クレアモントホテル

青年が老人から人生を学ぶという話としても、老いたる者の心境を描いた話としても、なんだか弱い感じがして心を動かされるほどのものはなかったけれど、恋する老婦人の話として観るとかなり面白いと思う。
雨の中、転んでショックでなかなか立ち上がれないところ、さっそうと現れた王子様(というには私好みでないのが残念だけど)に助けられ、彼の部屋で一休み。見た目も結構いいし、繊細な心遣いが伝わってくるし、なかなか会いに来てくれない孫のデズモンドなんかよりずっといい(『東京物語』)。同じ年頃のおじいさんから求婚されても、やんわりと断るしかないけれど、彼とのデートなら心うきうき(でも、体力が~)。彼にお似合いの恋人ができて、なかなか会えなくなってフラストレーションがたまった様子に、「おお、ジェラシーか?」と観ている方は盛り上がる。
なんか、ちゃかして申し訳ない(^_^;。
でも、ミセス・パルフリー(ジョーン・プロウライト)とルードヴィック・メイヤー(ルパート・フレンド)を観ていると、年齢に関係なく「気が合う」というのは本当に得がたいよい関係だと思う。
ミセス・パルフリーが病床で、暗唱していた詩を思い出せないと哀しんだとき、ルードが出だしを暗唱して、ミセス・パルフリーがそれに続き、ふたりいっしょに暗唱するシーンが心に残る。ワーズワースとブレイクを知っていたら、もっと心に染みたかもしれない。
MRS PALFREY AT THE CLAREMONT 監督:ダン・アイアランド
(こうちコミュニティシネマ 2011/04/21 高知県立美術館ホール)

「クレアモントホテル」への2件のフィードバック

  1. これ、ルパート・フレンドでなければ見たんだけどな~。
    長髪だとどうも草薙剛にしか見えなくて・・・。

  2. ルパート・フレンドはノーマークでした~。
    草薙剛に似ているとは思わなかったけど、オーランド・ブルームとの見分け方を教えてほしいですぅ。
    むかしは、トム・クルーズとチャーリー・シーンがごっちゃになってたんですよ(^_^;。

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