アンサンブル・ベルリン ジャパン・ツアー2013

なかなか良いコンサートだった。
高知ジュニアオーケストラとの合奏は、大人数なのに指揮者がいなくて大丈夫~?とハラハラしたけど、大丈夫だった。どうも素人はいらない心配をするのでいけないなぁ(たはは)。しかし、プロと(しかも外国の)演奏できるなんて、いい経験だったろうな~。プロの皆さんも楽しかったことでしょう。

第1部では、オーボエ、ファゴット、ヴィオラ、チェロと、各楽器の独奏によって楽器の音色とかを堪能して(ヴィオラの音色が美しい~)、第2部では「待ってました!」のこれぞアンサンブル~な息のあった演奏が素晴らしく、アンコールでは曲芸の域に達したヴァイオリン・アートと、いやもう泣かされますわのチャイコフスキーと、小さく可愛いキラキラ感が美しい「きよしこの夜」の3曲も。いや~、良かった良かった。

ファゴトって立って演奏するとカッコイイな。音は間の抜けた美男子って感じでベン・アフレック・・・だと思ったら、オーボエは小回りの利くマット・デイモンに思えてしまって・・・。ファゴットとオーボエが仲良く掛け合ったりするものだから、う~ん、こりゃ、ますますあの二人だなと(笑)。

第一ヴァイオリン:ルイス・フィリペ・コエーリョ
第二ヴァイオリン:エーファ=マリーア・トマージ
ヴィオラ:ヴァルター・クシュナー
チェロ:クレメンス・ヴァイゲル
コントラバス:ウルリッヒ・ウォルフ
オーボエ:クリストフ・ハルトマン
ファゴット:モル・ビロン

[追記]
アンコールを含む演奏曲目と演奏の雰囲気がより伝わる次のページも、ぜひ、ご覧ください。
ヤマさんのライブ備忘録のアンサンブル・ベルリン ジャパン・ツァー2013

(2013/12/06 県民文化ホール(グリーン))

草間彌生「永遠の永遠の永遠」


2004年から2007年にかけて制作された「愛はとこしえ」シリーズは、モノクロームの線画だったので自分が教科書の端に描いた落書きを思い出したりした。もちろん、スケールも根の詰め具合も独創性も桁違い。へんてこりんなものが画面に隙間なく描出されている。そういう1枚1枚が更に壁いっぱいに並べられている。ある種の規則性(機械的な規則性じゃなくて有機的な規則性?)が生まれていて、部屋全体を見渡すとなんだか美しく見える。「天井にも床にも並べちゃえば~」などと思っていると、「チューリップに愛をこめて、永遠に祈る」でやられた(^_^;。入り口と出口のある白い部屋の内側が赤い水玉で四方八方おおわれて、これまた全体が赤い水玉の三つのチューリップが茎がねじれて咲いている。なんちゅう圧迫感。長時間いると気が狂いそうなので第一会場は早々に退散した。

つづく第二会場は、2009年に始まった「わが永遠の魂」シリーズがメインの展示で、「チューリップに愛をこめて、永遠に祈る」に匹敵するくらいの圧迫感があった。ネガフィルムのようなめったにない色の組合せを長時間見ていると脳髄が麻痺しそうな感じがした。エネルギーのマグマが四方からのしかかってくるようで、ここも早々に退散し、最後の展示「魂の灯」に並んだ。

並んでいると「注意書きをお読みください」と言われた。注意書きは、白線の内側から出ないように、また、怖くなったり気分が悪くなったりしたら内側からドアをノックするようにというような内容だった。ものすごく身構えてその白い立方体の中に入り、後ろでドアを閉められたと思ったら、宇宙が広がっていた!これぞ、「魂の灯」。これぞ、「永遠の永遠の永遠」。暗いガラス張りの部屋は無限に広く、水玉は電球に変換されて静かに色を変えながら灯りつづける。血行がよくなり体中に酸素が行き渡り、平静にはるか彼方の地平線まで見晴るかすような心持ちがした。こんなとき、芸術は心身の健康によいと心から思う。

売店で商品となった草間彌生グッズを見ると、「わが永遠の魂」に感じた圧迫感もなければ、「魂の灯」のような心洗われるような力もなかった。ユニークであることの面白さや楽しさを感じるだけだ。
『天使の分け前』上映会のとき撮った写真や、うえの写真のとおり、美術館全体を草間ワールドとしているのは良い試みだと思った。何より楽しい。導入部は楽しく、ちょっとかじると消化不良、しかし、最後はすっきりと。なかなか良い展覧会だったと思う。

(2013/12/01 高知県立美術館)

イサム・ノグチ庭園美術館


我が家の昭和一桁生まれは、2010年に二度入院したのを機に行商を引退し、主夫業に専念している。そのかたわら年に何度か日帰り旅行をして、冥土の土産の収集をしているが、イサム・ノグチ庭園美術館はツアーもないし、予約が必要で場所もわかりにくいのでいっしょに行ってきた。
観覧できるところは、小道を挟んで北と南の区画に分かれている。石垣で囲まれた北の区画にはアトリエと屋外展示作品群、同じ区画の少し奥まったところに展示蔵(と作品)があった。南の区画にはイサムが暮らした家屋と庭、数メートル離れたところから彫刻庭園への登り口があった。
庭園美術館というだけあって、北の大きな樹木(私の大好きな柳も)や庭先の竹林などとてもいい感じだ。作品だけでなく、蔵や日本家屋や内装などの全体にセンスがあり、そこにいるだけで楽しくなってくる。一番よかったのは彫刻庭園だ。急な石段を登っていくと芝に覆われた開けた場所に出る。そこには石舞台があり石舞台から向こうを見るとユーカリの巨木がそびえている。木の反対側にはこんもりと丸い丘が築かれていて、ぐるりと周りながら更に登ると視界が一気に開け町が見下ろせ五剣山も望める。日本人ならお弁当を広げ、おにぎりを頬ばりたくなる場所だ。黄緑色の丘には吾亦紅がたくさん咲いていた。頂上にはイサムの作品が鎮座していたが、他の石は自然石なんだそうな。自然に出来たと思えない穴が開いていたりしたが。表面に出ているのは三分の一で他は地面の中という長さ6、7メートルはありそうな石もここまで運んだという。石の配置と丘のこんもりぐあいとロケーション。水の通り道に敷かれた小石。広すぎず狭すぎず、居心地のいい秘密基地のような場所だった。

(2013/11/16 香川県牟礼町)

熊谷守一のカレンダー

斑猫
贈り物は別として、通常只で手に入るカレンダーをわざわざ買うのは無駄遣いという家訓があるため(?)、これまで仲間と買ったヴァル・キルマーのカレンダーを除いて買ったことはなかったんだけど、生涯2度目のカレンダーに手を出してしまいました。
あー、しあわせ~(^_^)。

本日は、そのカレンダーをスキャンして、デスクトップの背景に設定。windows7はデスクトップの背景をスライドにできるので、取り込んだ12枚がランダムに見れるのです。
あー、しあわせ~(^_^)。

猫は最も絵になる動物ですね。
熊谷守一という人を全く知らないのですが、カレンダーの帯には「『仙人』と呼ばれ、自由な精神に生きたクマガイモリカズ-猫、鳩、雨水等、身近な生命、風景を描いた代表作12点掲載!-」とあります。
そのうちネットで検索してみよー。