カンヌ国際映画祭でクィア・パルム賞を受賞したことで核心のネタは割れていたけれど、同映画祭のコンペ部門で脚本賞も受賞した作品でもあって、物語にぐいぐいと引き込まれた。
学校でのいじめと先生による体罰、あるいは一部の未熟な先生の問題や学校組織としての対応のまずさなどを織り込んだ「今」の映画だ。また、母親:麦野早織(安藤さくら)、担任教師:保利(永山瑛太)、子ども:湊(黒川想矢)の各視点で順番に描いていくことによって真相が明らかになるという手法は昔からあるもので、一方向からの限られた情報では判断を誤るとわかっていても(それを忘れて)「思い込み」で動くのが人だと改めて思わされた。
我が子を心配して来校した麦野早織に対する対応で、もう~、教師失格じゃないのと思われた校長先生(田中裕子)だったが、彼女が湊に教えたことは、つらい時を乗り越えるのにものすごく大事なことで、人生の先輩としてありがたい人物だった。それなら教師も上等だと思い直した。そして、この二人の遠吠えが、崖っぷちの保利元担任に届いて身投げを踏みとどまるのは、やはりこれがいかに大事かということだと思う。(オーケストラで一番好きな楽器はホルン♥なのだが、あのやさしく温もりのある音色が遠吠えになることにも驚きだった。演奏は滅茶苦茶むずかしいそうだ。)
あと、好きな場面は、一足のスニーカーを片足ずつ履いて二人がケンケンして行くところ。麦野母が片方だけのスニーカーを見つけていじめを想起したものを、鮮やかに「なかよし」に変換してくれた。素晴らしい。星川くん(柊木陽太)、ほんまいい子だった(^_^)。
(2023/06/05 TOHOシネマズ高知6)
お茶屋さんの記事を読んで、先日観てきたんですが
その後、我ながらちょっと精神的にオカシイ?自分(^^;
物語はけっこう込み入ってるのに
語り方がなめらかで
きれいな水を飲むように
スムーズにのどを通るんですが…
扱われてる問題が多岐にわたるのと
解決?がムズカシイものが多いのとで
アタマがパンク状態だったのかなあ。
(あの校長さんや、虐待されてた少年の造形
その内面を考え出すと、なんだボー然としちゃって)
ここ2日ほど「わかりやすい」モノばかり
見たり聞いたりして、アタマを慰めておりました。
(たまたま見かけた「古畑任三郎」や、ジュリーの昔のライヴ)
ちょっとでも感想書きたいんですが
いつになるやら…デス(^^;
ジュリーのライブ!いいですね。
しんどい(?)作品からしばし距離を取るには最強のような気がします。
私は楽観的に見ていたので、上の感想になりましたが、校長先生は作り物のキャラクターやな~と思ってるんですよ。誰にも言えないことは、楽器に吹き込むって言わせるため、無理して作った感があるのです。
それと、この映画でいちばん可哀想なあの男の子を一人ぼっちにさせなかったのが希望です。坂本龍一さんの音楽もよかったですね(^ー^)。
「作り物」と思うと謎が解けるエピソードが
多すぎる映画だった気がしてきました。
(校長先生やその夫さんだけじゃなくて)
わからないコト(経緯・事情)が多いのを
好意的に受け止めるには限度があるというか(^^;
わたしはこどもが主人公の映画に弱くて
本気でその子の行末を心配してしまうもんで
あれこれ考え過ぎてアタマがフリーズしちゃうのかも。
(昔『カナリア』だったかでも、少年と少女のことを
本気で考えこんで、お茶屋さんにネット上で
喧嘩売ったことがあったと思う(^^;)
ミステリーとしてもっと気楽に観ればよかった。
(是枝監督作品だと考え過ぎちゃう?)
ただ、この脚本家さんの作品は
自分とはあまり相性良くないかも…とも感じました。
個人的には、坂本龍一さんの音楽に
ずいぶん助けられて観た気がしてます。
>(昔『カナリア』だったかでも、少年と少女のことを
>本気で考えこんで、お茶屋さんにネット上で
>喧嘩売ったことがあったと思う(^^;)
えーっ!ホンマデッカ!?
まったく記憶になくて申し訳ありませんm(_’_)m。
子どもが主人公の作品は、ムーマさんのウイークポイントなんですね。
ちょっとだけ理解できるかもしれないのは、とある映画を思いだしたからなんですが、確かに凹みますねぇ。私は怒りも感じましたが。そのとある映画。
気楽に見られる作品ではないような気もしますが、私には子どもたちには明るい未来が見えちゃったんですよね(^_^;。校長先生は全然明るくないですが。
お茶屋さんは覚えておられなくて当然の話を
わざわざ書いちゃってごめんなさい。
(あのときは、私が一方的に怒り出したのに
お茶屋さんは謝って下さったんですよ。
今回また謝らせちゃって、本当にすみませんデス)
ところで「とある映画」のタイトル訊いてもいいですか。
(『怪物』の作り手に対して、わたしは怒りを感じてる
ところもあるので、ちょっと訊いてみたい…と)
とある映画のタイトルは、正確じゃないと思いますが『縞々パジャマの少年』です。(『ヒューゴと不思議な機械人形』だったかな、エイサ・バターフィールド君が好きになって追っかけしてました。)
結末について色々考えましたが、鑑賞者が子どもであれば大人とはまた違った受けとめ方になるのかなぁとは思いつつ、腹立った~。
ところで、お口直しの情報ですが、ケネス・ブラナー版のポアロ第三作が秋に公開されるようです(^o^)。原作は一作も読んでいませんが、ケンちゃんのポアロは人間味があって好きです~。
『縞模様のパジャマの少年』あれはショックでした。
見たのはだいぶ前ですが、唖然として、猛烈に腹が立って
あまりに後味が悪くてしばらく凹んでました。
ケンちゃんのポアロ情報嬉しい~♪
わたしも原作読んでませんが、他の俳優さん(ドラマで)より
ケンちゃんのポアロが好き。楽しみです(^^)
あれは凹みますよね~。
ケンちゃんポアロは、今度はベネチアだそうです。それも楽しみですね(^ー^)。