「欲望」

映画を見れなかったので、Sさんから原作を借りました。
おもしろくてあっという間に読み終わりました。
書き出しからして、この作家の文章が気に入りました。簡潔で抑制が効いていて、登場人物本人が書いた文章であるというリアリティもあり、感心しました。
だけど、すごく面白かったにも関わらず、あまり感慨はなかったです。それは、多分、三島的要素(主に結末)が、私の生活にリンクするところが全くないせいだと思います。
もし、完全に三島由紀夫のような小説であったとしたら、その虚構の世界にのめりこめたかもしれませんが、三島のようで三島でない、この小説の理知的な部分が、わたくしに冷静に読み終わらせたという気がします。
う~ん、狂えなくってすみません。
あ、いかん。大事なことを書き忘れていました。
精神と肉体が別々のものを求める、で、精神が求めるものが勝るという感覚、そこを書いてくれてありがとうって感じ。特に女性を主人公に、それを書いてくれてよかったです。

週刊光源氏総集編

という雑誌を購入。
これいいわ〜〜(笑)。
光源氏が亡くなるまでの物語は、これでバッチリわかります。
広告なんかもあって、「今年の夏は、白い扇であなたもステキな恋を見つけませんか 扇屋 夕顔堂」とか「慎み深い本場の味 入道印のタコヤキ 明石タコ」とか、笑える〜。
まじめに書かれた本で、初版が1998年。
「あなたはどのタイプ?源氏物語版性格チャート」でイエス、ノーをたどって行ったら、私は末摘花になりましたー!ひえ〜、このチャート、あなどれんかも(笑)。

市川新之助の写真集

友達から借りた写真集をじっくりと見ることができました。
新之助の目力は相当なものです。怖いくらい目に力があります。この写真集には、普段 の姿と役に入った姿がありますが、私は武蔵や光源氏の扮装をしている姿が好きです。 とてもきれいで、色気があって大変によろしいです。
新之助の芝居は、昨年12月に歌舞伎座で見ることができました。歌舞伎座初体験なら 一幕見席も初体験。ご贔屓(?)が、「成田屋!」と声を掛けるのもおもしろかったで す、というのはどうでもよくて、新之助は「狐狸狐狸噺」で間男する生臭坊主を演じて おりました。
この生臭坊主は、初めはその正体を隠して愁傷な態度なのですが、間男しに入るとガラ ッと態度が変わるのです。これがうまかったなあ。声がとてもよいので、ああいう愁傷 な態度で光の君などの二枚目を演じたらピッタリだと思いました。コメディ演技は、ま だ精進の余地があると思いますが、二枚目は完璧かもなあ。今年、海老蔵を襲名するそうですし、先々が楽しみな俳優ですね 。
成田屋公式ホームページ