素晴らしい。
よみがえる失恋の痛み、劇場閉館にともなう賑やかだった時代と青春への惜別。それらがフィルムっぽい柔らかな映像で描かれる。レディオヘッドの音楽と驚くほどマッチしているのもイイ。ユーモアもあるし、『タクシードライバー』でニューヨークの町を背景に歩くトラビスのように、広島の町を歩く社長さん(加藤雅也)のショットもグー。詩か上質の文学作品のような美しさがある。ストリップもちゃんと見せてくれたし、作り手の広島第一劇場への愛も充分伝わってきた。
(追記)
世慣れた社長さんにも若い頃(犬飼貴丈)のような柔らかい心が残っている。いつまで残るのかなぁ。残っていると当人はしんどいけど魅力的だと思う。年齢の問題ではなく人それぞれ違うのだろうなぁ。
「踊子」より「ストリップダンサー」又は単に「ダンサー」の方がピタッとくるパフォーマンス。踊子=舞妓、ダンサー=芸子みたいなニュアンスかなぁ。
(2021/01/29 あたご劇場)