シェイプ・オブ・ウォーター

シェイプ・オブ・ウォーター
エロティック、バイオレント、ビューティホー!色んなものが隅々まで美しかったが、特に緑色が美しい。水底のヒンヤリとした心地よさが伝わってくる。劇場周辺の落ち着いた臙脂の温もりもいい。イライザの魂の叫びに圧倒されたし、ラストシーンの美しさに涙が出た。孤独を癒してくれるもの、生きる力を与えてくれるものが映画だというのもいいし、劇場のうえに住まいがあるなんて、映画ファンからしたら夢のよう。昔、ティム・バートンが出始めの頃は、彼が「妖怪人間ベム」を見たら何と言うか聴いてみたいと思ったものだったが、ギレルモ・デル・トロにも聴いてみたい。

心が通じ合うというのは何と素敵なことか。一方、さかなクン(ダグ・ジョーンズ)を始め、イライザ(サリー・ホーキンズ)をいたぶるだけではなく、博士(マイケル・スタールバーグ)への拷問ばかりか妻とのセックスにおいても思い遣りのかけらもないストリックランド(マイケル・シャノン)を理解しがたい(『パンズ・ラビリンス』の将軍を思い出す)。どうしてこんな人物になったのか。もっと映画を見ていれば情けも育まれたろうに。

イライザの友だちの絵描き(リチャード・ジェンキンズ)と同僚(オクタビア・スペンサー)も寂しさを抱えた人たちだ。絵描きの視点で語られるおとぎ話は、私たちにも力を与えてくれる。さかなクンとイライザは、遠い水の国で仲良く幸せに暮らしているにちがいない。
(2018/03/03 TOHOシネマズ高知2)

ミュージカル映画ベスト3

映画をジャンル分けするのは、あまり意味のないことかもしれないけれど、『グレイテスト・ショーマン』鑑賞記念に好きな作品を選んでみた。

  • サウンド・オブ・ミュージック
  • ケネス・ブラナーが真似っこするくらいだから~(笑)。名曲づくし。あらゆる困難を乗り越えてすべての山に登れ。見ただけで自然と力が湧いてくる。

  • イースター・パレード
  • アステア作品では、これ!アステアがスローモーションで、背景の人々が通常モーションの場面にトリハダが立った!ジュディ・ガーランドがめっちゃ可愛いし。レストランでウエイターがサラダの説明に「ミックス、トースト」言うのが、ちょー笑えたし。

  • ムーラン・ルージュ
  • ははは!笑うでしょう、これ!ボヘミア~ン(笑)。だけど、体力があるときに見ないと疲れる(笑)。

『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』は、インド映画に分類するもんね~。
『トップ・シークレット』は、コメディNO.1だし~。
クラシックやロックの音楽映画で選んでも面白いかも(^o^)。

グレイテスト・ショーマン

さすがミュージカル。リズミカルにとんとんサクサク話が進んでイイ感じ。
ハートはあるし(貧乏な人、のけ者にされている人、虚ろな人の気持ちが伝わってきた)、音楽もいいし、空中ブランコ乗りの黒人女性(ゼンデイヤ)と名をなした脚本家(ザック・エフロン)である白人男性のデュエットシーンは名シーンだし(エフロン/ジャックマンの居酒屋シーンも楽しかったし)、なかなかよかった。
良妻賢母のチャリティがミッシェル・ウィリアムズだったとは気がつかなかった(^_^;。好感を持てる役を初めて見た気がする。
ヒュー・ジャックマンは、山っ気のあるバーナムを演じてスマート。当たり障りのない、ほどほどの山っ気だった。(若い頃のゲイリー・オールドマンが演じたらどんなになるか(笑)。)
(2018/02/27 TOHOシネマズ高知4)

ビガイルド 欲望の目覚め

この題材をソフィア・コッポラが?と思いながら、好きな監督なので観に行った。で、驚いた~。スクリーン6で上映されていたのだ。このシネコンで2番目に多い座席数だゾ。そんなに集客力があると思ったの?『シェイプ・オブ・ウォーター』は、少ない座席数のスクリーン2で上映されていたし、どういう読みをしているのかサッパリわからん。まあ、それを言いたいために書き始めたようなものだ。

作品の方は思ったとおりで、特にどうということもなく。女のドロドロをやってみたかったのかもしれないが、ソフィア・コッポラにかかるとサラサラになっちゃう。南部のレディーの窮屈さは出てたかな。怖がる人々の恐ろしさも出てた。エドウィナ(キルスティン・ダンスト)を見ていると、淑女がスパークするのをやりたかったのかな。北軍兵士マクバニー(コリン・ファレル)は、バカみたいに単純だった。絵画のような絵作りはよかった。
(2018/02/27 TOHOシネマズ高知6)