スパイの妻

フィクションなんだけれど史実をブレンドして上手く時代背景を作っていると思う。
見所は、優作(高橋一生)、カッコイイー!聡子(蒼井優)、いろっぽい可愛いー!啖呵も可愛いのじゃ(^_^)。夫を愛するあまり他の者を犠牲にすることをいとわないのでゾッとしたけど。二人の住まい(神戸らしく洋館)や洋服も見所。昭和初期らしい町の雰囲気など丁寧な作り込み。

残念なのは話や細部の詰めが甘いこと。機密文書を妻の目の前で金庫にしまう?深読みさせられた。また、空襲シーンから浜辺への場面展開はちょっと拍子抜け。
お互い愛しあっており、相手の命を救うため騙し合うという展開を詰めた方が、娯楽映画としてスッキリしたと思う。皆が狂っていると正常な者が狂っていることになると厭戦的なセリフを聡子に言わせることによって、娯楽の比重を軽くした感じ。
『ムーラン・ルージュ』を観たときはボヘミア~ンっていいなぁと思ったものだったが、『スパイの妻』ではコスモポリタ~ンもカッコいいなと思った。
(2020/10/21 TOHOシネマズ高知3)

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