初夏の庭

植物のご臨終
この冬の間に大好きな金魚草の鉢植えが二鉢とも茶色く枯れてしまった。原因不明。
アロマティカスも越冬できなかった。これは寒さ負け。

他にも枯れたと思って鉢から出したら鉢の中に白いものが点々とあって、調べたら白絹病らしい。冬というよりその前から何か変だった。マリーゴールドなどぜんぜん咲いてくれなくて茶色くなって白いものが付いていた。それを放っておいたので他の鉢にも感染したのだろう。
白絹病の土を不用意に庭に捨ててしまって「天地返し」もやってみた。60cmくらい掘って病気の土を埋めると病原菌が死んでしまうらしい。天日に晒して消毒するのも有効らしいが天地返しをやってみた。でも、コンクリートみたいなものに当たって60cmは掘れなくてプチ天地返しになった。

お気に入りの白ダリアは芽が出てこず、カタバミが盛り盛りになっていた。それなら球根を掘り起こそうと鉢をひっくり返してみるとカタバミの根ばかりで球根は発見できず。いつの間にかカタバミに乗っ取られていたのだった。
カタバミは雑草の中でもやっかいだ。どんどん広がるし根が深い。引いてもプチプチ切れてしまうので根負けして放置することになる。それでも鉢を乗っ取られるとは思ってなかった。雑草は小さいうちから取るのが鉄則という園芸師匠の教えは正しい。守ってないけど。

ミツバハマゴウは昨年から元気がなく葉っぱの数も少なく花もあまり咲かなかった。植え替え時だと思い鉢から抜くと根が回っており、土はどこへ行った????という状態だった。窒息していたのだった。植え替え時は去年だった。

昨年、春に色違いの三株を寄せ植えしたディアスキアはよく咲き、2回ほど切り戻して楽しんだ。ところが秋に急に真っ茶色に枯れてしまった。原因はネコのオシッコ。臭いがしたから間違いない。鉢が大きかったので一株は生き残って、また咲いてくれている。

庭に植え替え
書道に嵌まって練習時間を確保しようと鉢を減らすことにした。庭に植え替えたら水遣りの手間が減る。ゼラニウムは我が家の庭には向かないのでプランターに寄せ植えにして、とにかく鉢を減す。3月から少しずつ実行している。
チャイブ、ダイアンサス二鉢、コモンタイム、レモンタイム、千日小坊。タイムは酸性の土が苦手だから数年のうちに徐々に消えていくかもしれない。

しかし、千日小坊の後の鉢に先日買ったペラルゴニウム・オーストラーレを植えてしまった。背の高い鉢なので垂れるようになるというペラルゴニウムにピッタリだと思ったのだ。また、アロエを処分した後の和風の大鉢には、庭に生えていた斑入りの石蕗を掘り起こして植え替えた。庭中に増えすぎた石蕗をなんとか減したいが斑入りは園芸師匠のお気に入りなのでレスキューしておこうと思ったのだ。鉢を減らすのは難しい。

バトル開始
父が塩を二斤買ってこいと言うのでナゼかとたずねたら、ドクダミを退治するとのことだ。そんなことをしたら他の植物まで害を及ぼすので園芸師匠といっしょに大反対した。それに他にちゃんと作戦があるのだ。
前から涼しげで可憐でいいなぁと思っていたガウラが夏にも冬にも強くどんどん広がると知ったのだ。ドクダミの花が咲く前にガウラを植えて闘わせようと早速買ってきた。
小さな株をそのままドクダミの草叢に植えるのはあまりにも不利なので、まずは草引きをした。ドクダミは根が深く、引いてもブチブチ切れる。それでも雨上がりに引くと極たまに根が20cmくらいずるずると抜けることがあり面白い。そういう調子で1時間ほど経った頃、草叢で何かが動いた。警戒しているとムカデ発見。腰抜けは攻撃的である。おまけに武器を手にしていた。熊手で闘ってしまった。ドクダミはまだ三分の一くらいは残っていたが、もうすっかりその気をなくしてさっさとガウラを植えた。上手くいけばガウラは1mくらいに伸びて、一昨年、紫蘇が茂ったときのようにドクダミがナリをひそめるという寸法。

なお、後日「虫といっしょに庭づくり」をひもとくとムカデはヨトウムシやビールが好きなあいつなどの害虫を捕食してくれるとのこと。天敵はヘビ、トカゲ、蜂、鳥など。

ムカデの毒は強烈なのでおそれられているが、ムカデのほうから好き好んで人間を襲ってくることはない。人間がそばにやってきて知らずに踏んだりするために、身を守りたくて人間を噛むのだ。

和洋とりまぜ不統一感いっぱいで、活きの良い雑草と花木の根だらけの庭だけど、蚊取り線香を焚きながらお茶でもしようかという季節になった。

セージ

2025

半日陰のナイトモスは咲かず。しょぼしょぼなので日当たりに移植。新しく買った薄いピンク色のセージも同じところに植えた。(2025年3月)


2024年以前

2021年10月、赤いガーベラの隣に植えたブルーセージ。休みなくよく咲いてくれる。(2022/04/30)
地植えにしたブルーセージはビッシリ白い虫がついて夏には消失。日々草と寄せ植えしていた水色のセージも白い虫がついて元気がなかったが、日々草が終わったとき(10月下旬か11月上旬)にセージだけレスキュー。小さい鉢に植え替えて地際でカットしておいたら芽が出てきた。(2022/12/05)
水色セージも消失。(2023年)
チェリーセージ・ナイトモスを二株、ネットで購入。(2023年春)

カリブラコア

2025

久しぶりに購入して鉢に植え替え。三色混合苗。一色の方がよかったけれど、あまり選択肢がなく、色別に分けて植えようと購入したが、結局、面倒くさくなり、そのまま植えた。(2025/04/22)


2024年以前

2020年から2回冬を越した二株を4月初旬に植え替えた。ペチュニアと同じでナス科だから連作障害を避けるためには毎年の植え替えが必要だ。屋外で越冬するので地上部は本当にしょぼい葉っぱだけなのを3月にはカットして丸坊主にしていた。今、新しい綺麗な葉っぱを茂らせて花もチラホラ咲きはじめた。5号と8号くらいの鉢に植えているが、溢れるように咲いてくれるだろうか?(2022/04/30)
夏、けっこう盛り盛りに咲いてくれた。切り戻した後はペチュニアほどには咲いてくれなかった。(2022/12/05)

没後70年山脇信徳展

副題は「極端から極端へ-印象派を超えて郷土へ」。「絵画も常に極端より極端に推移する」という信徳の言葉から取ったようだ。なかなか面白かった。
構成は、「序/1東京・滋賀 印象派の画家/2満州・欧州 見聞を広める旅/3帰郷 郷土と向き合う画家」となっていた。同時代の郷土画家や信徳と関わりのあった画家の作品も展示されていた。

序で楠永直枝が1枚あったのを見て高校の美術の授業で「楠永直枝と教え子展」を観たことを思い出した。そのときに山脇信徳の作品もあったかもしれない。
裸婦の木炭デッサンは、「信徳と思って手に入れたが、その弟の作品かも(^_^;」という趣旨の解説がついていて面白かった。

日本のモネと言われた頃の「上野ルンペン」「裸婦」などは、タッチや色彩がルノアールの裸体画みたいだと思った。「夕日」などはゴッホっぽい?
「極端から極端へ」とは思わなかったけれど、画風がころころ変わるのは面白い。それでも一貫してザッと描いた感じというか、自由な感じがする。例えば、同時期に欧州留学していた西岡瑞穂の作品がしっかりキチッとしているのとはえらい違いだ。瑞穂が背広にネクタイ姿をビシッと決めているのに、信徳は浴衣の襟元も裾もはだけて平気の平左みたいな感じだ。それがサインにも現れていて、イニシャルだけやローマ字や漢字やハンコ(?)や色々あった。試行錯誤なのかもしれないが、こだわりがなくていいと思う。また、作品から受ける感じが、旅先で志賀直哉を振り回したという楽しいエピソードに違和感がないのも嬉しい。

作品リストは裏面や余白が解説書や略年譜にもなっていてありがたい。
特に山脇をめぐる人々と題された相関図は、一目で「なぜ」を解決してくれた。梅原龍三郎は信徳を春陽会、国画会に誘ったということで、藤田嗣治は東京美術学校西洋科同期ということで、油絵やリトグラフが展示されていたわけだ。

特に好みの作品。
「叡山の雪」(油彩、高知市蔵)、藤田嗣治のリトグラフ「中毒に就いて」、「パリ 夜のまち」(水彩・パステル)、「夜のヴェネツィア」(油彩、個人蔵)、「高知絵-高知城下」(油彩)。「雨の夕」はやっぱりいい。中国の風景画もよかった。

*「絵画の約束論争」
*高知県美術展覧会(県展)発足の功労者

コレクション展 シャガール「我が生涯」


3月に「ポエム」を観たときに意外なことに好みだった。木版画で土くさいからだろうか。紙などでコラージュしているのも面白かった。自分でも不思議でたまらなかった。もういっぺん「ポエム」を観れるかと思ったら既に展示が変わっていた。そして、「我が生涯」を観て安心した。やっぱりシャガールは好みじゃないわ~。と言いつつパリのオペラ座の天井画は好きかもしれない(オペラ座込みで)。

コレクション展 現代版画の楽しみ(前期)


アンリ・マティスの「ジャズ」、いいな~。血行がよくなりそう。常設展にしてほしい。

「ヨーゼフ・ボイスのために」のヨーゼフ・ボイスは、『ある画家の数奇な運命』にも登場したデュッセルドルフ芸術アカデミーでリヒターたちに教えていた教授だろうか?この先生が亡くなったとき世界中の芸術家が追悼の作品集に参加したらしい。うへ、ちょっと気持ち悪いと思ったら、フランチェスコ・クレメンテの作品だったりして面白かった。一番印象に残っているのは、全体が白っぽい画面で左下に一瞬ガードレールに見えた点線の端に人がいて右上に長四角のものがある作品。誰の作品だっただろう。

山本容子の「光の大地」。新聞小説の挿絵とのことでほぼ真四角だ。四角の中に神話などからのモチーフが散りばめられていて、これを新聞で見るとなるとかなり小さくて老眼に堪えそうだ。

アンディ・ウォーホルの「アフリカン・エレファント」。大きい。色鮮やか。これが常設展でもいい。

フランシス・ベーコンの「応誦(レポン)」をうん十年ぶりで見た。リトグラフだったのか。脳内でこってりした油絵に変換されていた。
(2022/04/26 高知県立美術館)