アンコール!!

妻マリオン(ヴァネッサ・レッドグレープ)のために歌うことが、アーサー(テレンス・スタンプ)自身のためになるというお話で、息子ジェイムズ(クリストファー・エクルストン)との関係も改善されてめでたしめでたし。長年の夫婦の濃密だけれど疲れない(二人だけに相通じる)関係性や、合唱指導のエリザベス(ジェマ・アータートン)と年金ズの思い遣りはあるがプライベートに踏み込み過ぎないという適度な距離感が、この作品を滋味豊かにしていたと思う。

実質テレンス・スタンプが主演で、マリオンがアーサーに向けて歌った歌を聴く表情が、喜びと悲しみが入り交じって、もう何とも言えずよかった。アーサーが返歌として歌うその姿も、やはり歌は心だと思えるものだった。
おまけにテレンス・スタンプの若い頃の姿も拝める仕掛けがあって~(^o^)。

合唱の方は、高齢者とハードロックの取り合わせに観客へのご機嫌とりのようなものを感じないではなかったけれど、かしこまったモノばかりが音楽ではないということも作り手の言いたいことの一つのように思えたし、なかなか楽しかった。また、マリオンとアーサー夫婦の暮らす住み心地のよさそうな小さな家が魅力的だった。

SONG FOR MARION
監督:ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
(2013/09/28 TOHOシネマズ高知2)

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