夏目アラタの結婚

『夏目アラタの結婚』の感想を毛筆で書いた画像

俳優万歳

殺人の罪により一審で死刑判決を受けた品川真珠(黒島結菜)。被害者の息子が訪れた児童相談所の職員夏目アラタ(柳楽優弥)は、その少年の父の頭部をどこに隠したか聴き出すため、真珠との面会を重ねる。表情や言葉とは裏腹の駆け引きが続く心理サスペンスを楽しんでいたら、いつの間にか純愛ドラマとなっており見事に幕引き。
省略が利いてテンポがよい場面展開と主演俳優二人の魅力により、あっという間の2時間で、あとで振り返ると「???なんか辻褄が」と、わからないところがポツポツあるのに、観ている間はまったく気に掛からないパワーで押し切る作品だった。また、オープニングの俯瞰で撮影した様々なバッテン印が伏線になっており、クロージングのバッテン印で回収されるという痛快さも映画ファンの心をくすぐる。
柳楽くんは、元ヤンキーの公務員で、未だに所長に心配されている(少年ぽさが残る)アラタにぴったり。柳楽くん自身が温もりのある人のような気がするが、それも包容力のあるアラタになっていてよかった。
黒島さんは、真珠の善にも悪にもとれる危うい感じが、めちゃうま。終わってみれば、真珠は純粋な人というのにも納得感があり、純粋な人の危うさも感じられて今後も大丈夫かなと心配になるが、アラタとなら大丈夫だろう。めでたしめでたし。
(2024/09/14 TOHOシネマズ高知1)

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