殺人の罪により一審で死刑判決を受けた品川真珠(黒島結菜)。被害者の息子が訪れた児童相談所の職員夏目アラタ(柳楽優弥)は、その少年の父の頭部をどこに隠したか聴き出すため、真珠との面会を重ねる。表情や言葉とは裏腹の駆け引きが続く心理サスペンスを楽しんでいたら、いつの間にか純愛ドラマとなっており見事に幕引き。
省略が利いてテンポがよい場面展開と主演俳優二人の魅力により、あっという間の2時間で、あとで振り返ると「???なんか辻褄が」と、わからないところがポツポツあるのに、観ている間はまったく気に掛からないパワーで押し切る作品だった。また、オープニングの俯瞰で撮影した様々なバッテン印が伏線になっており、クロージングのバッテン印で回収されるという痛快さも映画ファンの心をくすぐる。
柳楽くんは、元ヤンキーの公務員で、未だに所長に心配されている(少年ぽさが残る)アラタにぴったり。柳楽くん自身が温もりのある人のような気がするが、それも包容力のあるアラタになっていてよかった。
黒島さんは、真珠の善にも悪にもとれる危うい感じが、めちゃうま。終わってみれば、真珠は純粋な人というのにも納得感があり、純粋な人の危うさも感じられて今後も大丈夫かなと心配になるが、アラタとなら大丈夫だろう。めでたしめでたし。
(2024/09/14 TOHOシネマズ高知1)
ボツボツあったという「???なんか辻褄が」の部分は、どこだったの?
う~ん、病院で姉真珠の実父と遭ったとき、父は妹真珠を姉真珠と思っていて妹真珠の存在を知らなかったんではなかったかしら(母は妹真珠の存在を隠していたので)、それなのに真珠姉妹の存在を知っているのは父だけなので殺したみたいなことを言ってたんじゃなかったかしらとか、アラタは真珠はずっと本当のことを言っていたんだと言ったような気がしたけど、父が殺して自分が遺体の一部を隠したと真珠が言ったのはウソだったんじゃとか、観た直後に妹と話したときは、他にもわからないところがいくつかありましたが、忘れてしまいました。
なるほど。でも、妹真珠は母親が姉真珠を亡くしてから欲した存在なのだから、少なくとも十月十日後にならないと生まれない(実際は二歳近く離れてたんよね)わけだから、父親がそれを分からなかったりするのかね? その間だけ不在にしてたということもなかろうし。
アラタの弁は、そのときアラタがそう思って言っていたということであって、それが客観的事実ということにもならない気がするけど、どのタイミングで言ってたかなぁ。それ、言ってた覚えは確かにあるけど、どこだっけか覚束ない(たは)。
真珠の弁だけで言えば、殺した(殺人を否定しない)⇒殺してない⇒殺した、と変転するわけやけど、このあたりは、僕は「殺した殺してない」よりも真珠の胸の内にあった「死にたい(絶望)⇒死にたくない(希望)⇒死にたくはないけど(改心)」のほうに意味があるように感じてたなぁ。
真珠姉妹の母はシングルマザーだと思っていました。父親は姉真珠は認知していたけれど、妹真珠のことは知らなかったんではと。あと、妹真珠が姉のことを知ったのは母が亡くなってからその遺品からだと思うのですが、いつどうして知ったのかよくわからないところでした。
後段の件はそうかもね(^_^)。どんなことを言った言わなかったとかあまり意味ないかもしれませんね。