
事件や事故と隣り合わせの、ドラマとコメディが入り交じった日常を客観的に描いて、映画的美しさを兼ね備えている。私たちの日常は初めてのこと尽くしであり、誕生、結婚、病気、死別、不可思議などの事柄はもちろん、たとえ習慣化された平凡な日であっても昨日とは違う。一日一日は発見に満ちた愛おしいものだ。喜怒哀楽やその他の感情の渦中にいると気づかないそんなことを遠景、俯瞰、夜間のガラスの映りこみ、ヤンヤンの撮った後ろ頭の写真、印象的な台詞などで気づかせてくれる。映画を作るという仕事は、生きているってことの意味を観客の一人一人に届けることなんだという心意気にも感動した。
スケール感といい、印象的なカットやシーンがたくさんあって、映画史に残る(残したい)素晴らしい作品だと思うが、二十数年ぶりに再見して覚えていたのはヤンヤンの撮った後ろ頭の写真だけだった(^_^;。人生のカンフル剤として十年ごとくらいに観たいものだ。
(2026/02/23 キネマM)