夏の第九

夏の第九コンサートへ行ってきました。
第九の前にシューベルトの「未完成」交響曲の演奏があって、聴いたことがない曲なので、これも大変楽しみでした。第2楽章が終わって拍手があり、「あ、それで未完成か・・・。」と納得。
綺麗な旋律のところと、あらまあ、突然ビックリの大音響のところがあり、クラシックで寝るのは無理という思いを新にしました(笑)。
第九のオケは、う~ん。ホルンだかなんだかの金管楽器は、音を綺麗に出すのが難しいのかなぁ。ひっかかったような音が気になって(^_^;。
弦楽器は一体感があるので気持ちよく聴いていると、木管(上手)、金管と入るとバラバラした印象に。多分気持ちよく聴いている部分の方が長いでしょうし、いい演奏だとは思いますが、個人的には妙にスッキリしませんでした。(第2楽章はずーっと気持ちよく楽しかったです。)
しかし、合唱付きはいいですね!
この合唱で、もやっとがスッキリ。
ソリストの皆さんは、第4楽章が始まっても舞台に登場せず、いつ現れるのかしらと思っていたら、ソロの直前に、バリトンの山本さんがスポットライトを浴びながら上手の花道から登場。山本幸雄さん(パンフレットの写真と印象がずいぶん違いますが、山本さんですよね?)は、いいお声。背も高くて渋くてカッコいいわ~。
続いて下手の花道から残るお三方が登場。舞台を生かしたよい演出ですね。
テノール合田圭吾さん、アルト北村梢さん、山本さんの三重唱のところが、すごく綺麗でした。
池田理代子さんのソプラノは、ビブラートを利かしすぎだと思いました。
合唱団の皆さんは、よかったですよ~。弱音のところなんか綺麗でした。
ベートーヴェンの交響曲は堅牢な建築物のようです。建物の窓が開き、そこから風が吹いてきたり、小鳥のさえずりが聞こえたり。雷鳴がとどろいて土砂降りになろうとも、建物自体はゆるぎない。そんな交響曲ですね。
年末には、ピアノ協奏曲第4番と第九の演目で、またコンサートがあるみたいなので、是非、行きたいですが、金曜日だから忘年会と重なりそう。私は忘年会よりベートーヴェンなんだけどな~。

アルコールとバレエ

バレエ公演に行くと、幕間にシャンパンやワインなどいただくのはよろしいですね。ワタクシ、そんなことはほとんどしたことがないペットボトルのお茶派なのですが(笑)。

ところで、アルコールが似合うバレエDVDというのがありまして。
その名を「エッセンシャル・バレエ/ロシア・バレエのスターたち」といいます。
前半はロンドンのコヴェントガーデン王立劇場、後半はモスクワの赤の広場(特設ステージのよる野外コンサート)のライブ録画となっております。
コヴェントガーデンのものは、今は亡きダイアナ妃の御前公演で、なんとなく冬向き。赤の広場の公演は野外ですから夏向きでビールなんか飲みながら見ると楽しいだろうなーと思います。

日本でも毎年、軽井沢かどっかで野外のバレエ公演があるらしいですが、赤の広場の公演はどうなんでしょー?毎年かどうかはわかりません。
しかーし、このお客さんのこなれ具合!指笛は鳴らすは、ヒューヒュー言うは、絶対アルコール入ってるね(笑)。

特設ステージに通常のオーケストラピットは設けられていません。ステージ上に壇を設けその上で演奏しています。
オーケストラの壇(オケ壇)は人の背丈より高いかな?(それほどではないか?)指揮者はダンサーを背にするわけですから大変です(?)。
それに、にわか舞台ですから、ジャンプするたびに着地音が激しいです。

おもしろいのは、オケ壇の真ん中に隠しカメラがあることです。このカメラの足元アングルで、前景にステージがあって、ステージの前方にダンサーがいて、ダンサーの向こうに観客がいて、そのまた向こうに青空が広がっているのが気持ちいい~!
時間が経つにつれて空の色が変わり、暮れなずんでいく様子も、なんともいえない風情があります。
観客席の後方から舞台を向いたカメラもあって、赤の広場をぐるり写してくれたりしてとても綺麗です。

このDVDの野外公演が大好きでもう何度見たことか。
でも、まだアルコール付きでは見てないので、夏も終わりの今夜あたりやってみますかね(笑)。

DVD『高慢と偏見』

『アナザー・カントリー』のトミー・ジャド、やっぱりよい(はぁと)。本当に優しいです。と、ここ1週間思い続け(笑)。
ジャドを演じたコリン・ファースつながりで「高慢と偏見」をまた観てしまいました。放送中はイギリスの女風呂が空になったという(笑)BBCのテレビドラマ。全部で5時間ありますが、観だしたら止められないのです。この調子で何遍観たことやら。
多分、台詞も面白いだろうなぁ。吹き替え版がないのが残念です。

パリ・オペラ座DVD「白鳥の湖」

ヌレエフ版です。
まず、演奏が遅いのにビックリ。でも、ゆっくりだったのは序曲だけかな?すぐに「音楽がよいと飽きないなぁ」とチャイコフスキーに感謝(笑)。

ヌレエフの振り付けは、ステップが細かくて、おそらく生で見ると群舞は足音なんかしてせわしない印象があると思われますが、DVDだとそういう印象は緩和されます。フォーメーションなども美しく変化して、映像の撮り方もよろしく上々でありました。
しかし、何と言っても一番の特徴は、家庭教師(実はロットバルト)でありまして、王子を精神的に支配している様子が悪魔的でなかなかよろしうございました。カール・パケットを初めてカッコイイと思ったし。やっぱり悪魔は美形に限る(笑)。
それにしても、ロットバルトの動機がよくわかりません。オデットを白鳥に変え、王子が彼女と出会うようにしむけたうえ、偽オデット(オディール)で騙し、二人の仲を裂くとは。何か王子に恨みでも???王子をおもちゃにしているの?永遠の愛などないと言いたかったのでしょうか?

パリ・オペラ座の舞台は、いつも美術や衣装が洗練されていて見事だと思います。ヌレエフ版では、セットがあっさりしていましたが、衣装は流石。色彩の統一感や豪華な質感などはいつもどおりでした。

踊りはちょっと物足りなさが残りました。ロシア・スタイルに慣れたせいでしょうか。どこがどう違うかわからないのに、違うんですよね~。ロシア系は全身を極限まで(余裕を持って)使っているような感じがするんです。群舞に至るまで。
ちょっとコンディションが悪いまま見てしまったのがいけなかったのかなぁ。2幕あたりからダレちゃって(^_^;。改めてゆっくり見直したいと思います。