ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト

素晴らしい!セルジオ・レオーネ監督作品でちゃんと観たのは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』だけだが、それに匹敵するくらいの満足感だった。

駅で待つ三人の男のロングコートがカッコイイ。待っている男の顔にハエが止まる。それだけのことに何分間を費やすのか。ちゃんと落ちまである!
登場人物のアップが映える。蝿に止まられた男を始め、アップに耐えうる顔ばかり!ヘンリー・フォンダもジェイソン・ロバーズも名優だったんだー。素晴らしい化けっぷり。そして、絵になるシーンばかり!キャラクターごとのテーマ曲もグッド。エンニオ・モリコーネ(合掌)。決闘、お色気、友情あり。お尋ね者もいるし、復讐劇でもある。汽車も走って西部満載。

夫子を殺された妻ジル(クラウディア・カルディナーレ)の復讐箪かと思いきや、さにあらず。(妻の復讐箪だとタランティーノ作品になってしまう(^Q^)。)大陸横断鉄道が西部へ延伸する際の利権が絡んだ話だった。ラストは、ジルの細腕繁盛記を予感させつつ、こうして西部が拓けていくのだなぁと感慨深かった。
(2020/08/17 あたご劇場)

追悼:大林宣彦監督

4月に亡くなった大林監督は、以前、死者と生者をつなぐ映画(3)に書いたように「『愛される映画』と『愛すべきトホホな映画』をたくさん生み出した」。末期ガンだとわかってからも生きて映画を作り続けた。遺作となった『海辺の映画館-キネマの玉手箱』は当地でも上映予定で楽しみにしている。

大林監督の言葉で印象に残っているのは、二つ。
映画ナタリーのページ「あの日の声を探して」に寄せて大林宣彦が語る、フィクションの持つ力とは(2015年4月19日)より

「そもそも、映画っていうのは記録装置なんだ」と説明。「ただリアルな記録を見せても、それが拒否されれば風化してしまう」と人々が同じ過ちを繰り返しかねないことに警鐘を鳴らし、「フィクションには、“嘘から出たまこと”がある。たとえ絵空事でも、根も葉もあれば花が咲く。事実を超えた真実を伝えるのが劇映画というもの」と続ける。

裁判でも国会の議事録などの公文書でも新聞でも事実の切れ端はわかるかもしれないが、事実の奥にある本質を理解するのは難しい。物事の本質は、むしろ映画や小説などの創作物によってわかることの方が多いと思う。まずは感情でそれを受けとめて、あとで考えてみると本質により近づけるのだと思う。だから、劇映画で現実味の薄い表現があっても一向にかまわない。大林作品にいかにも創作らしい表現が随所にあるのは、そういうわけだったのだ。

もう一つの言葉は、対談で塚本晋也監督に向かって言ったという。
「僕は戦後の監督、あなたは戦前の監督」
大林監督の認識では、今はもう戦前なのか。晩年は戦争に関する映画が続いていた。塚本監督は、先輩監督の警鐘を受けとめて行動している。

『この空の花 長岡花火物語』の感想


追悼上映会のつもりで観てきた。
 ↓

『ÉMOTION=伝説の午後・いつか見たドラキュラ』
面白い!大林監督の好きなものが詰め込まれた宝の箱のようだ。好きなものの四次元コラージュ。なんだか愛しくなってくる。もちろん、女の子もいる。帯を「あ~れ~」とほどかれる(笑)。20分くらいにまとめていたら完璧!

『可愛い悪魔』
面白い!「優しい悪魔」はキャンディーズに、「可愛い悪魔」は女の子が好きな大林監督におまかせだ。秋吉久美子はセリフがところどころ強くなるので、弱々しいばかりのヒロインは不似合いなんだけど可愛いから許す。悪魔っ子の女の子、なかなかやるな。ガラスの花瓶、ズボッ、くるくるくるくるは、思わず笑ってしまった。リアルにやられると気が滅入るので助かった!火曜サスペンスを始めから終わりまで見たのは初めてだった。
(2020/08/15 高知県立美術館 高知県立美術館ホール)

残暑お見舞い申し上げます

アマビエの絵
水道の蛇口をひねるとお湯が出てくる今日この頃、皆様、いかがお過ごしですか?
私は3月末に退職して、動けるうちに両親と県内のあちらこちらを訪ねて面白おかしく暮らそうと思っていたのですが、新型コロナウイルスのおかげで、そうもいかなくなりました。いや~、生きているうちにパンデミックに遭うとは思いもよらなかったです。両親は持病があるので重症化又は死亡候補だと思うのですが、それはインフルエンザでもただの風邪でも同じですよねー。覚悟を決めて行こうやと誘うのですが、父は買い物以外は出たがりません。母とは桂浜とか牧野植物園などに出かけているのですが。

毎日が日曜日なのに、なぜかそれほど暇ではないのが不思議~。と言いつつ、昼間に映画を見れるのがいいですね。昨日はあたご劇場で『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト』を見てきたので、アマビエ様はクラウディア・カルディナーレ風にしました。太ったカルディナーレ様と思っていただければ幸いです(^_^;。
あたご劇場は、予告で『レ・ミゼラブル』をやっていました。スパイク・リー監督なんですね。楽しみです。
DVDも少しは見ておりまして、「早春スケッチブック」の最終回をやっと見ることができました。面白かった!あの普通パパが一家で前衛パパを訪ねるとは思いもよらず、一歩を踏み出すってすごいなーと普通パパに拍手を送りました。

5月の終わり頃から腱鞘炎で6月の終わり頃から漢方薬を飲んでいます。女性ホルモン低下による腱鞘炎だとか。思えば四十肩も更年期だったんだろうな~。
立秋を過ぎると日の暮れが早くなって夕方の雰囲気が変わります。山の緑もくたびれた感じに色あせてくるし、お盆を過ぎると早朝は涼しくなりますね。とは言え、まだまだ暑い日が続きそうです。皆様、どうぞご自愛ください。

真夏の牧野


8月に牧野植物園へ行ったのは初めてかもしれない。久々に写真を撮りまくった。

展示館のシアターでは、また新しいビデオができていて2本とも観賞。緑の髪の美青年が案内役の「マキノ博士の植物教室~1時間目 花と果実~」とドローンが大活躍の「高知自然紀行~“草木の精”を育んだ緑の風景~」を上映中だ。

企画展「植物はうごく」は、とても面白かった。岩谷雪子さんの植物を素材としたインスタレーションもよかったし、動画撮影のH監督のNGカット集も楽しかった。

植物スタンプラリーもやりたかったけど、またの機会に。
暑いので正門から展示館の往復だけだったけれど、お昼もレストランでいただいたので滞在時間5時間弱。
真夏の牧野もよかった。

高知県立牧野植物園
岩谷雪子
花さき山 TOP・・・香北町竹内久宜さんのwebページ。植物の写真、コメント、素晴らしい!カーソルを載せると写真が大きくなるブログ「花さき山」は特におすすめ!