アングリースクワッド

『アングリースクワッド』の感想を毛筆で書いた画像

桁が違う

気軽に楽しめて面白かった(^_^)。
上田慎一郎監督は『カメラを止めるな!』でゾンビ物として楽しませてくれただけでなく、父と娘の愛情物として感動させてくれた人で、本作でもコンゲームの楽しさだけでなくファミリードラマとしても感動させようとする作りになっている。感動とまではいかなかったが方向性としては好むところだ。ただし、事なかれ主義である税務署員の熊沢(内野聖陽)が、「怒りのチーム」を組むというか参加するというか、そうなる原動力になるはずの、脱税王で税務署まで牛耳っている橘(小澤征悦)にいたぶられるのせいで亡くなった同僚の名前を尋ねる場面で、全く共感できなかった。この場面で私も熊沢といっしょに「腹立つわーーーー!」と思えなかったのは、役者か演出に問題があるのか、若しくは私の感覚の鈍磨か。浅野内匠頭が吉良上野介にいたぶられる場面では「ムカつくわー!」と思えると思うのだが・・・・、自信はない。

それよりなにより真矢ミキが、めっちゃカッコいい!!!!前に何かの映画で踊ってくれたときもカッコよくて萌えたが、本作でも天才詐欺師氷室(岡田将生)に資金提供する893なマダム(?)ばかりか、詐欺一味として弁護士まで演じており、怖マダムと堅気弁護士の両方がカッコいいのだ。真矢ミキ主演でミュージカル版『グロリア』か七変化ものを観たい!弁天小僧菊之助もいいなあ。

映画とは無関係だが、東日本大震災のとき“個人”で“百億円”の寄付をした企業家がいて、累進税の税率を甘くすると(?)ここまでになるのかと驚いたことだったが、橘が10億円の脱税で日本国内に資金があるんだと思うと小物やと思ってしまった。小物でも脱税する者は税金泥棒。映画の結末にはスッキリだ(^_^)。
(2024/12/14 あたご劇場)

侍タイムスリッパー

『侍タイムスリッパー』の感想を毛筆で書いた画像 残したいもの

面白いし感動した。文句があるとしたら、ちょっと上映時間が長いくらい。
昔ほどには作られることがなくなった時代劇を残したいという思いが伝わってきた。真剣勝負にしびれることがあってはならないと思うがしびれた!(芝居ですから~~。)また、幕末の名もなき侍たちが、私利私欲ではなく後の世を思い戦っていたという、その思いに感動した。暗殺はいっぱい、内戦もあり、嫌な時代だと思っていたけれど、その中の一人の気持ちに気づかされるのもフィクションの良さだ。

映画とは無関係だが、先だって被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の田中煕巳(てるみ)さんが、ノーベル平和賞受賞の記者会見で「若者にどんな未来を残したいですか」と問われて、「自分で考える未来」と答えていた。しびれた~。(名言ですから~~。)
(2024/11/02 TOHOシネマズ高知4)

ぼくのお日さま

『ぼくのお日さま』の感想を毛筆で書いた画像

動く絵本

詩情のある映画に感想文は無用。

ほっこり(^_^)、元気をもらえた。タクヤ(越山敬達)とさくら(中西希亜良)の視点だけで十分。大人(荒川コーチ:池松壮亮)の視点は観客と共通するので、私はなかった方がいいと思う。初恋と古恋の対比かもしれないけれど、この場合、作品の美しさを削ぐ気がする。多少削がれても十分美しいのが驚異。

野球もアイスホッケーもうまくないけれど続けているタクヤが、一度のすっぽかしにもめげず、さくらに声を掛けようとする。パワー、パワー(^o^)。タクヤの友だちの男の子もよかった。
(2024/10/19 TOHOシネマズ高知2)

パリのちいさなオーケストラ

『パリのちいさなオーケストラ』の感想を毛筆で書いた画像

万能薬

音楽は、貧富、家柄、障害の有無、人種、性別などを問わない、いろんな意味でバリアフリーであることが描かれていた。だからこそ人を繋ぐことができるという結びが、ボレロの楽曲とともに気持ちのよい幕切れだった。

アルジェリアからの移民二世で指揮者志望の高校生女子ザイア(ウーヤラ・アマムラ)が主人公。努力と才能もすごいけど、行動力がすごい。彼女ならオーケストラを作れるわ。彼女の家族、温かないい家族だった。ただし、子どものためを思ってフランス語オンリーの家庭にしたのは私も残念だと思う。

ザイアの才能を見いだした著名指揮者チェリビダッケ(ニエル・アレストリュプ)は、マジで芸術家だった。言っていることが訳わからん。同感だったのは、アラビア語も話したらよかったのにとザイアの父に言ってたこと。

ザイアが仲間とともに刑務所を慰問したシーン。仲間の中には、刑務所でお勤め中の父に反感を持っている男子もいる。このシーンは台詞なしだったが、演奏する息子と聴いている父の表情だけで泣けてきた。ハイライト。

あと、日常の生活音などがザイアの耳にかかると音楽に変換されていくのを音と映像で表現しているのが、すごく面白かった。昔、伊東四朗と小松政夫が、会話の中の言葉から繋いで歌うコントがあって、あれなら私もよくやっていたが、音楽の才能がある人はこんなことができるんだと感心した。
(2024/10/13 あたご劇場)