ゴールド・ボーイ

『ゴールド・ボーイ』の感想を毛筆で書いた画像 黄金少年 末世的娯楽作

見た目が好みの坂口健太郎は1本で満足して終わってしまったが、見た目はそれほど好みでなくても演技力があるので次を観てみたくなるのが岡田将生だ。今回は、かつての火曜サスペンスも真っ青な大仰なエンタメ演技(金子修介監督の演出だろう)が笑えた。冒頭で早くも義父母を殺害(^_^;。彼が主人公かと思いきや、殺害場面を偶然録画し、犯人のヒガシノボルを脅迫する少年たちの一人、アサヒ(羽村仁成)が主人公だった。

アサヒは、友人ヒロシ(前出燿志)とその義妹ナツキ(星乃あんな)といっしょに脅迫するのだが、とっくに大人になった者の目からすると三人のやりとりが微笑ましくも見える。特にアサヒとナツキのシーンは胸キュンだった。お話は主人公に都合がよすぎると感じるところはあるものの、エンタメとして充分に面白かった。

それにしても、ヒガシノボルは遺産目当てに義父母と妻を殺害し、少年たちも金目当て。ヒロシとナツキは虐待してくる父から離れたい、アサヒは母子家庭で学資がほしいとはいえ、子どもが金目当てに脅迫とは(現実でもあり)気持ちのよいものではない。大人がお金に毒されているから子どももそうなってしまうのだろう。
終いにはサイコパス対決となるものの、いじめによる自殺を臭わせる事件や、自殺で子どもを亡くした母の妄執を思わせるいやがらせ、財力のある者が行政にまで幅を利かせたり、空を行く軍用機など、美しい沖縄の夏を背景に末世的な事柄がもやもやと胸に迫った。

(2024/03/13 TOHOシネマズ高知4)

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