まだらの紐

ドイル卿の自選短編ベストワンに輝く「まだらの紐」。読者の評価もかなり高い。私もとても面白いと思っている。ヘレン・ストーナー嬢が事件の依頼をして帰った後、その義父のロイロット博士が乗り込んできて「係わると、こうだぞ」とばかりに火掻き棒を素手で曲げて行ったのを、ホームズが反対に曲げてもどすのも可笑しい(笑)。ただし、事件そのものは薄気味悪くて苦手なのだ。紐の正体も正体だし(^_^;。

ホームズのセリフ「紐だ!まだらの紐だ!」の最初の「紐」に「バンド」とふりがなが振られているのがありがたい。バンドには紐と群(どちらの意味も日本語として使われている)という意味があることから、ストーナー嬢とロイロット博士が暮らす屋敷の庭先にジプシーがたむろしているという描写は、ホームズと読者を(ジプシーの一群が怪しいと)ミスリードする作用があったと推測できる。

それにしても娘が結婚するとその財産を使えなくなるので、結婚阻止のために殺すとは酷いものだ。
「花婿失踪事件」では、義父が変装し、娘と婚約して他の者と結婚させないよう仕組んでいた。「ぶな屋敷」では実の娘に財産があり、娘に恋人ができると監禁し、娘のそっくりさんを雇い恋人を追い払わせていた。

「まだらの紐」への2件のフィードバック

  1. 「まだらの紐」はこどもの頃は、なんでこんなネタバレのタイトルなんやろ(おまけに気持ち悪い)・・・なんて思ってました。
    でも「バンド」だったんですね。なるほど、それならむしろ目くらまし?効果もあったんだ・・・と感心しました。

    それにしても、他の話もそんなに「世の中、金、金、カネ」なんですかあ。イギリスってオソロシク現実的なトコやなあ・・・って、ちょっぴり思ったり?して(笑)。

  2. ホームズものでも、やっぱり金目当ての事件は、多い感じがしますね。ちょっと、動機一覧表でも作ってみようかな(笑)。

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