侍タイムスリッパー

『侍タイムスリッパー』の感想を毛筆で書いた画像 残したいもの

面白いし感動した。文句があるとしたら、ちょっと上映時間が長いくらい。
昔ほどには作られることがなくなった時代劇を残したいという思いが伝わってきた。真剣勝負にしびれることがあってはならないと思うがしびれた!(芝居ですから~~。)また、幕末の名もなき侍たちが、私利私欲ではなく後の世を思い戦っていたという、その思いに感動した。暗殺はいっぱい、内戦もあり、嫌な時代だと思っていたけれど、その中の一人の気持ちに気づかされるのもフィクションの良さだ。

映画とは無関係だが、先だって被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の田中煕巳(てるみ)さんが、ノーベル平和賞受賞の記者会見で「若者にどんな未来を残したいですか」と問われて、「自分で考える未来」と答えていた。しびれた~。(名言ですから~~。)
(2024/11/02 TOHOシネマズ高知4)

ぼくのお日さま

『ぼくのお日さま』の感想を毛筆で書いた画像

動く絵本

詩情のある映画に感想文は無用。

ほっこり(^_^)、元気をもらえた。タクヤ(越山敬達)とさくら(中西希亜良)の視点だけで十分。大人(荒川コーチ:池松壮亮)の視点は観客と共通するので、私はなかった方がいいと思う。初恋と古恋の対比かもしれないけれど、この場合、作品の美しさを削ぐ気がする。多少削がれても十分美しいのが驚異。

野球もアイスホッケーもうまくないけれど続けているタクヤが、一度のすっぽかしにもめげず、さくらに声を掛けようとする。パワー、パワー(^o^)。タクヤの友だちの男の子もよかった。
(2024/10/19 TOHOシネマズ高知2)

パリのちいさなオーケストラ

『パリのちいさなオーケストラ』の感想を毛筆で書いた画像

万能薬

音楽は、貧富、家柄、障害の有無、人種、性別などを問わない、いろんな意味でバリアフリーであることが描かれていた。だからこそ人を繋ぐことができるという結びが、ボレロの楽曲とともに気持ちのよい幕切れだった。

アルジェリアからの移民二世で指揮者志望の高校生女子ザイア(ウーヤラ・アマムラ)が主人公。努力と才能もすごいけど、行動力がすごい。彼女ならオーケストラを作れるわ。彼女の家族、温かないい家族だった。ただし、子どものためを思ってフランス語オンリーの家庭にしたのは私も残念だと思う。

ザイアの才能を見いだした著名指揮者チェリビダッケ(ニエル・アレストリュプ)は、マジで芸術家だった。言っていることが訳わからん。同感だったのは、アラビア語も話したらよかったのにとザイアの父に言ってたこと。

ザイアが仲間とともに刑務所を慰問したシーン。仲間の中には、刑務所でお勤め中の父に反感を持っている男子もいる。このシーンは台詞なしだったが、演奏する息子と聴いている父の表情だけで泣けてきた。ハイライト。

あと、日常の生活音などがザイアの耳にかかると音楽に変換されていくのを音と映像で表現しているのが、すごく面白かった。昔、伊東四朗と小松政夫が、会話の中の言葉から繋いで歌うコントがあって、あれなら私もよくやっていたが、音楽の才能がある人はこんなことができるんだと感心した。
(2024/10/13 あたご劇場)

ビートルジュース ビートルジュース

『ビートルジュース ビートルジュース』の感想を毛筆で書いた画像

ティム・バートンの玩具箱

やっぱり、ダニー・エルフマンの音楽はティム・バートン監督の作品で本領発揮だ(^o^)。もう最初からワクワクした。モニカ・ベルッチ♥が出てるの~!とクレジット見て喜んでたら、登場の仕方がむちゃくちゃ面白いし。ウィレム・デフォーも可笑しいけど真面目さがにじみ出ていて笑える。前作では子どもの役だったウィノナ・ライダーは母親役だけど、可憐さが残っていて良し。ギザギザ前髪がまだまだイケている。その娘の役のジェナ・オルテガは、クリスティーナ・リッチを彷彿させる容貌で吉♥。そして、大好きなマイケル・キートンのビートルジュースは出番は少ないものの、キレのある動きは健在。ああああ、字幕版で観たかった。

お話は、だまされてあの世に行った娘を助けるため、二度と会いたくなかったビートルジュースの助けを借りるというもの。リディア(ウィノナ)の夫はアマゾンで行方(死因)不明だったのだが、冥界で娘と三人遭うことができて、カフェコーナーで話しているときに夫の身体のあちらこちらのピラニアがピチピチしているのが可笑しい。リディアの父は飛行機の墜落では無事だったが、破片にしがみついて浮いていたところサメにガブッと。こういうシーンはアニメーションにしてくれて、リアルさがみじんもない作品なので安心して笑っていられた。「デューン 砂の惑星」(もしかして「エイリアン」も?)のパロディや、ホントのお迎えのソウルトレインなどなど、小ネタが満載。あの世があんな感じなら逝くのも悪くないかもね。
(2024/10/09 TOHOシネマズ高知2)