謹賀新年2022

トラの絵

新型コロナはオミクロンまで変異して普通の風邪っぽくなってきたような気がしますが、我が家には普通の風邪でも重症化しそうな高齢者がおわしますので、帰宅時には玄関で両手をアルコール消毒しています。
湯水が沁みるので虫歯かと思って歯医者に行けば歯周病とのことで一月に1回くらい通っています。左目も角膜炎のあとのぶどう膜炎が再発して10月から薬を差し続け、よくなっても薬を忘れまいゾと気を引き締めているつもりですが、家族に差したか尋ねられて「あっ」ということも1、2回はあったかな。ステロイド薬は急にやめると再発することがあるというのは本当だったと身をもって知りましたので、皆さまもどうぞお気を付けください。

映画の感想をあと2本分書いてからマイベストを選ぶつもりです。感想を書いてから次を観るペースだったのが、12月は観たいのが多くてあれよあれよという間に年を越してしまいました。年越しと言えば、収集日を勘違いしてゴミといっしょの年越しでもありました。書いてないと言えば、奥谷博展とワン・シーチー(王希奇)の「1946」の感想も。

あたご劇場の館主様が亡くなって悲しかったですね。切符売り場にお姿がないのは、まこと寂しいことです。高知新聞が募集している県民が選ぶ映画ベストテンにあたご劇場で上映された『ブータン 山の教室』が第5位に入っていて嬉しい驚きでした。映画人口が減るにともないコアな映画ファンの割合が増えてきた結果かもしれませんが。
ともあれ、年末年始に『空白』かよ(゚Д゚)と驚かされたあたご劇場ですが、観てみたら年末年始でもOK作品やったのでほっとしました。それに、お正月第2弾が『サマー・オブ・85』で第3弾が『アナザーラウンド』です。予告編でマッツ・ミケルセンが踊っている姿に狂喜しました。

『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』をやっと観れてよかったのですが、ケンちゃんの『ナイル殺人事件』はどうなったのでしょうか?なんか忘れられている感じ?『ハウス・オブ・グッチ』はあるし、『クライ・マッチョ』もあるし、マトリックスとスパイダーマンも観る気になってきたし、書道にもはまっているし、健康のため運動もしなけりゃならないのに、なんかせわしない感じがしてきました。こういうときは動く瞑想-ヨガ-で一息入れるとイイかも。自宅でできるプチヨガを先生に教えて頂いて隙間時間にやっています。
そんなこんなで、元気加減がわかって頂けたかと思います。
皆さまも健康で楽しみの多い年でありますように(-人-)。

劇場版 きのう何食べた?

ジ、ジルベール!?
美少年を期待したら、そうでもなかった(^Q^)。中身のことだった。

今年観た映画の中で一番笑ったような気がする。愛する人が死ぬかもしれないと思って死ぬほど心配したり、取り越し苦労とわかってほっとしたり、悲喜こもごもがマンガチックなオーバーアクトもピタリとはまり、笑い9分に泣き1分の楽しさだった。

主軸はシロさん(西島秀俊)の両親(梶芽衣子、田山涼成)が、シロさんのパートナーであるケンジ(内野聖陽)に来てほしくない問題。頭ではわかっていても生理的に症状が出てしまう母親。ケンジにとってもシロさんにとってもかなりキツい状況だ。それでも今のところ、理想に向かってよいステップを踏み出した格好になっていると思う。シロさんは年始はケンジと過ごすことにするし、両親と不仲になるわけではない。ケンジも実家に行ってあげてねと言ってくれる。
登場人物が脇役まで皆、クセはあってもいい人ばかりなので、理想的な世界に思えてきた。
(2021/12/22 TOHOシネマズ高知1)

ラスト・ナイト・イン・ソーホー

久々に健全な娯楽映画を観たような気がする。とてもよかった。ベリーグー(^o^)。
ホラーと聞いていたが、恐いところは少しで、慣れると笑えるくらいなもので私には丁度よかった。
それにしても古今東西、若い女性が搾取され続けている現実にむかついているから、ヒモも客も殺されてめでたい(^o^)。
殺した人には天罰(?)が下るし。主人公は死なない(^o^)。

そして、娯楽映画のなかに「助けを求めてください」というメッセージがあるのが嬉しい。
エロイーズ(トーマシン・マッケンジー)がデザイナーになる希望を胸にロンドンに出てきて、重たい荷物に手こずっているのを手伝おうかと言ってきた青年を警戒して断る。田舎の祖母はエロイーズを心配して「困ったら助けを求めるのよ」と電話で諭す。なかなかSOSを出せない彼女だったが、追い詰められたとき遂に助けを求めて、めでたしめでたし(^o^)。
若い女性には若草プロジェクトっていうのがあるらしいし、若草じゃなくても人生ピンチのときは諦めずに助けを求め続けてほしい。諦めなければ何とかなる。
(2021/12/15 TOHOシネマズ高知4)

あのこは貴族

貴族も平民も女子は生きにくいですなぁ。男子も生きにくいかもしれないけれど、この映画では女子が主役なもので。
華子(門脇麦)は、結婚するまでは特に息苦しくはなさそうだった。結婚してから日々虚しく過ごすうち、家系に縛られていることに気づいたのかもしれない。それで夫と関係のあった美紀(水原希子)の部屋を訪れて、別な生き方があることを知ったということだろうか。
美紀はお金がないゆえの金縛り人生。仕事はあっても女性の賃金は安いので、先行きがやっぱり不安なのだ。

華子と幸一郎(高良健吾)との結婚を機に、幸一郎と別れた美紀。その後、虚ろな結婚生活に終止符を打った華子。
二人とも男性に依存しない道を選んで生きていく結末。イイ時代になったものじゃ。女性に依存しない男性を主人公にした映画ができたら猶よい。

華子の友だちのバイオリン弾きの女性が言っていた「女性同士が敵対するのはおしまいにしたい」というような意味のことは作り手の気持ちだろうと思った。
美紀とその幼なじみが、いっしょに故郷で事業を興すことに決め、自転車の二人乗りをするシーンは、『キッズ・リターン』のラストのようで、「ここで終わりか?終わってもいい」と思ったが主役は貴族であった。自立した華子に幸一郎が目をとめるのがラスト。そりゃあ、まぶしく見えるでしょうとも。でも、よりを戻すことになったらガッカリだ。
(2021/12/03 あたご劇場)