感動した。
芸をきわめるうえでも、人間を磨くうえでも大切な金言がたくさんあったと思う。でも、どんなこと言ってたか・・・・忘れた;;;。
小三治はCDで二つくらい噺を聴いたことがあるだけの人でよく知らなかったが、このドキュメンタリーでわかったことがたくさんあった。噺のゆったりとした間に感心。ある程度自信がないと、あんなに間は取れない。(この映画の間も素晴らしい。)芸にも感心。聴かせるねぇ!魅せるねぇ!鰍沢などチャレンジする姿にも感心。いやはや感心しきりであった。
歌唱トレーニングで普段弟子に言っていることをコーチから言われているとぼやくのが可笑しかった。なんて言われてたっけ(^_^;、忘れたけど、何でも道を究めようとするときに大切なことは大体同じなんだな。
兄弟弟子とステージ上で対談風に話したとき、小三治はその兄弟弟子の存在に救われていることを笑いを取りながら婉曲的に話していた。裏を返せば、どれだけ厳しくしんどい思いをしているかの表れでもあったわけだが、兄弟弟子はそれをわかっていて、「アイロニーだね。悲哀があるね。」と言っていた。これには思わず落涙。ちゃらんぽらんに見える兄弟弟子だったが、わかっていてくれたんだー。
えーと、なんだっけ。小三治が50歳を過ぎてわかったと言っていたことは。そんなこと、とおから私はわかっていたよということだったんだけど、これは私の驕りだと思った。おそらく頭でわかることと、本当に身をもってわかることは違うのだと思う。だから噺家は50からが勝負だね。(噺家に限らず50過ぎてからの人相は怖いな~。)
噺家は厳しく怖いと思うわけ。
映画の中で志の輔が、尊敬できる噺家は皆落語と格闘していると言っていたけれど、それは本当だと思う。だからね~、そういう噺家は目つきが鋭いんだなぁ。それで、この鋭さが取れてくると名人なんだなぁ。
なにも人となりが芸に出るのは落語だけじゃないけれど、目つきが鋭いのは噺家に多いから厳しい芸だと思う。
行き当たりばったりに書いていると長くなった(^_^;。
大方忘れた小三治の台詞だけど、一つ覚えているのは弟子の真打ち昇進時の口上で「先が楽しみだ」と言ったこと。楽しみというのは、どんな素晴らしい噺家になっていくのかということだけでなく、こんなことしてたら、こんなになっちゃったというのも、また楽しみというものだ、とまあ、そんなことを言っていた。成功しても失敗しても弟子は弟子。成功しても失敗しても善しという師匠、あっぱれ。見守ってくれる師匠がいるというのは、たとえ文字どおり見守るだけであったとしても、ありがたいことだと思う。
監督:康宇政
(2011/05/27 喫茶メフィストフェレス)
私は(そんなつもりは毛頭無かったんですが)小三治師匠本人しか見てなかったのかも(笑)。
お茶屋さんの感想で、いろんなことを思い出しました。兄弟弟子の噺家さんとのやりとり、弟子の三三の真打ち昇進の時のこと・・・印象的な場面がいっぱいありましたね。
お茶屋さんは「落語」の側から観ておられるから、「人間」にばかり目の行く?私の記憶からはすっぽ抜けてしまう部分を沢山思い出させていただきました。どうもありがとう!デス。
>お茶屋さんの感想で、いろんなことを思い出しました。
わお!それは嬉しい(^_^)。
私もムーマさんの感想で小三治語録を確認できてありがたかったし。補えあえて、めでたしめでたし。