2018年覚書(マイ・ベストテン)

外国映画27本、日本映画6本、かるかん率100%、例年どおり好きを基準に選んでみた。

やっぱり1番好きなのは『パターソン』。本当に芸術家であふれる世界になればいいのに。
『スリー・ビルボード』
は、ちとクセがあるけど、抜群のコメディ。敵対していた二人が仲良く鬼退治に行くという結末もお気に入り。
そして、見終わって元気をもらえた『しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス』
ベストテン級に好きなのは、この3本だ。

あと好きなのは、『パディントン2』『シェイプ・オブ・ウォーター』『リメンバー・ミー』『ピーター・ラビット』『犬ヶ島』『タクシー運転手 約束は海を越えて』。
ベスト・キャラクターは娘と映画を愛し、プロデューサーに頭が上がらず、俳優に気を遣いまくりの日暮監督(濱津隆之)に(『カメラを止めるな!』)。

DVDとかで観たやつ。
『ギフテッド』
『グッバイ・クリストファー・ロビン』ドーナルさん
『ザ・ロード』ヴィゴとコディ君
『スロウ・ウエスト』♥ ファスとコディ君
『怪物はささやく』
『巴里のアメリカ人』♥
『美しい絵の崩壊』ロビン・ライトとナオミ・ワッツ

タクシー運転手 約束は海を越えて

光州事件で命懸けで怪我人を病院に運んだりジャーナリストを案内した名も無きタクシー運転手たちに対する感謝と尊敬の念がものすごく伝わってきた。

クライマックス、ソウルへ向かう下り坂。追う軍隊に逃げるタクシー。ドイツ人ジャーナリスト(トーマス・クレッチマン)を乗せたタクシー運転手(ソン・ガンホ)は絶体絶命と思いきや、わらわらと仲間が!わははは、ありえな~い(^Q^)と思いつつ、その熱き走行に感動の涙(ToT)。ヒーローとは犠牲を払って他者を救う。ソウルのタクシー運転手も光州のタクシー運転手もヒーローや~。そして、このヒーローの市井の人ぶりを丹念に描いていたことにこの映画の意義があるように思う。民主化の歴史に名前はでてこないが、名も無き人を顕彰するというか・・・・。市井の人パワーを描けるのは、市民パワーのある証拠というと大げさかもしれないけれど。

エンタメ作品だけど、光州事件を描こうとしたら、権力者は都合の悪いことは情報統制するし、軍隊(警察)を使って市民を意のままにするし、ジャーナリストは危険を冒してでも隠しごとを暴こうとするってことも描けちゃったので、なかなか豊穣。

いつもながら韓国映画を観ると自然や文化に共通するところがあって、親しみを感じることが多い。この映画でもジャパニーズ・ソウルフードのおにぎりが(コリアン・ソウルフードかどうかはわからないが)落涙ポイントとなっていた。

(2018/09/22 あたご劇場)

くるみ割り人形と秘密の王国

「んごっ」という音で目が覚めた。もしかして私のいびき???周りの方々「ごめん」ごっ(^_^;。
もっとバレエを観たかったよー。みんなが踊ると思っていたから、まだかまだかと思ううち、寝てしまったんだよ~。
でも、ミスティ・コープランドとセルゲイ・ポルーニンを観られてよかった。フクロウが飛ぶオープニングと色んなダンスのエンドロールがよかったな。

レイフ・ファインズ監督のヌレエフを主人公にした『ホワイト・クロウ』を観たいんだけどーーー!
(2018/12/01 TOHOシネマズ高知6)

ボヘミアン・ラプソディ

20世紀フォックスのサーチライトロゴをバックにおなじみのファンファーレが~~~~(笑)。

自分という問題を抱え、仲間を求めて根なし草となった若者が、家族の元に帰るお話。雨の中、メアリー(ルーシー・ボーイントン)に「あなたは愛されている、それで充分じゃないの、本当の家に帰りなさい」と言われるシーン(フレディ(ラミ・マレック)が悟ったシーン)、感動した~(ToT)。クイーンの音楽もフレディの状況にぴったりの歌が配されていて、歌詞が深く沁みてきた。フレディ・マーキュリーの痛々しい流浪ぶりと芸術家気質(「ボヘミアン」という言葉が重層的に生きている)、メアリーやバンドのメンバー、家族などとの関係性、そして、彼の身に引き寄せた歌詞の解釈などなど、あくまでも作り手のフィルターを通したフレディ像だとはわかっているが、本物のフレディも映画の中のフレディのような心境でウェンブリーのライブエイドに臨んでいてくれたらと願わずにいられない。エイズのことをメンバーに知らせてなかったはずとは思うけれど、現実と作品の相違で思い出すのは、いつもジョン・アービングの「ピギー・スニードを救う話」だ。事実ではないかもしれないが、真実はこうあってほしいという物語を作品とする。フレディを救う話は、彼を愛した人を救う話でもあるだろう。

笑えるところも結構あった。テレビ出演のとき、口パク(エア楽器)でと言われ憤慨するメンバーをよそに「楽でイイ」というジョン・ディーコン(ジョセフ・マッゼロ)。なんか「らしい」。さすが普段着のベーシスト(^Q^)。童顔ドラマー、ロジャー(ベン・ハーディ)の女たらし&気短ぶりも(^Q^)。自虐ネタっぽくて英国らしい。ブライアン・メイ(グウィリム・リー)、そっくり(@o@)。私にとってクイーンは、カトゥーン的に楽しめるバンドなので、思いのほか感動させてくれたこの作品がしっかりしたエンタメであることが嬉しかった。
(2018/11/23 TOHOシネマズ高知8)