文楽公演

落語とのジョイント高知公演も3回目。
とっても楽しかったです。
・五条橋
 太夫が二人、三味線が三人というのは、初めて観ました。こういうのもあるんだ~。お一人は、声が出てなくて残念。しかし、太棹はいいねー!細棹がシャンソンとすれば、太棹はソウル・ミュージックって感じ。
 牛若丸と弁慶の馴初め(?)の舞踊。
・人形解説
・豊竹屋(落語:桂かい枝)
 文珍もそうだけど、かい枝兄さんも文楽の真似がうまい。関西の噺家は皆、文楽ができるんかな?豊竹屋は、大夫の真似事をしている男と、エアギターならぬエア三味線(口三味線)が上手い男の掛け合いが傑作でした。
 それにしても噺家さんは、客席の空気をよく読んで、笑いを倍増させますなぁ(拍手)。
・漫談?(落語:快楽亭ブラック)
 飛び入りですか?演目にはなかったのでビックリしました。ちと毒の匂いのするお人やなあ。
・傾城阿波の鳴門 十郎兵衛住家の段(竹本相子大夫)
 傾城阿波の鳴門は知らないけれど、この段は御馴染みです。幼い娘が、父母を探して巡礼の旅をしている。出逢った母は、我が子とわかっても、夫と自分は盗み騙りで追われる身ゆえ、名乗りを上げても子を幸せにはできそうもない。路銀を持たせ、涙を飲んで別れます。
 母人形が素晴らしく(もちろん義太夫も)、泣かされました。

藤娘、鷺娘

玉三郎の舞踊公演へ行って来ましたー。
美しかったですー。
しかし、長唄の歌詞が聴き取れないのがつらい。幕間に慌ててパンフレットを買って、鷺娘の歌詞を読んで予習して、やっとなんとか聴き取れるって感じ。
でも、まあ、歌詞がわからなくても、藤娘が酔っぱらっていくのはわかったし、鷺娘が悲恋の果てに壮絶に舞い死んでいくのも涙でした。
歌舞伎の師匠(友達)に鷺娘は「必見。まさに鳥!」と言われておりましたが、本当に素晴らしかったです。正直申し上げまして、舞踊公演というのは歌詞が聴き取れないとややもすると退屈になってしまいますが、玉三郎の鷺には引き込まれました。つま先と手の先で鳥の動きを表現した踊りなんか、正に鳥というだけでなく澄みきった美しさとでも申しましょうか。
演出も考え抜かれているのですね。場内真っ暗。一寸先も見えない状態で、密かな雪の音(太鼓)。薄ぼんやりと白い舞台が浮かび上がり、そこに一羽の鷺がいる・・・。
鷺が娘の姿になって、また鷺にもどるところなんか、桃色の着物から一度緋色の着物が見えたかと思ったら、次の瞬間には白鷺になっている!
そこからさきが、また凄まじくてですねぇ!バレエの瀕死の白鳥を思い出したりしましたが、首から肩、指先に掛けて白い着物で覆われていて、バレエのように腕の動きとか直接は見れないのです。肘から先を小刻みに動かすのが羽ばたきに見えます。天を仰ぎ、降りしきる雪の中、白鷺が舞う。正に舞う。狂おしいばかりの舞でございます(涙)。
藤娘の方は、屏風の藤が美しかったわ~。藤にも色々あって、ずんぐりむっくりの藤があったりしますが、ワタクシがもっとも美しいと思っている種類の藤が描かれておりました。着物も帯もかんざしも、その藤尽くし。
長唄の皆さん、よいお声。今回、初めて三味線(細竿)をカッコいいと思いました。三味線と太鼓に拍手が沸いたもの。
そうそう、お客さんもおもしろかったです。
衣装が替わるたび、背中を反らすたび、会場がざわざわと。「じわ」ではなく「ざわ」(笑)。
花束も新聞紙で包んでいたような(^_^;。新聞紙風の包装紙かしら?お家で摘んできたお花かな。
お客さんの様子は、玉三郎が来てくれて嬉しいーって、すごく伝わりました。

勧進帳>高麗屋

27日(木)に須崎市文化会館へ観に行ってきました。
弁慶:松本幸四郎
富樫:市川染五郎
の勧進帳がメインですが、幸四郎さんが演出した歌舞伎入門があって勉強になりました。それとお客さんを舞台に上げて、女性には立ち回りを、男性には女形を演じてもらうという趣向、これ、受けるんですよねー。やっぱり、おもしろかった(^o^)。特に女形は大受けです。
勧進帳は、私は海老蔵、仁左衛門のを観たことがあるのですが、それに比べると大変あっさりしておりました。染ちゃんは、こんなに線が細かったっけ???と意外。線が細くて色っぽい富樫になっていて、おまけに「弁慶が必死で義経をちょうちゃくする姿に心を動かされ、騙されたふりをする」という風には見えなくて、富樫としてはどうよと思いましたが、その色気、ワタクシといたしましては楽しませていただきましたー。