映像がイイ!コントラストを抑え気味のフラットな色調で、映像がまさに潔く柔い。23歳の瀬戸カンナ(長澤まさみ)が、15歳をすごした団地の階段に腰を下ろし物思う場面では、秋めいた光景が背後にうっすらと見え、彼女のシルエットが金色に縁取られて季節感が出ていた。夜のガソリンスタンドの遠景とか、雨あがりの谷川から見上げる雲の切れ間とか、その他いろいろ気を遣って丁寧に作られた作品だと思う。
亡くなった人への(謝罪しようのない)罪悪感を抱えて生きる辛さと、それを乗り越えたときの清々しさと、恋愛ものの滑稽味とがうまくブレンドされて、とても好きな作品だ。お目当ての高良健吾は、出番は限られているけど、やっぱり良かったし(^_^)、演技派として一目置いている岡田将生も良かった。岡田将生は美少年系の薄い皮膚と赤い唇で損しているよね~。
赤沢禄(岡田将生)/春田(高良健吾)/柿之内の姉ちゃん(池脇千鶴)
監督:新城毅彦
(2013/10/26 TOHOシネマズ高知9)