮒が、あるときはスクリーンを浮遊し、またあるときは占領し、何ともコミカル、かつ、シュールだった。

幸一(近藤正臣)/ケイコ(松田恵子)

監督:今村昌平
(2013/07/05 あたご劇場)