原作を1作も読んだことはないけれど、ケネス・ブラナー監督・主演のポアロ・シリーズ第三作目も楽しみにしていた。やっぱり面白かった(^_^)。今回はベネチアの館でハローウィンの一夜の話。元オペラ歌手の夫人が、亡くした娘の降霊会を開く。旧知の作家とトリックを見破るべく乗り込んだポアロだったが、見えるはずのないものを見てしまう。というわけで、「わー、ビックリしたぁ。」と声に出してしまった(^_^;。でも、これくらいのホラー風味は楽しいうち。それより、登場人物たちが戦争(第二次世界大戦)で傷をおっていることが、前作のポアロ自身の戦争の傷と響き合って心に残る。
また、大方屋敷内の話なのに舞台となったベネチアもうまく生かされていると思う。先に見た『ミッション・インポッシブル:デッドレコニングPartOne』でもベネチアは夜の迷路として使われていたし、ベネチア映画ベスト・スリーを選んでみたくなった。(でも、『リトル・ロマンス』を見てからでないと、いけないような気がする。)
それにしても私の頭はミステリー向きでない。帰り道、運転しながら、夜が明けて三つの死体が舟で運ばれていく場面を思い浮かべ、一人はあの人で、もう一人はその人で、あれれ???三人も殺されたっけ?もう一人は誰だ!?と思い出せず、もしかして、ケンちゃん(監督)、死体の数を間違ったのでは!?いやいや、それはないだろうから、観客に亡霊を見せて混乱させようとしているのかしらん?などと頭をひねり続け、「あー!そうか!」と思い出したときは家路の半分を過ぎていた;;;;。
(2023/09/21 TOHOシネマズ高知4)
面白かったけど、「オリエント急行殺人事件」のハリウッドタッチとは随分違った映画でしたね。映像テクニックも多彩で、実験映画か?と思いました。ケネス・ブラナーは、作品ごとに作風を変えられる、引き出しの多い人ですね。
ベネチアでオカルトで殺人ということで、ニコラス・ローグの「赤い影」を意識したのかな。(ベネチア映画ベスト・スリー候補?) 世界観が似ていたような。
ポアロは亡霊の存在を疑っていたけど、ケネス・ブラナーは亡霊を信じないことには、シェイクスピア劇は演じられませんね。
そうですね。「ナイル殺人事件」とも違って、こじまりして前二作と比べるとお金が掛かってなさそうでしたね。お金の掛かったハリウッドタッチとは違うかもしれませんが、エンタメに徹していつものケンちゃんって感じで、私は安心して楽しめました。
引き出しの多さは、やっぱりいろんな映画が好きなんでしょうね。私は「赤い影」よりは邪気がなくて、明るい感じがしました。「シャイニング」みたいな茶目っ気や、「ハムナプトラ」みたいな作り物っぽさ?
>亡霊を信じないことには、シェイクスピア劇は演じられませんね。
ははは、そうですね。
ベネチア・ベストスリーは、もちろん「赤い影」「旅情」が入って、あと一枠しかないのが実情で〜す。
昨日やっと観てきました。
わたしでも安心して?観ていられるホラーで、ケネス・ブラナー(ケンちゃんと呼びたくなります(^^;)の映画作りのフレンドリーさ?は、前2作と変わらない気がしました。
ただ、「ナイル」もそうでしたが「戦争の傷跡」の痛々しさ。
(今回は「こどもたち」のことでもあるので、余計に辛かったかも)
オカルト絡みにしたのは、むしろエンタメにするためなのかな…なんてちょっと思いました。
それにしても、ラストにずっと写されるベネチアの遠景映像が、本当に美しい。
暗闇ではオカルトと殺人が似合う、でも陽の光の中ではこんなにきれいな街。
温暖化の波に曝されてると聞くので、きれいに見える間にこうして見られてよかったな~と思いました。
(『赤い影」も一度観てみたい。あ、『リトル・ロマンス』も)
ラストの遠景、素晴らしかったです〜!
一晩、館に籠もりっきりだったので、ポアロが屋上で食事をしたり、依頼人の対応するのが、開放感〜でした。
ムーマさんも戦争の傷痕を感じちゃいましたか。原作はどうなんでしょうね?「ナイル」のコールマンひげのエピソードは創作らしいですが。ケンちゃんも世相に関して言いたいことがあったのかもしれませんね。
「赤い影」は、私の一番ぞっとした映画です。夫婦の話なので、今見たらどう思うかなぁ。ワケノわからん作品なので、期待値低めでご覧くださいね。