モーツァルトを聴かせると作物がよく育つとか、やさしく話し掛けつづけているとサボテンもトゲがなくなるとか、普段そういう話は面白く聴いているが、この映画でリンゴの木が1本だけ枯れた理由を言うときは、「この木だけ話し掛けられなかったからかも」(推測)くらいにしておいてほしかった。断定されると私は引いてしまう。その点を除けば、下草が不十分なところも、ラストをやたらと引っ張るのも無問題。何かをやり通す話としても家族の話としても面白く楽しく、ちょっぴり感動した。
特筆すべきは、戦地ラバウルの土を持ち帰った木村征治翁(山﨑努)だ。戦争体験者が少なくなる一方なので、戦争の話を聴く機会はこのように映画でってことになって行くのかなぁ。美栄子(菅野美穂)の父、木村翁は仲間が餓死していく地獄を見た人だ。死地をくぐり抜けた人の不言実行と覚悟の程には襟を正したくなった。娘婿の秋則(阿部サダヲ)は私の息子だ、無収入になった責任は無農薬栽培を許可した自分にあると言って、秋則の両親(伊武雅刀、原田美枝子)が息子の不明を詫びて持参したお金の受け取りを断るのもカッコイイ。畑に佇む姿も、孫とのやりとりも、寡黙な中にカッコよさがあった。
監督:中村義洋
(2013/06/09 TOHOシネマズ高知6)
この映画は観てないんですが、以前自主上映で『いのちの林檎』っていうドキュメンタリーを観ました。
その中に、「無農薬リンゴを作っている木村秋則さん」も出演してるんですが、映画の冒頭でその方が、りんご園の木の1本1本に話しかけながら歩くシーンがあるんです。
私が驚いたのは、スクリーンの中で、リンゴの木が「喜んでいる」とはっきり感じたこと。
良く馴れた草食動物のように、その人に話しかけられたり、(枝に)触れてもらったりするのが嬉しくて、まだ冬で雪が積もってるリンゴの木の枝が、なんだかその人の方へ、シナシナと伸びてくるような気がしたくらい。
私はこういったことについては、自分は疑い深い方だと思ってたので、自分で自分の眼が信じられない思いでした。
でも、フィクション作品で「断定」されたら、私はゲンナリしたと思います。
・・・そんなアレコレを想像してしまうので、『奇跡のリンゴ』は観に行く気になれずにいたんですが、お茶屋さんの感想読んで、山崎努の木村翁には会ってみたくなりました~(^o^)
ムーマさん、コメント、ありがとう(^_^)。
私はそういう話、好きなくらいなんですよ~。もしかして科学的根拠があるかも(あるいはナイかも)っていうくらいな気ではいます。
先日の台風も「曲がれ~、曲がれ~」と念じていたら曲がったし(笑)。
血液型性格判断も科学的な根拠はないけど「話」として面白いし。
『いのちの林檎』、観てみたいですねぇ。
木村翁は、いいですよ~!それほど突っ込んで描かれているわけではありませんが、その匙加減がこの映画にピッタリです。