デモクラTV特集「TPP 隠された真実」

これ、おもしろいです。と言っても第3回、第4回、第7回しか見てないですが。第7回はちょっと難しかったけど、ゲストのキャラクターがおもしろかった(^Q^)。
今国会でTPPは流れたし、米国大統領候補もTPPダメダメと言っているので、よかったーと思っていたところ、TPPと平行して協議されていた日米二国間協議というのがくせ者で、たとえTPPが批准されなくても二国間で合意した内容は生きているのだそうです。ほんまでっか?
いったい何に合意したのじゃ?国民皆保険をやめるなんていやよ、と思って真っ先に第4回を見ましたが、大事なところで寝てしまい(夜見ると必ず寝る!)、見直す予定。
無料で見れます。

デモクラTV特集「TPP 隠された真実」

第1回「多国籍企業の企てを許さない」

  なぜTPP情報は秘密なのか。
  交渉を裏で操る勢力は。
  なぜ大統領候補はみな反対なのか。

内田聖子・アジア太平洋資料センター事務局長

第2回「ISDS条項という毒薬」

  企業が国家を訴えるISDS条項はなぜ設けられたのか
  国内法・憲法より上位にあるTPP協定
  現代の不平等条約。なぜ政府は「亡国の協定」を結ぶのか

孫崎享  外交評論家

第3回「米韓FTAで起きたこと」

  国の制度が根こそぎかえられた韓国。
  大きな農家が壊滅した。
  ソウル市が怯える遺伝子組み変え食品

郭洋春  立教大学経済学部教授

第4回「クスリから国民健康保険へ」

  最大の圧力団体は製薬と保険。
  日本の医療市場が狙われている
  薬価の決定過程に米製薬会社が介入?

寺尾正之  全国保険医団体連合会

第5回「脅かされる食の安全」

  遺伝子組み換えで世界支配と狙うカーギル。
  農薬、食品添加物など前途多難
  アメリカ基準で日本の食文化が破壊される?

安田節子  食政策センター・ビジョン21代表

第6回「甘くなる金融規制」

  対日年次報告に沿ったシナリオ。
  狙われる日本の金融資産。
  簡保の次は共済が危ない

和田聖仁  弁護士

第7回「何を失い何を得たのか」

  「聖域」だった農業で妥協し、何を得たのか。
  なぜアメリカの言いなりなのか
  TPPで日本はどうなる 

鈴木宣弘  東大大学教授

ナイトクローラー

ナイトクローラーって大ミミズって意味なのか~。
夜、這い回る人でもあるのでしょう。
どちらにしてもお天道様は苦手でしょう。
ルー・ブルーム(ジェイク・ギレンホール)は、吸血鬼の形相だった。これは狙っていると思う。人の生き血が飯のタネ。
彼以外の人たちも、お天道様に顔向けできなさそうな人が揃っており、「世も末」感たっぷりで、むかむかするのに面白いという、実に困った作品(時代の映し鏡)である。

事件、事故の報道は大概無用、衝撃映像特集も大嫌いというのは少数派なのか、需要があるから供給がある式にそういうニュースや番組が引きも切らない。ニーズに合わせて売れるニュースを提供するのは自然な流れなので、ニーナ(レネ・ルッソ)を責められたものではない。彼女が職(生業)のために自尊心まで売り渡すはめになったのは、そういうワイドショー的なニュースを求める私たちのせいでもある。

教育とは良心を育てることだと言ったのは、なだいなだだったけれど、法に触れなければOKというニーナも、法に触れてもバレなければOKというルーも、倫理観はどこにいったのか、どうやら充分な教育を受けてないみたいだ。拝金教がはびこってお天道様や神様の部が悪くなっているんじゃないだろうねぇ。

ルーは特異なキャラクターだ。勉強熱心で自己実現のためというか有能さをアピールするためにこの仕事をしているように見えた。能力を発揮できる仕事に就けて喜ばしいことだ。彼にとって報酬は有能さのバロメーターだから言い値は際限なくつり上がるぞ。それにしても彼の能力ってなんだろう?考えて倫理観の欠如ぶりではないかと思った。時流の波に乗って飛ぶ鳥を落とす勢いのルーだが、おごれるものは久しからずで、そのうち刑務所でまた別(?)の能力を発揮することになるだろう。
(2016/05/07 あたご劇場)

追憶の森

昨年のカンヌ国際映画祭で総スカンというか大ブーイングというか酷評を受けた作品で、ガス・ヴァン・サント監督と相性のよい私でも耐えられるかどうか心配していたが杞憂に終わった。
富士の樹海(青木ヶ原)が舞台で、冒頭では森が海のように映し出される。風に揺れる木々の音だろう、波のように聞こえ、雲海とはちがうなぁと思った。
くれい響さんに『永遠の僕たち』(加瀬亮が特攻隊員の幽霊役で出演)の姉妹編と言われたとおり、主人公が死者からの「生きてね」「そばにいるよ」というメッセージを受けとめる物語だ。

亡くなった妻ジョーン(ナオミ・ワッツ)と後追い自殺をしようとする夫アーサー(マシュー・マコノヒー)をつなぐ存在としてあらわれるのがるナカムラタクミ(渡辺謙)で、ナカムラタクミはアーサーにいろいろな信号を送る。中でも最大の信号がキイロとフユだったわけだが、キイロではなくミドリにすればよかったのに。日本人女性の名前としては、キイロよりミドリの方がなじみよい。英語にしたときにグリーン・ウィンターよりイエロー・ウィンターの方が据わりがいいからキイロになったのだろうか。

生前のジョーンとアーサーの描写がとてもよかった。夫婦の関係が何によってどんな風に壊れるか(愛しあっているのに)、険悪な感じがひりひり伝わってきてつらかった。また病魔が二人の関係を修復した形になって、術後の二人の睦まじさが実によき眺めだった。(美男美女でいいねぇ。)紅茶と洗濯物のエピソードもかなり好き。(この映画でマコノヒーを初めて好きと思った。)

残念ながらジョーンが見ていた『巴里のアメリカ人』を私は見てないが、ナカムラタクミが歌っていた「天国への階段」は『巴里のアメリカ人』の中の歌だろう。樹海の階段とラストシーンの水辺から家に続く階段が、どちらも生きるための階段だと思えてくる。
(2016/05/03 TOHOシネマズ高知2)