プリンセス・トヨトミ

大風呂敷を広げすぎて畳むのに苦労したみたい(^_^;。だけど、会計検査院三職員のキャラクターが面白いので、ぜひ、シリーズ化して寅さんが果たせなかった47都道府県ご当地映画を作ってほしい。
会計検査で各地を回り、そこの歴史に絡めた話を作れないものだろうか。レギュラーはもちろん松平(堤真一)、鳥居(綾瀬はるか)、旭ゲンズブール(岡田将生)で、どこに行ってもよく似た史家(江守徹)がいるのだ。ゲストは各地出身のタレントさんに2、3人出演してもらってバリバリの方言をしゃべってもらう。鳥居は、名産をたらふく食べてくれるので宣伝になるし、各地のフィルムコミッションは大喜びだ。
真田(中井貴一)・・・・中井貴一は何を着ても似合うなあ。
竹子(和久井映見)・・・・和久井映見ちゃん、がんばれ!
大輔(森永悠希)
茶子(沢木ルカ)
長曽我部(笹野高史)
監督:鈴木雅之
(2011/06/05 TOHOシネマズ高知8)
高知フィルムコミッション
フォトギャラリーが綺麗~(^_^)。

義兄弟

俳優を観ているだけで楽しかった。
国家情報局を首になり興信所をやっているイ・ハンギュ(ソン・ガンホ)。北朝鮮のスパイを首になり、南で逃亡生活を続けるソン・ジウォン(カン・ドンウォン)。二人とも妻子と離れていることが共通点。互いを知らない者同士の同居生活が、ソン・ガンホのおかげでコミカルで可笑しい。また、心やさしいスパイの非情になりきれない瞳が、北と南に分かれた家族(民族)を思わせ哀しい。カン・ドンウォンの綺麗な瞳あってこその情感だと思う。
意外だったのは結末だ。日本、香港、韓国とこの手の映画はどちらかが亡くなるのが定石なのに、新手に出られて驚いた。しかし、どちらに転んだにせよ、うまくいくのはソン・ガンホだからかな。何をどうやっても、しっくりくるソン・ガンホって素晴らしい。
日本はフィリピン、韓国はベトナムから嫁をとり。
SECRET REUNION 監督:チャン・フン
(2011/06/04 あたご劇場)

アンチ・マンU

欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝戦で、マンチェスター・ユナイテッドFCは1ー3でFCバルセロナに負けた。
ジェームズはどうもアンチ・マンUらしく、「マンUサポーターは、皆おそろしく静かになっちゃいましたとさ。」とか「うちらマンUは、言ったとおりに勝つもんね」と(言ってたくせにみたいなニュアンスで)ツィートしてた。
当然、マンUサポーターやそうでない人たちから「来年のCLを考えてたから静かなのよ」「リヴァプールは、CL出場は無理だろ」とか。気の利いた人は「ジェームズ・サットンは小躍りしちゃいましたとさ」とツィートして、ジェームズから「しぃぃー」と返されていた(笑)。
CL出場は無理なんて言われると言い返さずにはいられないのか「5回優勝。」とジェームズ。すると相手も負けじと「過去の栄光に生きている」。ジェームズの返事、「(負け試合の)今に生きてくださいな。」だって。
さしものジェームズも「(マンU、プレミアリーグで)19回優勝。」と知り合いに言われたら「あ痛~」と言うしかなかったけれど、密かに(?)ブライアンという人のツィートをリツィート。ブライアン曰く「1977 * 1978 * 1981 * 1984 * 2005 *5回優勝。 (19回優勝のバナーなんかケツに貼ってろい!)」。
お話変わって、「僕は主役を演じている」という書き出しに、「えええ!?お仕事?」とザワついたのは束の間。「僕自身の『ザ・二日酔い』というヤツの」と続いたものだから、「ああ、いつものヤツね」と心穏やかに。
「へんてこな日本人とヘザー・グラハムのコメディ以下の。自己嫌悪付きで。」だそうな(?)。

ブラック・スワン

面白かった。やっぱりホラーだった。それに山岸凉子だった!!!
ニナ(ナタリー・ポートマン)を主役に選んだ芸術監督兼振付師トマス・ルロイ(ヴァンサン・カッセル)は、ハラハラものだったろうけど見る目があったというべきか。もちろん、称えるべきは壊れそうになりながらも役の心をつかんだニナだろう。また、ナタリー・ポートマンのアカデミー賞主演女優賞受賞に文句なし。彼女の映画になっていたと思う。音楽もよかった。
それにしても母エリカ(バーバラ・ハーシー)の呪縛がなかったらニナの役作りの苦労はもっと軽くなっていたはずだ。主役抜擢のお祝いケーキの件から、ああ、早くこの母親から離れるのだと念じ続けていた。芸術家として黒鳥になるための血の滲むような努力と、母に括りつけられた巣から飛び立つ労苦が重なっているわけだが、問題の根は母親にあるのだから、それをクリアすれば万事OKなのだ。(同性との付き合いまで干渉するのだから異性となれば干渉どころじゃないかも。それに妊娠したためキャリアをあきらめざる得なかったなんて、さんざん聞かされたせいで、ニナは妊娠恐怖症になったんじゃないだろか?)
リリー(ミラ・クニス)の強い瞳は魅力的。可愛さがあるのがいい。
ベスが登場するたびにウィノナ・ライダーに似ていると思い、ラストクレジットで真っ先に確認したかったが、重鎮みたいにおしまいに出てきた。う~ん、最早そういう位置なのか~。
鳥肌のぶつぶつから毛が生えて羽になってバサッとメタモルフォーゼを遂げる。この鳥肌は大画面のものだろう。『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の血管に次ぐ(というか同じくらい)映画の技術的進歩を実感した。
BLACK SWAN 監督:ダーレン・アロノフスキー
(2011/05/28 TOHOシネマズ高知1)