残暑お見舞い申し上げます

残暑お見舞いの絵

こんにちは。お盆を過ぎたのに蒸し暑くってかないません(ToT)。皆さまはいかがお過ごしでしょうか。わたくしは、耳を澄ませば耳鳴り、目を凝らせば飛蚊症という馴染みの状況に加え、4月にモノが歪んで見えることに気づき眼科で検査をしたところ視神経に異常がなく病気未満でした。耳鳴りと同じようなものですかね。半年か1年後、若しくは異常がバージョンアップしたときに再度検査に行こうと思っています。

なんか、お見舞いというようり近況報告ですが、以下は虫に噛まれた話と国葬反対と書道の効用についてです。
山の木々もくたびれて、これから桜は紅葉し、虫が鳴き始めますが、まだまだ暑い日が続きます。どうぞ、お身体を大切にお過ごしください。

虫に噛まれた話
先月のとある木曜日、午前1時過ぎ頃足先に鋭い痛みが走り、蚊にしては痛いなあと思いつつそのまま寝ていたら、午前4時過ぎ、左手の親指の元あたりにまた鋭い痛みを感じ、神経系の病気にでもなったのだろうか、困るなあと思って見ると腕に細長い虫がっ!あわてて振り払い、床に落ちたそれをスリッパにしているサンダルでやっつけました。5センチくらいのムカデでした。以降、昼も夜も寝室の窓は閉めっぱなしです。虫除けの薬剤を買いに行くと、パッケージにはムカデの他に蟻、蜘蛛、ゲジ、ダンゴムシなどなど錚々たる虫たちが退治の対象として書かれていました。確かに毎年噛まれて痛がゆい思いをしている蟻はイヤだけど、その他の虫たちには何の恨みもないので買うのをやめました。カマキリ様やトカゲ様が召し上がるモノがなくなってもいけないし、クモ様を退治の対象としているのが解せません。というか、虫は皆殺しになる薬なんだろうなぁ。
ムカデは草ボウボウだったり落ち葉をそのままにしていると居心地がいいのだとか。まさに我が家の庭は居心地がよいのです。屁糞葛もまたあちこちに伸びてきたことだし、冬になったら草刈始めをしようと思います。虫の活動期には勘弁(^_^;。
ちなみに、噛まれたところはムカデが小さかったせいか、3、4時間で痛みも腫れも引きました。蜂や秋篠寺の蟻の方が何日も腫れが引かず重症でした。

国葬反対
安倍元首相は、もちろん誰かにとっては功績があったのでしょうが、私にとっては何一ついいことがありませんでした。日本のマスコミがもう少しまともであったなら、長期政権にもならなかったと思っています。「モリカケサクラ」もイヤなことですが、それより民主主義とはほど遠い政権だったことと差別を助長する人だったことが国葬反対の理由です。第一次政権で学習し、人事を自分の思い通りなる人にしたことが大きく、安保関連法改正で戦争への道筋をつけたことや、私の見た限りですが国会の答弁でも態度でも誠実さを感じるのは難しいことが多く、沖縄では辺野古新基地反対の民意が示されたのに聞く耳を持たず、忖度した職員によって公文書が改ざん、破棄されたり、統計をごまかしたり。相模原の障害者施設での殺人事件の際、「障害者にお金をかけるのはムダ。そのため財政難。」という加害者の言い分に対して一言もなかったのはリーダーとしていかがなものかとも思います。障害者福祉の予算は一般会計の1%ほどで大部分は健常者の給料になっているそうなので言い分は間違っているわけだし、なにより国民の基本的人権を守らなければならない立場なんだから、そういう方向性を示してほしかったです。

書道の効用
字の稽古をしていると血行がよくなることに気がつきました。冬でも足がぽかぽかしてきます。副交感神経が優位になるのではないでしょうか。ヨガは動く瞑想とのことですが、書道もあまり考えず筆に任せて書くことで瞑想状態になっているのかも。暑さでぼーっとしているのに、さらにぼーっとしようと思い、墨をすり始めました。甥のお古は「なんちゃって硯」のため全く墨が降りなくて、書道用品店で安い硯を買ってきてのことです。お店の人が言うには、学校の書道セットは墨液中心なので固形墨も水差しもなしで、セラミック硯になっているとのこと。そうか~、甥たちは墨の匂いを知らないのかもしれないなぁ。
筆を洗うとき、穂の根元をつまむと堅くなっています。これは墨液ならボンド、固形墨なら膠が入っているためです。これをしっかり洗い落とさないと筆が傷むのです。具体的には毛がいっぱい切れたり、穂が割れて平行線で文字が書けるようになったり。それで根元を時々つまんでボンドや膠が落ちているか確認しています。このとき、利き手の指でつまむと根元が柔らかくなっているのに、利き手じゃない方の指でつまむと、まだ堅いのです。おそらく利き手の方がより力があるためでしょうが、左右の手指で感じ方が違うことに人生で初めて気がつきました(^o^)。
あと、書道って芸術なんだそうですが、芸術は自由だということに改めて気づき、趣味の芸術家を続けていけたらいいなあと思っています。皆さんも趣味の芸術家になりませんか?

チタン

パルムドール受賞作という他は予備知識なしで観た。面妖。面白い。稚気があれば好きになれたかもしれないが、そうではないし、面白い以上の感慨はわかず。そのくせ、信号のない交差点でぼーっと停車したまま考えていることに気づき、あわてて発車したり。新手のコメディか、それともホラーかと思いながら見続けて、終わったときにはきわどい線を攻めている作品だと感じた。きわどいとは何のことか考えてみるに、後に残らぬ面白さと後を引く面白さの境目にこの作品があるということのように思う。

アレクシア(アガト・ルセル)に助けを求められたヴァンサン(ヴァンサン・ランドン)が生まれてきた子どもを取り上げ、ラストシーンは聖家族のようだった。私にはラストシーンの続きが見える。アレクシアは、うっすらと髭が生えていたので、その後完全に男になってヴァンサンの本当の息子になるのだろう。ファザコン娘に父ができて、息子を失った父には息子ばかりか孫まで出来た。めでたしめでたし(?)。
愛なくして魅力的だったアレクシアが愛(?)することによって凡庸になり、息子への盲愛とアンチエイジングのため奇っ怪な人物に見えたヴァンサンがアレクシアを救ったことによって凡庸になった。凡庸な聖家族こそ平和の源。アレクシアにぶっ殺された人々よ、安らかに眠れ(?)。ギャスパー・ノエ監督の『カノン』を思い出してしまった。
(2022/08/01 あたご劇場)

エルヴィス

バズ・ラーマン監督らしいキンキラキンで面白かった。作り手のエルヴィス観だろうけれど伝記映画としても面白かったし(黒人居住区で育ったとか、マネージャーに搾取されていたとか初めて知った)、音楽映画としても大変よかった。社会的な背景も自然と描かれていて、ラーマン監督の最高傑作ではなかろうか(?)。
いっしょに観た妹も楽しんだ様子で「休憩するところがなかったね」と言っていた。なるほど、休みどころがないのはラーマン作品の特徴だ。
キング牧師やロバート・ケネディの暗殺事件のところでは、日本で先頃に起こった恨みによる射殺事件のことが頭をよぎり映画の世界から現実に引き戻された。

トム・ハンクスが演じた詐欺大佐を抜きにしてもショービジネスの世界でスーパースタアとして生き残っていくのは並大抵のことではないのだなあと、しみじみ感じさせられた。自然とマイケル・ジャクソンが思い浮かんだり、マドンナはえらいと改めて思ったり。本作のエルヴィス(オースティン・バトラー)はやさしいし、海千山千の世界を渡るには無垢な感じがした。どうしても戦略が必要な世界というか、欲が絡んだ世界であることに自覚的でないと才能だけでは潰されかねない。

本物のエルヴィスが最後に登場した。晩年のせいか目に力がなく身体もむくんだようになっていたが、大変魅力的で、かつ、その歌唱に圧倒されて涙が出そうになった。本当に歌のパワーってすごい。
(2022/07/18 TOHOシネマズ高知2)

トップガン マーヴェリック

こういう映画を観た帰りには、アクセルを踏み込んでマッハ10を出そうとするので私には危険な作品だ。
運転しながら若い頃の友人とウン十年ぶりに集って飲み会をしたときのことを思い出した。一人が「変わらないねぇ」と言うと、他の者も口々に同じことを言った。「三つ子の魂百まで」は、トム・クルーズ演じるピート“マーヴェリック”も同じだった。見てくれは多少老けたけれど、無鉄砲とも思える行動を起こす火の玉魂は36年前の『トップガン』さながらだ。『トップガン』より併映の『プリティ・イン・ピンク』が好きで、ヴァル・キルマーのファンとなったのも『ウィロー』からだから前作はすっかり忘れていたが、“マーヴェリック”の火の玉魂を思い出せるようにしてくれたり、“グース”のことを忘れていても大丈夫なのはありがたかった。

「三つ子の魂百まで」とは言え、年を取ると自らの意思でなくとも立場が変わり、若いときみたいにとんがってばかりはいられない。親ともなれば子を育てるためには信頼して任せる度量が必要になる。心配が先に立つと信頼するにも勇気が必要だ。親にならずとも部下や後輩ができたり、いろいろな人間関係の中で“マーヴェリック”のような葛藤を抱くこともあるだろう。いや、それほどの葛藤はないか。なにせ彼らは命懸けだからして。

それにしても私の脳みそは戦闘機の爆音に耐えられないらしく、その度に耳を塞いでいたにもかかわらず、見終わる頃にはへとへとで頭痛がしてきた。随所に笑えるところがなかったら、最後までよう見なかったかもしれない。やっぱり娯楽映画は笑えないと(^Q^)。
値千金の爽やか笑顔も変わらず、ムキムキの筋肉を維持したり脊椎垂直走りを必ず挿入する熱血健在のトム・クルーズは、きっと百まで頑張り屋さんだと思う。来年、何作目かの「ミッション・インポッシブル」が公開されるとのことで、予告編がめっちゃカッコよかった。うひゃ~、見る見る~!そして、たまには小品にも出演してほっとさせてもらいたい。出演料が高くて難しいかもしれないけれど。
(2022/06/24 TOHOシネマズ高知7)