ジョン・レノンが「言いたいことをビートに乗せて歌えば、それがロックだ」みたいなことを言っていたと思うけど、それでいけばロックな映画だった。で、言いたいことというのは「映画、好き好き!」(笑)。主人公は正しくビートされており、へとへとになって横たわると映画が愛撫してくれる。映画とのラブシーンまである(^_^;。そして、映画ファンの大好きなベストテン選びまで(^Q^)。
かつて映画は、娯楽であり芸術だった。ところが今や芸術作品を上映する場がなくなっている。それは金儲け優先のシネコンがはびこって、芸術性のある映画が上映されにくくなったから。そう言って、娯楽であり芸術である名作を上映しつづける主人公に共感するのは映画ファンとして必定。この映画が、2012年高知のオフシアター・ベストテン日本映画第一位に選ばれた理由がよくわかった。
兄の借金を返済するため、シネフィル青年秀二(西島秀俊)が殴られ屋として稼ぐ話と聞いて、暴力的なシーンは指の隙間から観ることになると思っていたが、なぜだかそれほど痛くはなくて、目の潰れ具合が前の場面と違うとか、余裕で観ることができた。しかし、西島秀俊は、あいかわらず青年役が似合うなぁ(笑)。
陽子(常盤貴子)・・・・ブラボー。
ヒロシ(笹野高史)・・・・この人がハラハラドキドキすると観ているこちらまでドキドキ。
ボス(菅田俊)・・・・お金貸したらいかん。もう、返せませんから~。
監督:アミール・ナデリ
(高知オフシアター・ベストテン上映会 2013/07/06 県民文化ホール(グリーン))